シグマは既存のレンズのLマウント版に加えて新設計のLマウントレンズも発売する予定

DPReview に、シグマの山木和人社長のインタビューが掲載されています。

Photokina 2018: Sigma interview

  • (Lマウントアライアンスが出来た経緯は?)
    2、3年前に、我々は既に独自のショートフランジバックのFoveonフルサイズミラーレスカメラの開発を決定しており、実際に設計もしていた。このシステムのフランジバックはLマウントと同じ20mmで、マウント径も同じだった。その頃パナソニックからのアプローチがあり、最終的に3社が集まった。そして、Lマウントシステムへの参加が決まり、我々は独自マウントシステムの開発を中止した。
  • (Lマウントの技術的な面での魅力は?)
    バランスの良さだと思う。フランズバックは十分短いが短すぎることはなく、マウント径も大きすぎない。マウント径が大きすぎると、コンパクトなボディの開発が難しくなり、暗いレンズでは前側が細くなった形状になる。私の意見としては、このようなレンズは見栄えが良くない。従って、Lマウントはバランスに優れている。
  • (Lマウントレンズの登場次期は?それは新設計なのか?)
    光学系は既存のものと新設計の両方だ。既存のEマウントレンズ群のLマウント版を来年の半ば頃に発売する。また、新規のLマウントレンズも発売する予定だ。
  • (ニコンやキヤノンと彼らの新マウントについてコミュニケーションを取っているのか?)
    いいえ、全く取っていない。ニコン、キヤノンの新システムには大いに興味があるが、現時点では計画は無い。
  • (以前に、キヤノンとニコンの新型カメラでサードパーティーレンズが適切に動作しなくなるという問題があった。それを心配しているのか?)
    同じような問題が起きる可能性は否定できないが、そのような問題が起きる可能性は以前に比べて大幅に低くなっていると考えている。正直言って、昔のファームはそれほどしっかりしたものではなかったので、互換性でいくつかの問題を経験したが、現在のファームウェアは非常にしっかりしており以前とは状況が大きく異なっている。
  • (将来の一眼レフとミラーレスのレンズの販売の比率の予想は?)
    3年か4年以内に、ミラーレス用レンズの販売が一眼レフ用よりも遥かに多くなると予想している。ことによると、ミラーレス用と一眼レフ用が7:3になるかもしれない。
  • (RFマウントとZマウントのレンズ群についてどう思うか?)
    キヤノンの新しいRFレンズ群にはとても感銘を受けた。50mm F1.2と28-70mm F2はとても印象深いもので、少々うらやましく思っている。これは大径マウントとショートフランジバックによって可能になったものだ。さもなければ、このようなレンズは非常に困難か、不可能だろう。光学系の後部に大きなレンズを配置すれば、大口径レンズで高性能を実現するのが容易になる。
  • (ミラーレス用の新レンズの設計ではソフトウェアによる補正を考えているか?)
    数年前まではソフトによる修正にはかなり否定的だったが、今日では、センサーの解像度が上がり、補正のアルゴリズムも以前よりずっと良くなっているので、ソフトによる補正は高画質を達成するための良い手段だと思っている。しかし、ソフトによる補正に頼りすぎるのは良いことではないだろう。
  • (レンズ開発のマウントの優先順位は?)
    基本的に需要によるが、需要が小さいマウントも、例えばSAマウントは自社のマウントなので優先している。現在は、(自社のマウントに)Lマウントがあるので、これも優先する。

 

シグマは現行レンズのLマウント版に加えて、新規開発のLマウントレンズも予定しているようなので、来年はLマウントレンズが一気に出てきそうですね。

一方で、ニコンZマウントとキヤノンRFマウントのレンズに関しては現時点では予定が無いと述べているので、これらのマウントのレンズは、しばらくの間は登場しない可能性が高そうです。