トキナーAT-X 11-20 PRO DX は光学性能は旧型から改善しているがAF精度が問題

LensTip に、トキナーのAPS-C一眼レフ用の超広角ズーム「AT-X 11-20 PRO DX」のレビューが掲載されています。

Tokina AT-X PRO DX 11-20 mm f/2.8

  • フォーカスリングは、適切に動き、正確なピント合わせができる。フォーカスリングの回転角は90度だ。ズームリングは良い感触で、程よい重さがある。
  • AF/MFの切り替えは、フォーカスリングを手前に引いてMFに切り替えるフォーカスクラッチと呼ばれるメカニズムが採用されているが、これはこれまで見た中では最も悲惨な機能だ。AFモードでピントを合わせた後に、フォーカスリングを引いてMFモードに切り替えるとピント位置が動いてしまうので、AFで合わせたピントが無駄になってしまう。結果として、最初からMFで合わせなければならない。加えて、テストした個体では、切り替え時にリングがしばしばひっかかった。トキナーは、この機能をこれ以上採用するべきではない。
  • 解像力は、中央は開放から全域で45lpmmを超える非常に高いレベル(良像の基準値は34-35lpmm付近)で全く問題は無い。絞ると54lpmm付近まで改善し、とても高性能な単焦点レンズと同程度になる。ここでは、以前のテストでとても高評価だったトキナー11-16mm F2.8 II の結果を若干上回っている。
  • 隅の解像力は、開放ではズーム全域で基準値を超えない(31-34lpmm)が、幸いなことに、1段絞れば問題は解消する。旧型(11-16mm)は開放でどの焦点距離でも30lpmmを超えなかったので、新型の方が若干優れている。新型はズーム域が広いことを考慮すれば、この改善を賞賛するべきだ。
  • 軸上色収差は、F2.8の大口径にもかかわらずとてもよく補正されている。倍率色収差はトキナーのレンズの弱点で、11mm開放で0.18%の高い値に達している。加えて絞り値や焦点距離を変えても、倍率色収差は0.14%未満にはならなず、非常に目に付く。それでも旧型の11-16mm (倍率色収差は0.22-0.27%)と比較すれば、明確に改善している。
  • フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲は広角端で-3.15%のタル型で旧型の-2.95%よりも若干悪くなっているが、違いは小さく許容範囲内だ。望遠側にズームすると16mmでは歪曲は-0.73%、20mmでは-0.21%で問題は無くなる。
  • コマ収差の補正は、完璧ではないが大きな問題はない。非点収差は少ない。
  • 周辺光量落ちは、11mm開放で25%(-0.82EV)で、11-16mmの33%よりも良好だ。F4に絞ると15%(-0.47EV)に、F5.6では11%(-0.34EV)で、ほとんど気付かなくなる。ズーム中間域では、周辺光量落ちは開放で18%(-0.59EV)、望遠端では開放で16%(-0.52EV)で問題はない。
  • 逆光耐性は旧型(11-16mm)では非常に悪かったが、11-20mmでは顕著に改善されている。しかし、逆光耐性は引き続きこのレンズのウィークポイントで、絞り値にかかわらずどの焦点距離でもフレア・ゴーストがでやすい。
  • AFは静かとはいえず、速度は平均的だ。AF精度は残念ながら大いに問題があり、ニコン用は後ピンが見られ、キヤノン用はニコン用より少し良好だったがそれでも完璧にはほど遠かった。このレンズは、焦点距離と撮影距離の双方に強く依存した、非常に強い後ピンがほとんどのケースで見られた。
  • 11-20mm F2.8 は、光学性能を落とすことなく11-16mmよりも汎用性を高めている。逆光耐性や色収差、周辺光量落ちは新型がずっと良好で、画面全域でシャープなのはとても有意義な特徴だ。AFの不手際が痛いところだが、これはテスト機が古かった(ニコンはD7000、キヤノンは50D)ためかもしれず、D7200や7D2のような最新のボディだったらもっとよい結果を得られた可能性もある。できれば、このレンズを購入する前に、自分のカメラでAFのテストをしてみることを強く勧める。
  • 良い点: しっかりした鏡筒、他にはないスペック、ズーム全域で中央の見事な画質、隅の良好な画質、軸上色収差が目立たない、コマ収差が穏やか、非点収差が少ない、このクラスとしては周辺光量落ちがわずか、コストパフォーマンスが良好。
  • 悪い点: 使い勝手の悪い散々なAF/MFリング(※フォーカスクラッチ機構のことです)、AFの問題、ライバルよりも歪曲が大きい、逆光耐性が今一つ、倍率色収差が非常に大きい。

 

解像力は中央は際立って優秀で、隅も広角ズームとしてはかなり優秀という印象です。その他の項目も旧型と比べると全体的に改善されていて、ズームレンジを拡張しながら上手くまとめたレンズという印象です。ただ、ウィークポイントとして指摘されているAF精度は少々気になるところですね。

2015年9月21日 | コメント(8)

コメント(8)

フォーカスクラッチ機構が出たときには純正で同様の機構がないメーカーもあったのでそれなりに魅力的でしたが,超音波モーターの普及でフルタイムMFが一般的になった今では時代遅れということでしょうか。
しかしトキナーのピントリングの感触は捨てがたいんですよね。超音波モーターだとリングの感触がザラザラしてたり,微妙に遊びがあったりして,MF機能はオマケ程度のものが少なくないですからね。

トキナーのレンズは画質がいいのですが、操作系がどうしても……という感じです。
同じくフォーカスクラッチ機構を採用しているレンズにはOLYMPUSのPROシリーズがありますが、あちらはフルタイムマニュアルとMFという感じでスイッチ操作などせずにAF-MF切り替えをできるレンズでとても便利だなと思っています。トキナーさんもこれができれば買いたいんですが……

自分はもともとSIGMAのレンズばかり持っていて超広角をSIGMA10-203.5とTOKINA11-202.8と悩んだ時に店頭で実機を扱わせてもらいました。
その際TOKINAよりSIGMAの方が描写が優れてる様な気がしたのでSIGMAにしましたがAF精度でしたか。
いつか2.8で後継が出るののならAF精度改善して頂きたいものです。

従来型 11-16mm との比較ですが、周辺像は新しい 11-20mm がかなり良いようですね。 ただ周辺光量が謎で、GANREF に掲載されている DxO データとは優劣が逆になっています。

最近は安価でも周辺まで良像なレンズが多いですが、こと周辺光量、特に2~3段絞ったときの改善具合に関しては、コスト・小型化・利便性などとのトレードオフをはっきり感じる印象があります。 個人的にはそこを重視しているので、DxO の本家サイトで並列比較できるようになるまで判断を保留したいところです。

フォーカスクラッチに関しては国内レビューとは違ってハッキリ言いますね。 個人的に AF 後に微調整する用途は無いのでカメラ側で切り替えればあまり関係のない部分ですが、MF の感触は重視したいです。

AF 精度に関しては、そういえば D7000 っていろいろ言われていたような気もするので、実際に購入されたユーザーの評価次第ですかね。

フォーカスクラッチの方が好きだという人もいますが、やはり少数派なのでしょうか。

フルタイムマニュアルもAFで合わせた後に誤ってフォーカスリングに触れてしまってピントがずれる問題がありますし、必ずしも優れているわけではないと感じています。
AF・AF/MF・MFと三段階のスイッチになっていればいいのにと思うことがあります。操作系が複雑になるのでそれもまた善し悪しですが・・・

もともとフォーカスクラッチはフルタイムマニュアルフォーカスのための装備ではないのではと思いますが。
ニコン用はレンズ内モーター非装備のようですし。
評価サイトによっては、万能こそ正義!といった評価がされるので、このサイトだけで判断するものでもないですね。
私としても、ピンの来たのをわざわざMFで修正しないし、どうせ修正するなら切り替え時に多少ずれても関係なかったり。
それより、ズーム操作でピントのずれる方がマニュアルで使いにくいわ。(フォーカスシフトの方は無いのね。)
これはどうなんだろ?

トキナーの12-24を使ってますが操作性は非常に気に入ってます。仕事用なので歪曲が気になりますが、他社と比べてもわりとマシな方なので諦めています。昔の人にならい目測でMFしたほうが手っ取り早いのでこのトルク感は助かります。いつか買い換える候補に11-20を入れてもいいかなと思ったのですが、解像と歪曲が改善されるわけでもなさそうな結果の記事なので見送るかもしれません。

フォーカスクラッチも何タイプかあって、
270ProみたいにM/A切り替えスイッチと
クラッチ付いてる奴は、切り替えスイッチをAFにして、
クラッチ側をMFにすると、MF+AFで使えたり。

あんまり進められないですけどね。MF用のトルクが
掛かった状態でAFモータが動くので。

280Proとかだと、AF/MFのフォーカスクラッチで
完全に切り替わりますけどね。



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このページは、2015年9月21日 に公開されたブログ記事です。

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