キヤノンEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM は良好な性能だが周辺光量落ちが大きい

photozone に、キヤノンEOS M 用の標準ズーム「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」のレビューが掲載されています。

Canon EF-M 15-45mm f/3.5-6.3 STM IS - Review / Test

  • 沈胴式なので、使用時には専用のレバーを引きながらズームリングを回してレンズを繰り出さなければならない。ズーミングでは内側の鏡筒が多少前後に動く。
  • 鏡筒はマウントを含めて総プラスチック製で、コストカットを感じさせる。造りは平均的だ。内側の鏡筒は若干のガタつきが見られるが、フォーカシングとズーミングで回転はしない。
  • ズームリングと小さなフォーカスリングは、その役目を果たしてはいるが、特に使い勝手が良いわけではない。正直に言って、廉価な標準ズームの典型的なものだ。良い点は、総プラスチックなので、鏡筒が非常に軽く、130グラムしなかいことだ。
  • AFの駆動はステッピングモーター(STM)で、作動音はしない。AFの速度はまずまずだが、トップクラスの速さではない。マニュアルフォーカスはバイワイヤ(モーター駆動)だ。
  • 歪曲は多くのミラーレス機では自動補正に頼ってるが、キヤノンは、伝統的な方法(光学補正)で補正している。歪曲は15mmでは-3.3%の強いタル型だが、これは他社のミラーレス用レンズと比べると穏やかだ。歪曲は28mmではほとんどなくなり、45mmでは-1%のタル型になる。望遠端では糸巻き型になるのが普通なので、これは少し例外的だ。
  • 周辺光量落ちは、15mm開放で3.6EVのとてつもなく大きな値で、周辺光量落ちのレコードを更新した。これはAPS-C用のグラフの目盛りの2倍を超える値で、F11に絞ってさえ周辺光量落ちはまだ1.4EVある。28mmでは、周辺光量落ちはそれほど悪くはなく(開放で1.09EV)、F5.6まで絞ればほぼ問題はなくなる。45mmでは問題はない。残念ながら、周辺光量落ちはこのレンズの大きな弱点だ。
  • 解像力は15mm開放時が最も弱く、このとき中央の解像力は素晴らしいが、隅は甘い。しかし、F5.6-8に絞ると、解像力は改善し、画面全域でとても良好な画質になる。望遠側にズームすると中央の解像力は徐々に低下するが、隅は開放からとても良好な解像力だ。回折の影響はF11以上で見られる。このレンズの解像力は、とてもしっかりとしている。
  • 倍率色収差は、隅で1ピクセル前後でとても穏やかだ。
  • 15-45mm F3.5-6.3 は、最高に輝いているレンズではないかもしれないが、とてもしっかりとした性能のレンズだ。このレンズは、15mm開放時を除けば非常にシャープで、歪曲や色収差もこのクラスの平均だが、15mmの周辺光量落ちが大きな弱点だ。鏡筒の造りは我慢できる範囲内だ。ライバルは同社のEF-M18-55mm F3.5-5.6で、このレンズの正式なテストはまだ行っていないが、光学性能と鏡筒の造りの両面で18-55mmは15-45mmよりも優れているようだ。

 

光学性能の評価は5点満点中2.5~3点で、安価なキットズームとしては平均的な評価になっています。解像力は広角端の開放時に周辺部が弱いことを除けば、安定してまずまずの値を維持していますが、周辺光量落ちはかなり厳しいようですね。また、EF-M18-55mmと比べて鏡筒のクオリティの低さが指摘されているのも気になるところです。