ニコン105mm f/1.4E EDは極めて高い解像力と美しいボケを両立したレンズ

photozone に、ニコンの大口径中望遠レンズ「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」のレビューが掲載されています。

Nikkor AF-S 105mm f/1.4E ED (FX) - Review / Test Report

  • このレンズは中望遠としては非常に大きく重いが、それ以外の点では、鏡筒の造りは、58mm f/1.4Gや85mm f/1.4Gなどの他のf/1.4の単焦点レンズとよく似ている。
  • フォーカリスングは滑らかに回転し、フォーカス機構はフォーカスリングの動きに遅れることがなく追従する(※フォーカスリングに遊びがないという意味)。
  • AFは非常に速く、無音に近い。フォーカシングでレンズの全長は変わらず、前玉も回転しない。
  • 歪曲は、0.81%のわずかな糸巻き型で、直線的な被写体が画面の隅にあると目に見えるが、このレンズの用途では大部分のケースで問題はないだろう。
  • 周辺光量落ちは開放では-1.8EVで、かなり大きい。F2では-1.1EVに減少し、F2.8以上では大部分の被写体で目に付かなくなるだろう。
  • 解像力は、開放から画面全域で常軌を逸するほど高く、過去にこのような値を目にしたことは無い。このレンズの解像力は見事で、それ以上言うことは無い。

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  • 絞った時にわずかなフォーカスシフトが見られるのが小さな欠点で、これは最短撮影距離付近では若干目立つが、遠距離では目立たなくなる。
  • 倍率色収差は、開放で0.3ピクセル前後で非常に良く補正されており、絞ると少しずつ大きくなる。
  • ボケは、前ボケも後ボケも柔らかく非常に満足の行くものだ。玉ボケの内部は均一だが、周辺部では口径食の影響が見られる。全体としてボケは非常に好ましいが、唯一の問題は、軸上色収差のために玉ボケに色が付くことだ。軸上色収差は開放付近ではいくらか見られるが、F5.6以上に絞るとほとんど解消する。
  • このレンズに、エキサイトしないのは困難だ。解像力は(回折の影響が出る小絞り時を除いて)絞り値にかかわらず画面全域で際立っており、この極めて高い解像力と滑らかで美しいボケが一体となっている。このレンズは満点の評価で、そして、もちろん大いに推薦する。

 

光学性能の評価は5点満点で、4.5点以上の評価が滅多に付かないphotozoneとしては、異例の極めて高い評価となっています。解像力は、F1.4の大口径にもかかわらず、開放から中央はもちろん隅まで極めて高い値で、これは見事としか言いようがありませんね。

これだけ高解像力にもかかわらず、非常に美しいボケを実現しているのも素晴らしいです。なお、フォーカスシフトに関しては、元記事の一番下にある軸上色収差のテスト画像で、開放から絞っていくと、ピントが若干後ろに移動する様子が見て取れます。