パナソニック100-400mm F4.0-6.3は望遠側の解像力が低め

LensTip に、パナソニックの超望遠ズーム「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 O.I.S.」のレビューが掲載されています。

Panasonic Leica DG Vario-Elmar 100-400 mm f/4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

  • ズームリングの重さは均一ではなく、100-200mmでは抵抗が少ないが、望遠側に行くにしたがって重くなる。フォーカスリングはスムーズに回転するが重い。フォーカスリングの回転角は、約360度だ。
  • 手ブレ補正の効果は最大で2.5段分で、これは今日では感心するような結果ではない。高性能な手ブレ補正は、望遠レンズは4-4.5段分の効果があるので、パナソニックはこの分野では後れを取っている。
  • 中央の解像力は100-200mmで60lpmm(良像の基準値は44-45lpmm)で最も高くなり、これはこの種の暗いズームとしては良好な値だ。300mmでは、開放でも許容範囲の画質(50lpmm)を維持しているが、400mmではF8に絞っでも良像の基準値にまでしか達せずかなり問題がある。望遠端の解像力は、F8以外の全ての絞り値で弱い(基準値以下)。
  • 隅の解像力も広角側がベスト(開放で45-47lpmm)で、開放でも十分満足の行く問題の無い値だ。残念ながら、望遠側の解像力は弱いとしか言えない(300mm開放で36lpmm、400mm開放で29lpmm)。
  • 軸上色収差はわずかで全く問題はない。倍率色収差は、どのような条件でも0.09%を超えることはなく、とても良く補正されている。
  • フォーカスシフト(絞りによるピント位置の移動)は全く見られない。
  • 歪曲はJPEGでは自動補正され、100mmで-0.17%、400mmで+0.03%で完璧に補正されている。未補正のRAWでは、100mmで1.14%、400mmで+0.82%で幸いなことにそれほど大きくはない。歪曲は自動補正なしでも、光学的にとてもよく補正されているように見える。
  • コマ収差は広角側でごくわずかにみられるだけで、全く問題は無い。非点収差は、16.8%でとても顕著で、300-400mmの焦点域に限ると23%に増える。この顕著な非点収差は、レンズの解像力にとても大きな影響を及ぼしている。
  • 周辺光量落ちは、100mm開放で34%(-1.21EV)で、センサーサイズを考慮すると感心しないが、幸いなことに望遠側のズームすると200mm開放で24%(-0.81EV)、300mm開放で26%(-0.86EV)、400mm開放で24%(-0.81EV)で大きな問題は無くなる。
  • 逆光耐性は残念ながら芳しくなく、様々な条件でフレア・ゴーストが見られる。最も困るのは、太陽が画面の隅から少し外側にある場合に、画面の大きな部分を占める白く大きなゴーストが出ることだ。このレンズは、逆光耐性に関しては全く賞賛できない。
  • AFはとても静かで非常に速い。最短から無限遠までは焦点距離にかかわらず0.4秒で、これは素晴らしい結果だ(フォーカスリミッターを使うと0.1-0.2秒)。AF精度はスタジオでも屋外でも全く問題は無く、賞賛に値する。
  • このレンズは間違いなく携帯性がウリのレンズで、負担をかけずに長時間持ち歩くことができるが、価格は高いと思わずにはいられない。この仕様(コンパクトさ)では驚くほどの解像力は期待できないし、逆光耐性と非点収差などのいくつかの欠点もある。手ブレ補正も価格と焦点距離を考えると4段分の効果は欲しい。私はこのレンズに、間違いなくこの金額(7000PLN)は払わない。
  • 良い点: しっかりとしたコンパクトな使い勝手の良い鏡筒、中央の100-300mmの画質、軸上色収差が少ない、倍率色収差がわずか、球面収差の問題が見られない、歪曲が穏やか、コマ収差がごくわずか、非常に速く静かで正確なAF、付属のアクセサリー。
  • 悪い点: 300-400mmの隅の解像力が許容範囲外、非点収差が目立つ、逆光に弱い、広角端の周辺光量落ち、コストパフォーマンス。

 

解像力は、中間域から望遠側ではやや低めで、ここでは少々辛口な評価になっています。とは言え、実写では柔らかく味わいのある描写という印象で、カリカリの描写を求めるのでなければ、このレンズは、これはこれで良い選択肢かもしれませんね。

あと、逆光ではサンプルを見る限りではフレアがかなり強烈にでるので、この点では少し扱いにくそうです。