富士フイルムXF8-16mmF2.8 R LM WRは優秀なレンズだが価格が高すぎる

LensTip に、富士フイルムの超広角ズーム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」のレビューが掲載されています。

Fujifilm Fujinon XF 8-16 mm f/2.8 R LM WR

  • ズームリングは適切な重さがあり、滑らかで均一に回転する。フォーカスリングはバイワイヤ(モーターによる駆動)で、申し分のない出来だ。フォーカスリングは通常の速さで回すと、最短から無限遠までの回転角は180度を超え、十分に正確なピント合わせができる。
  • 中央の解像力は、ズーム全域で開放時で70lpmmに近く(良像の基準値は44-45lpmm)、これはレンズの明るさや焦点距離を考えると素晴らしい値だ。絞ると、12~16mmでは80lpmmを超える驚くような性能で、8mmでは74lpmmで望遠側より若干劣るものの称賛に値する性能だ。中央の解像力は実に見事だ。

fuji_xf8-16f28_mtf_center.jpg

  • 隅の解像力も、中央と同様12~16mmの方が明確に優れている。12~16mmでは開放から良像の基準値を超えており、また、絞ると画面全域でとても良好な画質になり、全く問題は無い。しかし、広角端の開放では良像の基準値を下回っており、F4まで絞らないと基準値に達しない。この大きさで高価なレンズなので、この結果は若干不満だが、同等の画角の他のレンズ(シグマ8-16mm F4.5-5.6 DCやキヤノンEF11-24mm F4L、シグマ12-24mm F4)でも、いずれも広角端の開放で満足の行く解像力は得られていない。

fuji_xf8-16f28_mtf_corner.jpg

  • 軸上色収差は、多くの低分散ガラスのレンズを使用しているにもかかわらず、完全には補正されておらず、ボケには若干色が付く。しかし、これは深刻な問題ではない。
  • 倍率色収差は、12~16mmでは0.05%未満の非常に低い値で全く問題が無い。広角端の8mmでは若干倍率色収差が増えるが、「低い」~「中程度」の範囲で、ほとんど問題はない。このカテゴリでは、富士フイルムはライバルよりも優秀だ。
  • 軸上色収差のテスト画像からは、絞るとピントが後ろに移動しているように見えるが、被写界深度が深く、また像面の湾曲もあるので、これが球面収差のためなのか評価が難しい。
  • 歪曲はJPEGでは自動補正され、8mmで+0.31%のわずかな糸巻型だが、未補正のRAWでは-8.41%の極めて強いタル型で、少し陣笠状になっている。16mmでは歪曲は+2.71%の糸巻き型で、このレンズはズームの両端の歪曲の差がこれまでで最高の11.12%という不名誉なレコードホルダーになっている。
  • コマ収差は完全には補正されておらず、広角端では目立ち、中間から望遠側でも多少見られる。天体写真の撮影では、星像にコマ収差の影響が目立った。
  • 非点収差は平均7.6%の穏やかな値で心配は無いが、広角端の開放時では20%に近い高い値になる。
  • 玉ボケは、輪郭と年輪ボケが見られ、素晴らしいとは言い難い。
  • 周辺光量落ちは、JPEGでは自動補正され8mm開放で22%(-0.71EV)の良好な値だ。未補正のRAWでは、8mm開放で52%(-2.11EV)の大きな値だが、これは画角を考えれば納得のいく値だ。絞るとF4で49%(-1.95EV)、F5.6で46%(-1.77EV)、F8で42%(-1.58EV)でF11やF16でも周辺光量落ちは解消しない。
  • 逆光耐性は、いくらか弱点はあるものの全体としてはそれほど悪くない。ゴーストは出るが、たいていの場合、サイズは小さく一直線上に出る。太陽が画面外に移動すると、ゴーストやフレアは、ほぼ完全に出なくなる。
  • AFは静かで非常に速く、悪条件でも合焦までに0.2秒以上かかることはない。精度に関しては、通常の条件では全く問題はないが、暗所や逆光時には完全にピンボケでも合焦サインが出たことが何度かあった。この現象は、主に広角端で発生した。
  • このレンズの価格を知って、大部分のテストで見事な結果のみを残すと考えていたが、実際にテストをすると多くの小さな欠点があることが分かり、もう少し安くするべきだと思った。もちろん、このレンズは、光学性能が優秀で非常に良く出来たレンズであることに変わりはない。
  • 良い点:しっかりとした防塵防滴の鏡筒、中央の見事な画質、隅の実用的な画質、軸上色収差がわずか、倍率色収差が少ない、静かで高速なAF。
  • 悪い点:コマ収差が少々大きい、RAWでは歪曲が非常に大きい、RAWでは周辺光量落ちが顕著で絞ってもなかなか改善しない。

 

XF8-16mm F2.8 は広角端の開放時に若干解像力が落ちますが、それ以外はズーム全域で高解像力で、換算12mmスタートの大口径ズームとしては、とても良好な性能という印象です。

歪曲は極端に大きいですが、これは自動補正前提の設計なのでしょうね。逆光耐性は前玉が突出しているレンズとしては比較的良好のようで、太陽を画面に直接入れてもフレアで破綻するようなことがないので、使い勝手はよさそうです。

2018年11月25日 | コメント(7)

コメント(7)

ここまで歪曲が大きいと補正時の変形による解像低下が避けられないと思います。
広角端周辺部の解像力の低さは自動補正の影響が大きいかも知れませんね。

サムヤン12mmの周辺画質に納得できなくてこのレンズに期待していたのですがこの内容をみると残念です…。
実写レビューが出始めてから購入するか考えますが値段の割には…。

値段が故に期待値が高過ぎたのか、えらい辛口のレビューですねなんだかんだ言っても、もの凄い画角ですからね。しかし、原文にもありますが、このレンズは唯一無二のスペックで、直接のライバルがいないのでなんとも評価が難しいですね。当たり前ですが、このスペックに魅力を感じる人にとっては、妥当と思うかもしれない。しかし、この画角はあったらおもしろいだろうが、必要かと言われたら、そうでもなく、ましてや、広角でF2.8などあまり使わない、そういう人からすれば、えらい高く感じることでしょう。

このレンズの売りの一つである広角端8mmという焦点距離では、他の焦点距離に対して、解像力の値が低いので、最初見たときには、スペックは凄いが、性能はいまひとつなんだな、、、と思ってしまいましたが、実は、そうじゃなかった。

私は、グラフ単独で見て、高いとか低いとかを判断できるほどに見慣れていないので、同サイトで他のレンズのものと比べてみましたが、今回の8mmが、同社の赤バッチ標準ズームの解像力と比べてちょっとだけ低いか、同レベルで、むしろ、12mm、16mmがすこぶる高い。12mm、16mmにいたっては、レベルの高い単焦点並。

8mmの広角で、同社の赤バッチ標準ズームレンズに匹敵する隅の解像力で、他メーカーの開放値相当であるF4で良像なので、かなり優秀なことに違いにないですが、やはり値段がハードルを挙げちゃってますかね。

直接のライバルがいないから何とも言えないけど、星撮りに使えたらなと思っていたら、コマ収差が大きいのはいただけない。XF16mmF1.4もコマ収差が大きいし、フジはその辺のレンズの設計が苦手なのかもしれない。

数値だけを見ると周辺光量と歪曲はもうちょっと頑張ってほしいところですね。
解像度優先で光量落ちや歪曲補正の優先順位を落としたということでしょうか。
まあ、買うか買わないかは実写レビューを見て決めたいと思いますが、個人的には
明るさはF4にして価格を抑えて欲しかったですね。

フジのレンズって、海外のレビューサイトで「RAWでは、歪曲が大きい」とよく書かれている気がします。

APS-Cの場合、フルサイズ並っぽい性能を実現するためには
一段上の解像力が要求されますからね・・・無理は生じるかと。
純正レンズの電子補正を前提にする限りは歪曲収差や周辺光量を
ある程度誤魔化せますし、こんなものかなという気もします。

正直、そこまで無理をしてF2.8を売りにする必要があったのか疑問ですが


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