ツァイスOtus 1.4/28 は高解像力だがボケがうるさい

ePHOTOzine に、ツァイスの大口径広角単焦点レンズ「Otus 28mm F1.4(Fマウント版)」のレビューが掲載されています。

Zeiss Otus 28mm f/1.4 APO Distagon T* Review

  • Otus 28mm F1.4 の最初の印象は、大きく重く豪華なレンズだということだ。鏡筒の仕上げは見事で、フォーカスリングは絹のように滑らかに動く。絞りリングは実に素晴らしい造りで、固いが使いやすい。
  • 解像力テストでは、中央は開放から既に高い値で十分に実用になる。絞ると解像力は徐々に改善し、F4で素晴らしい値になり、F11までこの値が維持される。F16では若干解像力が落ちるが、まだ完璧に実用になる。このレンズの解像力のピークはF5.6からF11だ。
  • 隅の解像力は中央に近い値だが、若干後れを取っている。しかし、この値はハイレベルで、見た目の印象としては隅から隅までシャープだ。隅の解像力のピークはF5.6からF11で、F16ではわずかに解像力が落ちる。このレンズは、画面全体の均一性が非常に高い。
  • 倍率色収差は、画面全域でおよそ1/2ピクセルで、驚くほど低い値だ。倍率色収差は、明るい空を背景にした木の枝でさえ目立たず問題はないだろう。
  • 歪曲は-1.3%タル型で、まずまずだ。歪曲は、必要なら後処理で容易に補正できる。
  • 逆光では、冬の低い太陽が直接レンズに入った場合でもフレア耐性はほとんど完璧だった。太陽が画面内でも画面外でもフレア耐性は良好で、コントラストも良く維持されている。
  • 玉ボケは若干うるさく、特に枝のようなものの後ボケはそれほど滑らかではなく、うるさく感じる。
  • このレンズのクオリティは見事なものだが、非常に大きく重い。もし、F1.4の大口径が必要で、これだけの金額を払う余裕があるならく、他に問題なのは、大きさと重さのために手軽に持ち運べないことだけだ。Otus28mm F1.4は、クオリティの面では28mmのレンズの中でベストだ。
  • 良い点: 高解像力で非常に均一性が高い、色収差が非常に少ない、画像が素敵に感じる、美しい造り、歪曲が小さい。
  • 悪い点: 価格が高い、ボケがうるさい、大きく重い、MFのみであること。

 

Otus 28mm F1.4 は、大口径の広角レンズにもかかわらず開放から隅の解像力がとても高く、これなら開放から十分に実用になりそうです。色収差もよく補正されていて、逆光耐性も優秀のようですが、ボケのうるささが指摘されているのが気になるところですね。サンプルでは、ボケ味が見て取れる作例が少ないので、もう少しサンプルを見てみたいところです。