iPhone 8 Plusのカメラの画質にはとても感心した

Imaging Resource に、iPhone 8 Plus のカメラのフィールドテストが掲載されています。

Apple iPhone 8 Plus Field Test

  • iPhone8 Plus のセンサーの画素数は旧型と同じ12MPのままだが、センサーと画像処理エンジンは完全な新型で、レンズは換算28mm F1.8(旧型でF2.2から改善された)のレンズに56mm F2.8の望遠レンズを追加したデュアルカメラシステムになっている。
  • 標準のカメラアプリはJPEGのみでRAWでの撮影はできないが、サードパーティーのソフト開発者のために、RAW撮影のための公式なAPIが提供されている。
  • iPhone8 Plusのカメラの全体的な画質には、とても感心した。JPEGは、このような小さなセンサーの画像しては、ディテールは大したもので、クローズアップ撮影は、実に素晴らしく見える。ピクセル等倍で見ると、大型センサー機のような真のディテールは無く、デジタル的なノイズも見えるが、これは非常に小さなセンサーを使うカメラの限界だろう。
  • 色再現とダイナミックレンジもとても素晴らしい。色はデフォルトの設定では、力強く、彩度が高すぎることもない。
  • iPhone8 Plus は明るい場所では秀でているが、暗い場所でも、センサーが小さいことなどを考えると、かなり上手くやっている。
  • サードパーティー製のカメラアプリで、ISOを手動で設定したテストで、最低感度(ISO20)のRAWでは、スマートフォンとしては実に良好なディテールが得られる。スタジオのサンプルでは、酒のボトルのモザイクパターンが明確に解像しており、この種のセンサーの画像としてはシャープだ。再現の難しい赤い布のディテールも豊富だ。
  • 感度が高くなるに従って、ノイズは非常に多くなる。輝度ノイズは最低感度でも見られるが、色ノイズはISO80-100までは目立たない。ISO400のRAWはとてもノイジーだが、ノイズは細かくむらが無い。高感度では赤い布のディテールも大きく失われる。ISO800-1250のRAWは極めてノイジーだが、全く使えないというレベルではない。この結果は、このような小さなセンサーとしては実に素晴らしい。
  • 一方で、JPEGは、高感度ではノイズリダクションが強烈で、ディテールが失われている。高感度を使うならサードパーティ製のアプリでRAWで撮影した方がいい。
  • 浅い被写界深度をシミュレートするポートレートモードは非常に賢く、多くの場合でとても良好な結果が得られるが、欠点が無いわけではなく、被写体によっては不自然な結果になることがあった。
  • ポートレートライティングも素敵な機能で、撮影の前でも後でも効果を適用できる。この機能はベータ段階で、ポートレートモードと同様に、常に期待したような結果が得られるわけではない。
  • iPhone 8 Plus は、とても面白く、とびきり便利なリトルカメラだ。画質はとても素晴らしく、そして連写やAFなどの性能も実に高い。しかし、私は本格的な撮影や一度しかない撮影では、より画質がよく、レンズの融通がきく単体のカメラを持っていくと思う。

iphone8_pmode_001.jpg

上のサンプルはiPhone8 Plusのポートレートモードによる撮影で、ボケは画像処理で作られたものですが、背景が自然にボケていて、なかなかよく写っているという印象です。サンプルを見る限りでは、センサーサイズを考えると、全体的に画質はかなりがんばっていますね。

スマートフォンのカメラがこれだけよく写ると、小型センサーのコンデジが厳しい状況になるのは無理もないかもしれません。