ソニーα9のダイナミックレンジはα7R II よりもかなり劣っている

dpreviewに、ソニーα9のダイナミックレンジに関するレビューが掲載されています。

Sony a9: more speed, less dynamic range

  • 実写でα9のISO不変性テスト(ISO100+6EV、ISO200+5EV、ISO400+4EVのように、同じ露出でISO感度を変えて撮影し、現像時に明るさを調整した画像を比べてノイズを見るテスト)を行う機会を得た。
  • テスト結果から、α9がISO不変(同じ露出でISO感度を変えても画質が変わらないこと)ではないことは明確だ。この結果は、α9が、かなりの量の読み出しノイズを付加していることを意味しており、これは暗部ノイズの増加や低感度のダイナミックレンジを制限する結果になる。露出固定でカメラでISO感度を高くするとアナログ増幅が行われ、そのため現像時に増幅(明るさを調整)するよりも綺麗な画像が得られる。
  • これはソニーセンサーの典型的な性能ではなく、我々は、α9では読み出し速度の高速化によって、ノイズが大幅に増えているのではないかと思っている。言い換えると、このセンサーは、低感度のダイナミックレンジを犠牲にして、スピードに最適化されたセンサーのように見える。このことが、RAWのラチチュードを制限しており、これは古いキヤノンの一眼レフやニコンD5に非常によく似ている。
  • 連写モードの変更による、画質の差は見られない。連写で12bit RAWになっても画質が低下しないのは良いニュースだ。悪いニュースは、14bit RAWが12bit RAWから全く良くならないということだ。これは、14bit RAWのダイナミックレンジが、せいぜい12EVであることを示唆している。
  • (内容更新)α9の最低感度のダイナミックレンジは、α7R II よりも少なくとも1段劣っている。しかし、高感度ではα7R II に追いつく。ISO51200の比較ではα9とα7R II に大きな違いは見られない。

 

ISO不変性テストは、dpreviewのいつものダイナミックレンジのテストで、D5のときはDxOMarkのダイナミックレンジのスコアと近い結果になっていました。

このテストによると、α9は、ダイナミックレンジが狭いようで、D5のときのテスト結果によく似ているという印象です。α9のセンサーも読み出し速度や高感度に強い代わりに、低感度はそれほど強くないセンサーなのでしょうか。

[追記] 元記事の内容が変更されているので、訳文にも反映させました。