LAOWA 12mm F2.8 Zero-Dは歪曲が極めて少ないレンズ

photozone に、LAOWAの超広角単焦点レンズ「LAOWA 12mm F2.8 Zero-D」のEOS 5Ds Rによるレビューが掲載されています。

Laowa 12mm f/2.8 Zero-D (Canon EOS) - Lab Test / Review

  • 鏡筒は総金属製で、造りはフォクトレンダーのような定評あるブランドに匹敵する素晴らしいクオリティだ。フォーカスリングもスムーズに回転する。電子接点はなく完全なマニュアルレンズで、EXIFデータも記録されない(LAOWAによるとニコン用とペンタックス用は、絞り制御用のレバーが搭載されている)。
  • フードは着脱式だが、突出した前玉を守るために、常に付けたままにすることを勧める。
  • 一眼レフ用の12mm F2.8を、ソニーEマウント用の17mm F4のシフトレンズにするためのマジックシフトコンバーターが用意されている。コンバーター使用時には、最大プラスマイナス10mmのシフトが可能になる。
  • LAOWAはゼロディストーション(歪曲ゼロ)をうたっているが、これは若干の誇張がある。しかしながら、歪曲は1.1%しかなく、この種のレンズとしては極めて小さい(このテストは非常に近い距離で行っているので、無限遠では歪曲はもっと良好かもしれない)。
  • 周辺光量落ちは開放では-3.32EVの非常に大きな値だが、これまでテストした超広角レンズでは、もっと焦点距離が長いレンズでも同程度の結果だった。F4に絞ると周辺光量落ちは-1.84EVでかなり改善し、F5.6以上では良好(F5.6で-1.22EV)になる。
  • 解像力テストを行った5Ds Rはレンズに非常に厳しく、12mm F2.8も良い点と悪い点が見られる。良い点は、中央の解像力が開放からズバ抜けていることで、中央近くの解像力も開放からしっかりしていて、絞れば非常に良好になる。悪い点は、周辺部と隅が開放では甘いことで、F4では周辺部は良好になるが隅はまだ甘い。しかし、F5.6まで絞れば隅も良好になる。
  • 像面の湾曲の影響がF2.8とF4ではいくらか目立つが、それ以上絞れば問題はなくなる。
  • 最初に手にした個体(これはプロトタイプだ)では偏芯の問題が見られたが、2番目の個体は最初の個体よりもずっと良好だった。
  • 倍率色収差は周辺部で1ピクセル前後で、よく補正されている。色収差は一番隅の部分では、これよりも若干増える。
  • 12mm F2.8の価格は949ドルで安いレンズではないが、EF14mm F2.8に比べればずっと安価だ。Samyangの14mm F2.8はもっと安価だが、歪曲が極めて大きい。シグマの12-24mm F4.5-5.6は価格は同程度だが、暗く光学性能も少し劣る。
  • 超広角レンズの性質として隅まで均一な画質は期待できず、開放では周辺部は甘いが、中央の画質は、開放から見事という他はない。絞れば周辺部も改善し、良好~とても良好のレベルに達する(5Ds Rによるテストでは、非常に高性能なEF11-24mm F4Lでさえ苦戦しているのを心に留めておいて欲しい)。
  • 歪曲はLAOWAが主張するゼロでは無いが、それに近く、ライバルよりも小さい。鏡筒は非常にコンパクトだが、金属鏡筒なので609gとやや重い。広角レンズは製造が難しいが、LAOWAが価格に見合った品質管理をしてくれることに期待したい。

 

12mm F2.8はゼロディストーションをうたうだけあって、超広角としては歪曲が極めて小さいので、建築物の撮影に重宝しそうですね。

解像力は周辺部・隅が低く見えますが、photozoneの5Ds Rのテストでは、評価の非常に高いレンズでも周辺部はかなり低い値がでることが多いので、12mmの大口径レンズでこれだけ解像していれば十分という印象です。