シグマ14-24mm F2.8 DG HSM Art は開放からシャープで逆光耐性も非常に良好

LensTip に、シグマの超広角ズーム「14-24mm F2.8 DG HSM Art」のEFマウント版のレビューが掲載されています。

Sigma A 14-24 mm f/2.8 DG HSM

  • ズームリングは適切な重さがあり、動きは均一で正確にセットできる。フォーカスリングはとても大きく、適切な重さがあり滑らかに回転する。フォーカスリングの最短から無限遠までの回転角は、約100度だ。
  • 中央の解像力は開放から既にシャープで、ズーム全域でとても均一だ(良像の基準値は30-32lpmm)。中央の解像力は素晴らしく、タムロン15-30mm F2.8 VCよりも少し上回っている。

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  • 隅の解像力は、14mmと19mmでは開放から実用的な画質で十分に良好だが、望遠端の24mmが弱く、F4.5まで絞らないと30lpmmを超えない。タムロンはシグマと異なり15mm開放時が最も弱い。解像力に関しては、シグマ14-24mm F2.8 は全体的にとても肯定的な評価だ。

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  • 軸上色収差は、開放でもわずかな色付きも見られず、全く問題はない。
  • 倍率色収差も同様に極めて良く補正されており、大部分の条件で0.02%から0.04%の無視できるレベルを維持しており、ピークでも0.05%で心配は無い。色収差のカテゴリでは、シグマがタムロン15-30mm F2.8 VC を打ち負かしている。
  • フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲は14mmでは-4.22%のタル型で、これはとても大きな値だが、タムロンの15-30mmの15mmの値(-5.81%)よりは小さい。中間域では歪曲は-1.49%の穏やかな値に改善し、望遠端では-0.73%のわずかな大きさになる。
  • コマ収差は19mmと24mmでは文句は無い。広角端ではコマ収差が気になるかもしれないが、この種のレンズとしてはコマ収差が大きいとは言えないだろう。コマ収差は全体的に肯定的な評価だ。
  • 非点収差は、2.3%の無視して良いレベルで、非常に良く補正されている。
  • 玉ボケの内部は滑らかだが、若干輪郭が付く。玉ボケは、超広角ズームではそれほど良くないことが多いが、このレンズは悪くない。
  • 周辺光量落ちは、14mm開放で58%(-2.49EV)で、タムロン15-30mmの15mm開放の46%よりもずっと悪いが、タムロンの方が広角端が少し長いことを忘れないで欲しい。F4に絞っても周辺光量落ちは36%(-1.31EV)でまだ顕著だ。周辺光量落ちを穏やかな値にするにはF8まで絞る必要がある(F8で28%、-0.97EV)。
  • このレンズは前玉が非常大きく複雑なレンズ構成にもかかわらず、とても驚いたことに、逆光耐性は非常に良好だった。時折フレアは見られるが、強烈なものではない。問題を指摘しなければならないとしたら、太陽が画面外の遠くにある場合でもいくらかフレアが見られることがある点だ。
  • AFはノイズレスで、最短から無限遠までは0.6-0.8秒と平均的なスピードだ。AF精度に関しては、深度が非常に深いレンズなのでフォーカスのミスを見つけるのが困難だったが、結果としては全く問題はなかった。
  • タムロン15-30mm F2.8 VCと比べると、シグマ14-24mm F2.8 は光学性能、特に開放付近の周辺部で優れており、また、色収差の補正でも優っているが、その差は大きくはない。シグマの価格が少し下がらないと、価格の安いタムロンの方が良く売れるかもしれない。
  • 良い点:しっかりとした鏡筒、素晴らしい中央の画質、実用的な隅の画質、軸上色収差の問題が見られない、倍率色収差がごくわずか、コマ収差が良好、非点収差が無視できる、静かで正確なAF、良好な逆光耐性。
  • 悪い点:球面収差が少し大きい、フルサイズでは周辺光量落ちが目立つ。

 

シグマの14-24mm F2.8 は、大口径の超広角ズームにもかかわらず開放から隅まで十分な性能で、色収差も極めて少なく、光学性能はとても優秀という印象です。前玉が突出しているレンズにもかかわらず、逆光耐性が優れているのもポイントが高いですね。

また、コマ収差や非点収差も良く補正されているようなので、天体撮影用としても活用できそうです。あとは、Fマウント版を使ってニコンの14-24mm F2.8 との比較もして欲しいところですね。