ニコンCOOLPIX P1000は125倍の光学ズームが自慢だが問題点も多いカメラ

ePHOTOzine に、換算24-3000mmのズームを搭載したニコンの一体型カメラ「COOLPIX P1000」のレビューが掲載されています。

Nikon Coolpix P1000 Review

  • このカメラは巨大でかなり重いので、手持ち撮影では腕が疲れてしまう。グリップは大きく、背面のサムグリップも大きいので、安定してホールディングできるが、片手で持つことは勧められない。
  • 背面のボタンは、素早くアクセスが必要な必要最小限のボタンだけで、残りはメニューから操作する。他の多くのカメラにある「クイックメニュー」は用意されていない。
  • レンズにあるリングはデフォルトでは露出補正用で、ISOやホワイトバランス、ズーム、マニュアルフォーカスの機能を設定することもできる。
  • 液晶モニタはタッチパネルではないが、視野角は広くクリアだ。
  • シャッターレスポンスは非常に速く、AFも迷わなければ速いが、被写体や光の状態などのコンディションによっては望遠側では遅くなることがある。連写速度は7コマ/秒と良好だが、連写が止まるまでに7枚しか撮影できない。
  • サンプルは色乗りが非常によく、露出も信頼できる。肌のトーンも良好で、フラッシュ使用時の赤目もほとんど発生しない。
  • 撮影時には、換算2000mm以上の焦点距離でシャープな画像を得るには三脚が必須だ。レンズは換算2400mmを超えるとソフトになる傾向があり、特に2600mmから3000mmでは画面の隅が甘くなる。
  • 歪曲は自動補正されるが、ズーム域によってわずかに歪曲が見て取れる。パープルフリンジは木の枝の部分に見られるが、かなり良く抑えられている。逆光耐性は非常に高く、フード無しでも逆光に強い。
  • 近接撮影ではレンズの直前まで寄れるが、レンズが被写体を覆って光を遮ってしまうので、あまり実用的ではない。
  • 高画質を得るにはISO100-200の使用を勧める。ISO400ではノイズはまだ少ないが、ディテールが失われ始める。暗所ではISO400-800でノイズが多くなるが、まだ良好な結果が得られる。ISO1600-3200ではノイズが強くなるので、可能なら使用を避けた方がよいが、縮小してWebで使うなら実用になるかもしれない。
  • オートホワイトバランスは白熱灯でもミックス光でも良好で、白熱灯はプリセットも良好な結果だ。蛍光灯でもオートホワイトバランスは良好だが、蛍光灯のプリセットはマゼンタに傾く。
  • 動画は4K30fps/フルHD60fpsで、クリーンHDMI出力があるので外部モニタに出力することができる。またマイク端子があるので、外部マイクも使用可能だ。
  • P1000は大胆不敵な換算24-3000mmの125倍ズームが自慢だが、大きさ重さなど多くの不可避の問題もある。このカメラは本当に大きく重い。ズームするに従ってフロントヘビィになるので、なぜレンズの下に三脚座が無いのか不思議に思う。また、2000mm以上でシャープな写真を撮るには三脚を持ち歩く必要がある。また、大気の状態が良くないとシャープな画像は得られない。バッテリーライフもかなり短い。価格もP900の2倍だ。これらのことから万人向けのカメラではないだろう。
  • 良い点:125倍の光学ズーム、4K動画、RAWが使える、大きなグリップ、大きなEVF、良好な接続性。
  • 悪い点:極めて大きく重い、バッテリーライフが短い、2000mm以上では三脚が必要、2000mm以上で画質が悪くなる。

 

P1000は極めて大きく重く、また、中間域より望遠型でシャープな画像を得るには三脚も必須ということなので、レンズ一体型とは言っても手軽とは言い難いカメラのようですね。とは言え、このサイズで換算3000mmの望遠で撮影できるのは魅力的です。

画質はサンプルを見る限りでは、広角端から中間域までは結構シャープですね。望遠端はさすがにかなり甘くなりますが、それでも実用になる画質で、ズーム倍率を考えればこれだけ写れば健闘していると言ってもよさそうです。