- ソニーは29日、2015年度第3四半期(10~12月)の決算を発表した。売上高は、前年同期比0.5%増の2兆5,808億円。営業利益は同11%増の約2,021億円、税引前利益は同15.2%増の1,933億円。純損益は約1,201億円の黒字。
- デジタルカメラや医療などのイメージング・プロダクツ&ソリューション分野は、売上高が前年同期比5.0%減の1,919億円、営業利益は237億円。ビデオカメラやデジタルカメラの販売台数の減少により減収となったが、デジタルカメラの製品ミックスの改善などにより増益となった。
- デバイス分野は、売上高が前年同期比12.6%減少の2,499億円。スマホ向けの需要減少の影響を受けたイメージセンサーや、電池事業の大幅な減収などによって、分野全体でも減収となった。一方で、当初の想定を下回ったがカメラモジュールの拡大があったことや、為替の影響など売上高増加の要因もあった。
- デバイス分野の営業損益は、前年同期は538億円の黒字だったが、第3四半期は117億円の赤字となった。大幅な損益悪化の理由としては、306億円の長期性資産の減損を含む電池事業の悪化、イメージセンサー/カメラモジュールの減価償却費や研究開発費の増加、イメージセンサーの減収の影響などを挙げている。
- 吉田CFOは「中長期的な事業の位置づけは変えていないが、これからはスマートフォンは成長鈍化を前提に事業計画を策定する」と述べ、'15年に計画を発表した「'16年9月に月産87,000枚」という増産については見直すことを決定。
デジカメの販売はソニーも他のメーカー同様に振るわないようですが、減収でも増益になっているので、ハイエンドコンパクトやフルサイズミラーレスなどのより高価格帯の製品にシフトする戦略は成功しているようですね。
あと、ソニーはイメージセンサーの分野では、最近まで絶好調というイメージがありましたが、昨年の秋あたりから失速しているようですね。これは主にスマートフォンが原因のようですが、デジカメのセンサーへの影響も気になるところです。
NK
スマホがあらゆる電化商品をのみこんで、
またその成長が止まると影響が大きいですね。
環境という視点からは省資源で良いのかも知れませんが、
メーカーには影響があります。
ソニーのセンサー事業は今後のIoTの隆盛で前途は
バラ色に見えます。
カラダ探し
イメージセンサー分野は他国(特に韓国)の成長もあり、ある程度まで成熟したら、液晶のように利益の見込めない分野になるのではないでしょうか。あと10年後はどうなっているでしょうか。
ペイン
今回(3Q)のソニーの決算で、デバイス分野の売上・年度見通しは、1200億円もの大幅下方修正となっています。殆どがモバイル機器の需要減によるものなので、モバイル機器市場動向を見定めるのが肝要ですね。ただ営業利益で見ると、イメージセンサーではなく、電池事業が足を引っ張っているようです(長期性資産減損を計上)。
一方、イメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野の営業利益・年度見通しは、50億円の上方修正となっています。デジタルカメラの年間台数は850万台から610万台に減少する見通しですが(その他、業務用機器等の売上100億円減が盛り込まれました)、高級化シフトによる単価上昇が、212億円の増益見込みに繋がっているのだと思います。
popo
スマホは、本体の性能的に成熟期に入ったと思われますが、カメラ機能は、まだまだ伸びる余地を残していると思っています。それは、センサーの大型化であったり、レンズのズーム化、高速化などだと思いますが、それにソニーが追従し、新しい商品を提供出来ることが、イメージセンサービジネスの根幹になるでしょうね。半導体ですから、数が出ないことには、利益は、出ませんから。
ふく
ソニーはイメージセンサーの開発や増産に積極的に投資しているイメージがあったのですが見直した結果、減産となると収益はどのくらい悪化するのでしょう…。
半導体関係は維持するだけでも莫大な費用が掛かるでしょうし。
1インチセンサーのコンパクトカメラなどの大型センサーを搭載した製品の競争が激しくなり選択肢が増えそうな流れに影響が無ければいいのですが…。
英國紳士
IP&S部門のQ1からQ3までならば
2014年度 売上高5,465億円 営業利益514億円
2015年度 売上高5,568億円 営業利益657億円
(前年比+0.8% 営業利益+143億円)
なので、これだけ見れば順調に成長していたように見受けられますが、この記事にて管理人さんがご指摘の通り2015年度のQ4で失速して赤を切ってしまったという事でしょう。
企業側からみれば儲かる分野に力を入れたいところなんでしょうが、消費者としては、せっかく技術を持っている会社なので世間を驚かせるような新しいミラーレスを是非投入して頂きたいところです。
どりゃー
現在画像センサー需要はスマホに頼りすぎだろうから、
どんどん用途拡大を図らないといけないのだろう。
車載・防犯・監視・医療・レジャーなどなど色々開拓の余地が
あると思います。
きっとソニーでも成長分野として注力していくだろうし、
ずっと先まで有望であり今後も期待します。
淡路
画像センサーの用途は多岐に渡りますが、その中でも主要用途であったスマートフォンの成長鈍化によってソニーが減損計上に追い込まれるという事実は衝撃的です。画像センサーがソニー復活の新たな牽引役に目されるとともに、東芝等から工場を取得したのはつい最近の出来事でしたが、そんなソニーが予測していなかった需要の減少が到来しているということだと思います。需要の落ち込みは短期的と見込まれているようですが、中国経済の悪化を主因とするものであれば、果たして短期間での回復が見込まれるでしょうか。過剰設備に陥った企業が技術とともに有形資産を手放すリストラに追い込まれたことは枚挙に暇がありません。中国経済の成長鈍化という環境で、技術革新やコスト低減を進められなければ、韓国など諸外国勢に追いつかれることは十分にありうることではないでしょうか。
トリスタン
SONYは一時期事業そのものは危ぶまれていましたけど、財務状況、特にネットキャッシュは素晴らしいですからね。
事業の整理整頓を行ったことでSONYの良さがよりいっそう引き立つのは至極当然です。あれもこれもじゃ特化したニコンキャノンには叶わない。
nagawa
スマホ産業は特需とも言える成長具合でしたから、いずれこうなる事は分かっていたでしょう。私はむしろ、ここまで長く成長が続くとは思っていませんでした。
別のニュースではイメージセンサーの分野は、出荷数は伸び続けるものの単価下落によって市場規模の拡大は鈍化する、と伝えていました。今後数年で収益性がなくなる分野とは思いませんが、ソニー一強の時代は終わってシェアは多数の企業に分散していくことになるのではないでしょうか。
4k
nagawaさん
DRAMやNANDメモリ、HDDの歴史を見ると、特需が終わるとむしろ製造メーカーの集約化がより一層進むことになるかと思われます。
業界全体が伸び続けた時代は弱いメーカーも生きる余地が辛うじてあったわけですが一旦業界縮小が始まると大手しか生き残れなくなっていくのです。
スナッキー
SONYがトップブランドに躍り出る努力や高品位なレンズを
世に出していくのは勢いがあって良い事なんですが、
Nikonや他のメーカーを追い込んで
カメラ全体の勢力を削いでるようにも思えてきてます。
SONYらしさは出ても写真やカメラ業界を
盛り上げるような姿勢が無い気もするんですよね。
このままSONYが自社製品に傾倒すると
業界ごとダメになるような気も。
スマホも高級品は頭打ちですし、SONYさんも
気が気でないのは分かりますが、うまい立ち回りを
期待したいところですね。
famo
利益の出し方をシフトさせていく時期なのでしょうね。
テレビやPC事業での教訓を生かして頑張ってもらいたいですね。
ニコナー
とにかく性能はどうでもいいから、写れば良いというレベルのセンサーの量産体制はどうなんでしょうね。
高性能・高付加価値では恐らく並ぶものは無いでしょうけど、数が出るセンサーの位置付けはどうなっているのか気になります。
翌檜
シャープの場合は分を弁えない(自社シェアを考えない)無茶な大規模投資を行って、しかもその新造ラインをまともに稼働させる前にシェアの低さ故に即死したのが今の顛末の原因なんで、多少市場が停滞したところで圧倒的シェアと顧客数を抱えるソニーのイメージセンサーがシャープのようになることはありませんよ
そもそも同レベルの半導体製品はシェアの大きさに関わらず同じ規模の開発予算が投入されるのでシェアの大きなソニーはそれだけで他のセンサーメーカーより圧倒的に有利な立場にいます。
つまり、業界縮小で心配するなら最新半導体に限ってはよりシェアの小さいセンサーメーカーのほうが遥かに危ういわけです
れな
決算発表後の週明けは大幅高でしたね。
カメラ事業は体質改善が着実に進んでいるとの評価のようです。
懸念のイメージセンサについても4-6月期には回復が見込まれており、それほど影響はないものと見られていますね。
ライト
イメージセンサーでの減収はパイの大きいスマホが既に停滞気味ですから当然の成り行きですね。
しかしイメージセンサーの技術に関してはまだまだ伸び代があると思っています。
デジカメの画質がここまで急成長してきたのもソニーあってのことだと思いますし、これからもアッと驚くような革新を期待したいですね。
今まで撮れなかったものが撮れるようになることも良いですが、新たなセンサー技術によってカメラ全体の構造の制約が楽になると、デジカメもまだまだ化ける可能性があるように思います。
ペイン
イメージセンサーの受注減は、スマートフォンの需要減だけでなく、ソニーの工場で発生したトラブルにより、一部顧客への供給が出来なくなり、顧客離れが起きた事も一因のようです。高性能と共に、安定生産も頑張って維持して欲しいですね。
・復活の旗印「デバイス」失速でどうなるソニー
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160201/biz/00m/010/027000c