東京オリンピックではカメラマン席にミラーレスカメラが並んでいると思う

dpreviewに、CP+会場で行われた富士フイルムマネージャーのインタビューが掲載されています。

CP+ 2017 - Fujifilm Interview

  • (中判で最大の技術的な課題は?)GFXのセンサーはAPS-Cの4倍大きいので、速度とレスポンスが最も大きな課題だった。読み出し速度と、処理、そしてAFだ。
  • (GFXには像面位相差AFが採用されていないが、レンズは位相差AFに対応しているのか?)確実に対応している。
  • (GFXシリーズの中期の成長戦略は?製品のモデルチェンジ周期は長くなる?)販売台数が少ないので、製品のライフサイクルは長くなるだろう。しかし、適切なハードウェアとセンサー、プロセッサーを適切に組み合わせることができれば、いつでも我々は新型カメラを発売するだろう。
  • (GFXのレンズロードマップには6本レンズが載っているが、これからどのように展開していくのか?)多くの写真家から200~300mmの望遠レンズのリクエストがある。例えば、ネイチャーフォトグラファーだ。換算15mmのような広角レンズや、換算70-200mmのレンズのリクエストもある。
  • (望遠レンズを開発するとして、野生動物の撮影でAFは追従するのか?)GFXのAFアルゴリズムはXシリーズと同じだが、センサーの読み出し速度が制限されるために、同じ性能ではない。将来、この課題の改善に取り組むつもりだ。
  • (中判の開発でミラーレス以外の設計も考えたのか?)レンジファインダー機を求める顧客もいることは分かっていたが、少なくとも最初のカメラは、幅広い人達の手に届けたかったので、より汎用性に富むミラーレスカメラにすることを決定した。ミラーレスは、より自由度が高く、より柔軟性に富んでいる。
  • (GFXは他社のレンズを装着して使用することを意識して設計したのか?)もちろんだ。オールドレンズをマウントアダプターで使用するために十分にフランジバックを短くしている。我々はハッセルブラッドHマウント用と、ビューカメラ用の2種類のアダプターを開発している。
  • (プロ市場をミラーレスカメラが引き継ぐのはいつになる?)ミラーレス機のメーカーには、いくつか力を入れることがあり、その1つが、スポーツカメラマンを魅了するためのスピードだ。ファインダーのブラックアウトも改善する必要がある。おそらく、画像処理エンジンとセンサーの世代があと1つ進めば、全ての点でミラーレスが一眼レフを打ち負かすことが十分できるはずだ。
  • (2020年の東京オリンピックの頃には、ミラーレスカメラがサイドラインに並んでいる?)そう思う。
  • (それは富士フイルムのカメラか?)できればそうであって欲しい。
  • (X100Fの開発でX100Tのユーザーから要望が多かったのは?)多くの顧客が、片手撮影での操作性の改善を求めていたので、X-Pro2と同様に、X100Tでは全てのボタンを液晶モニタの右側に移動した。そして、ISO/シャッターを統合したダイヤルを採用した。
  • (X100Tでレンズが変更されなかったのはなぜ?)レンズを変更するかどうか検討したが、レンズを変更するとカメラのサイズに影響する。我々は、サイズはX100シリーズの最も重要なセールスポイントの1つだという結論を出した。もちろん、このレンズの24MPセンサーでの画質の評価はしており、十分に良好な画質だと判断している。
  • (X100シリーズに28mmのレンズを求める声はあった?)もちろんある。このため、我々はX100に28mmのワイドコンバーターを用意している。レンズ固定式APS-Cカメラのレンジを拡大する可能性もある。
  • (次世代のAPS-C機にもX-Transが引き続き採用されるのか?)APS-Cには間違いなく採用される。GFXは、おそらく引き続き従来のベイヤーセンサーが採用されるだろう。中判にX-Transを採用すると、処理が複雑になり、メリットもそれほど大きくない。
  • (ベイヤーに比べてX-Transはどのくらい大きな処理能力が必要になるのか?)X-Transでは、およそ20~30%多くの処理能力が必要になる。

 

富士フイルムは、それほど遠くないうちに、ミラーレスカメラが全ての点で一眼レフを凌駕すると考えているようですね。ミラーレスカメラが、東京オリンピックまでに、AFを含めてニコンやキヤノンの一眼レフのフラッグシップ機を凌ぐ性能になるのか、注目したいところです。