PENTAX K-1 Mark II は旧型よりも画質が悪くなっている

DPReview に、PENTAX K-1 Mark II のレビューが掲載されています。

Pentax K-1 II Review: A worthy upgrade?

  • K-1 Mark II には手持ちピクセルシフト(リアルレゾリューションの手ブレ補正モード)が追加され、AFの動体追尾アルゴリズムが改善されている。また、新しくアクセラレータが採用されているが、残念ながら我々のテストでは、これはRAWファイルへのフルタイムノイズリダクションであることが明らかになっており、旧型より画質で劣る結果となっている。
  • RAWの画質は最低感度ではディテールが素晴らしい。これは旧機種と互角で、画素数が少ないにもかかわらずα7R III やD850とさえ互角だ。
  • 感度を上げると、K-1 Mark II はアクセラレータによってRAW画像に強いノイズリダクションがかけられ、画質が悪化する。このノイズリダクションは強制的でOFFにできない。高感度では、K-1 Mark II は、旧機種やライバルと比べて、ディテールで大きな差をつけられている。これは特にISO12800で顕著だ。このRAWのノイズリダクションはISO640以上でかけられることを確認している。
  • JPEGは低感度からソフトでディテールの甘さが見られ、高感度になるにしたがって、RAWとJPEG処理の両方にノイズリダクションがかかるおかげで、ディテールは更に悪化する。高感度では、K-1 Mark II はK-1 やライバル達と比べて、ディテールとコントラストの双方が失われている。JEPGの色は、K-1に比べると彩度が低く冴えない。高感度ノイズはK-1 Mark II が旧型に比べて顕著に少ないが、そのことによるディテールへの影響は大きく、特に高感度では影響が大きい。
  • 手持ちリアルレゾリューションでは、通常の画像に比べてよりディテールが豊富になるが、代償として画像のランダムな場所に不自然なドットが現れる。
  • AFの動体追尾性能は、直線的に向かってくる被写体では、K-1からそれほど大きな改善は見られないが、不規則に動く被写体では大きな改善が見られた。AFは改善されてはいるが、まだ遅く信頼性に欠ける。
  • K-1 Mark II は残念ながらK-1よりも画質が悪くなっている。これは、RAWファイルに強制的にノイズリダクションがかけられ、全体のディテールが失われているためだ。最低感度では差が見られないが、感度が上がるにつれてディテールの喪失が顕著になる。現時点では、特に天体を撮る写真家は、RAWのノイズリダクションが影響するため、このカメラを避けたいかもしれない。
  • K-1 Mark II のスコアは、RAWの画質にがっかりしたこともあって、旧型のK-1の84点よりも低くなっている。K-1 Mark II に興味があるなら、初代K-1の方が良い選択肢かもしれない。
  • 良い点:
    - 最低感度付近のRAWの素晴らしいディテール
    - RAWのダイナミックレンジ
    - 改善されたAF追尾性能
    - 防塵防滴の頑丈なボディ
    - 2.3から3.6段分の効果の5軸手ブレ補正
    - 三脚使用時のリアルレゾリューションのディテールやノイズの進化
    - 水平補正とアストロトレーサーが便利
    - 素晴らしいエルゴノミクス
    - LED照明が夜間の撮影で便利
    - デュアルカードスロット
    - ヘッドホン、マイク端子、PCシンクロ端子
    - GPS内蔵
  • 悪い点:
    - アクセラレータが感度が高くなるにつれてRAWのディテールを殺してしまう
    - デフォルトのJPEGの色が魅力的ではない
    - JPEGの強いノイズリダクションがディテールを塗りつぶしてしまう
    - コンティニュアスAFが引き続きライバルに後れを取っている
    - 改善はされたが動体追尾は信頼性に欠ける
    - AFポイントが暗い場所では見えない
    - 2018年の水準ではAFの測距点の範囲が狹い
    - 2018年の水準では連写が遅い
    - 4K動画が無い、フルHDはソフトな画質
    - 動画のフォーカスピーキングが無い
    - 動画のAFに位相差AFが無い
    - 新しい手持ちリアレゾでは不自然な描写が見られる
    - シャッタースピードによってはミラー/シャッターショックで解像度の低下が見られる
    - 非常に大きく重い
    - フルサイズ用の新しいレンズの選択肢が限られている

 

DPReviewでは、アクセラレーターによる高感度のRAWのディテール喪失が非常に厳しく評価されており、総合評価は旧型の84点から79点(その後修正され80点になっています)に引き下げられています。

dpreviewの比較ツールで高感度のRAW画像を比較すると、Mark II はノイズはずっと少ないようですが、同時にディテールも失われているようですね。JPEGでも同様にMark II は全体的にソフトになっているように見えます。