ツァイスBatis 2.8/18は大きな欠点は無いが際立った部分も無いレンズ

LensTip に、ツァイスのEマウント用の超広角単焦点レンズ「Batis 2.8/18」のレビューが掲載されています。

Carl Zeiss Batis 18 mm f/2.8

  •  フォーカスリングは滑らかなゴムで覆われ、指掛かりがとても良く、使っていて楽しめるが、ゴミが付きやすいのが欠点だ。最短から無限遠までのフォーカスリングの回転角は、回す速度によって変わり、速く回すと150度、ゆっくり回すと250度になる。どちらのケースでも非常に正確なピント合わせが可能だ。
  • 中央の解像力は、開放で46lpmmで良像の基準値(38~40lpmm)を軽く超えており、全く不満は無い。絞るとF5.6で57lpmmに達し、これは良い結果だが、レコード(ベストの単焦点は64-67lpmm)には迫れていない。
  • 隅の解像力は、それほど良くはなく、どの絞り値でも良像の基準値を下回っている。これは、周辺部の収差が大きいことが要因だ。まとめると、このレンズの解像力は辛うじて良好と言えるが、もし、隅の解像力がもっと優れていれば、遥かに満足できただろう。
  • 軸上色収差は、ボケに色付きは見られるが中程度のレベルで、概ね良好に補正されている。
  • 倍率色収差は、隅で0.05~0.06%の低いレベルだが、色ズレが目立つシーンではわずかに見えるかもしれない。全体としては倍率色収差は良好で、賞賛に値する。
  • フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲はAPS-Cで-1.75%、フルサイズで-0.58%で、これは奇妙な結果に見えるかもしれないが、歪曲の形が陣笠状で、フルサイズの端の部分が反対方向に歪曲しているために小さな値になっている。アスペクト比を1:1にして(画面を正方形にして)端の部分で測ると、歪曲は-2.08%になる。この-2.08%の値でさえ、超広角であることを考えれば全く問題ない。
  • コマ収差は、開放時の隅の部分でのみ目立つが、1段絞れば解消する。非点収差は、開放では19.9%の大きな値だが、絞ると急速に改善し、F5.6ではわずか3.9%になる。
  • 周辺光量落ちは開放では60%(-2.63EV)で、極めて大きな値だ。絞り込んでも周辺光量落ちはあまり改善せず、42%(-1.57EV)のはっきりと目に付くレベルのままだ。
  • 逆光耐性は良好で、開放でもフレアやゴーストは少なく、コントラストも維持されている。画面の外に太陽を出すと、カラフルなゴーストが出て状況が悪くなるが、これは絞れば顕著に改善する。
  • AFはノイズレスで非常に速い。無限遠から最短までは、およそ0.3秒だ。AF精度の問題は全く見られなかった。前ピンや後ピンの傾向も見られなかった。
  • このレンズは周辺光量落ちを除けば、大きな欠点は見られないが、正直に言えば、このレンズには目を見張るような部分は無い。中央の解像力は非常に満足のいくものだが、隅の画質は絞っても弱く、風景写真を撮る人には問題になるかもしれない。
  • 良い点:中央のとても良好な画質、倍率色収差がわずか、球面収差の問題が見られない、歪曲がわずか、無音のAF、良好な逆光耐性。
  • 悪い点:周辺光量落ちが非常に大きい、価格が高い。

 

Batis 2.8/18 は、それほど大きな欠点はありませんが、周辺部の解像力は絞っても基準値に届かない値で、最新の単焦点レンズとしては今一つ物足りないという印象です。とは言え、逆光に強いのは、太陽の影響を受けやすい超広角レンズでは嬉しい特性ですね。

周辺光量落ちはかなり大きな値ですが、これは18mmの超広角なので、仕方がないかもしれませんね。