シグマ「40mm F1.4 DG HSM Art」は開放から画面全域で驚くほど高画質

LensTip に、シグマの準広角の大口径単焦点レンズ「40mm F1.4 DG HSM Art」のレビューが掲載されています。

Sigma A 40 mm f/1.4 DG HSM

  • フォーカスリングは適切な重さがあり、滑らかに回転する。最短から無限遠までのフォーカスリングの回転角は110度で、実用的な大きさだが、ピントを極限まで追い込むには、まだ、あと数十度足りない。
  • 中央の解像力は、F2.8で49.8lpmm(良像の基準値は30-32lpmm)に達する。これは、シグマ135mm F1.8 Artが持つ最高記録にはわずかに及ばないものの、その次に解像力の高かった85mm F1.4 Artの解像力を超えており、感心せざるを得ない。開放時の解像力は、105mm F1.4 Artが44.4lpmmでこれまでで最高だったが、40mm F1.4 Artは45.2lpmmで、これを超えている。
  • 隅の解像力は開放で43lpmmに達しており、中央ほどではないにしろ素晴らしいものだ。このレンズは、全く絞らずに画面全域で驚くほどシャープな画像が得られる。(グラフは赤が中心、青がAPS-Cの隅、緑がフルサイズの隅の解像力)

sigma40mmf14_mtf_001.jpg

  • 軸上色収差は開放でも見られず、全く問題ない。倍率色収差は0.03%付近の非常に低いレベルだ。
  • フォーカスシフト(絞りによるピントの移動)は、軸上色収差のテスト画像を見ると、F1.4からF2に絞ったときにピントが顕著に奥方向に移動していることが見て取れる。これは、球面収差が完全に補正されていないことを意味している。
  • 歪曲は-0.74%のタル型で、実写では気付かない大きさで問題はない。
  • コマ収差は、シグマの35mm F1.4 Artや50mm F1.4 Artと異なり、ほとんど見られない。天体写真の愛好家はこのレンズに熱狂するだろう。このレンズは開放から画面の隅までシャープなだけでなく、隅の星が点のまま写る。
  • 非点収差は、4.5%で全く問題はなく、無視してもいいくらいの大きさだ。
  • 玉ボケは滑らかで、申し分のないものだ。F1.4からF2では口径食が見られるがF2.8では完全に解消する。
  • 周辺光量落ちは開放では59%(-2.56EV)に達し、このレンズのサイズが極めて大きいことを考えると、これは芳しくない結果だが、それでも35mm F1.4 Artよりは良好だ。
  • 逆光耐性は、開放付近ではそれほど問題はないが、絞ると顕著に悪化し、太陽が画面の外側にあっても内側にあってもゴーストが顕著に現れる。
  • AFは静かだが、最短から無限遠までは0.8~1.0秒で、それほど速くはない。精度に関しては、中央の測距点では全く問題は見られなかったが、隅の測距点ではピントを外すケースが目立った。全体としては1/4~1/3の画像が若干甘かった。一方で、スタジオテスト(中央の測距点で行った)では、フォーカスミスが3%を超えることはなかった。
  • 40mm F1.4 DG HSM はF1.4の開放から画面全域で驚くような画質のレンズで、日本の開発者の力を示している。光学系はあらゆる点で見事で、画面全域で開放からコマ収差が見られないので天体写真ではパーフェクトな画質だ。しかし、一般的な用途では35mm F1.4 Artや50mm F1.4 Artでも良い画質が得られるので、その観点からは、40mm F1.4の優れた画質も、その大きさと重さ、高い価格に見合う価値があるとは言えないだろう。
  • 良い点:頑丈でスタイリッシュな鏡筒、中央の驚くような画質、隅の素晴らしい画質、軸上色収差が見られない、倍率色収差が無視できる、歪曲がわずか、素晴らしいコマ収差の補正、非点収差がわずか、素晴らしいボケ、静かなAF。
  • 悪い点:球面収差にいくらか問題がある、開放では周辺光量落ちが大きい、鏡筒が非常に大きくとても重い。

 

40mm F1.4は、開放から画面の隅まで極めて高解像力で、色収差や歪曲も少なく、極めて高性能なレンズという印象です。コマ収差と非点収差が良く補正されているので、天体写真にはもってこいのレンズと言ってよさそうですね。

周辺光量落ちに関しては、F1.4の大口径レンズなので仕方ないと思いますが、F1.4からF2に絞ったときのフォーカスシフトが目立つのは若干気になるところです。

2018年12月13日 | コメント(5)

コメント(5)

最近のシグマは40mmや105mmのようにカメラメーカーが出さないようなレンズを思い切りよく出しますよね。

使ってみたいなとは興味はあるのですが、めったに天体撮影をしないし、スナップや子供撮影にこの40mmのボリュームではなかなかいつも使うとは思えず保留中です。

最大径×全長φ87.8mm×131.0mm
重さ:1200g
フィルタ-口径φ82mm


カメラが6000万画素、8000万画素になってくるとこういうレンズに頼るしかないのかなぁ。
シグマさんにはデカくて重いけど凄まじいシャープネスとボケのレンズと暗いけど極限まで小さいレンズの二極化のレンズをどんどん出してほしいです。

前評判通り解像度はピカイチのようですね。85mmARTを超えているのは驚きです。一方で球面収差が大きいのは意外でした。ピント合わせに気を使いそうです。周辺光量も少し頼りない感じがします。
50mmARTや35mmARTと使い分けができるかといえば悩みますね。解像度の差を評価するかどうかにこのレンズの価値が決まると思います。

シグマが
こんなに高性能だと
純正メーカーは負けないように開発するのが
大変ですね
ほんといい時代になりました

使用しておよそ一月、隙のない純正キラーっぷりに惚れ惚れしています。まさに究極の準広角/標準レンズです。
ただ唯一、軽く絞り込んだ際の妙な後ピン傾向には少々手こずらされましたが、やはり球面収差を残存させる設計でしたか…光学原理上、ボケ質と解像度を両立させるにはどうしても仕方ないのでしょう。

純正品でないレンズの話題で言うのもなんですが、フォーカスシフトが起こるタイプのレンズをもっと気軽に使えるよう、開放測光時と露光時でのピンズレを補正するAFシステムを作ってもらいたいですね。

Aona さん
> 開放測光時と露光時でのピンズレを補正するAFシステムを作ってもらいたいですね。

簡単にできるはずです。「ちょっぴり絞り込み測距」機能をカメラに搭載してくれれば解決です。
F1.4のような大口径レンズで開放で測距して、そこから1段~2段絞り込んだときがいちばんフォーカスシフトは目立ちます。同じレンズをf2.8で測距して、f4やf5.6に絞り込んでシャッターを切ってもフォーカスシフトは目立ちません。(開放付近がいちばん収差が大きい?ことと被写界深度が理由か?)

過去のレンズの絞り値は「開放値」か「シャッターを切る瞬間の実絞り値」しか設定できませんでしたが、シャッターを切る前(ファインダーをのぞいて測距する時)の絞りで「1段絞り」「2段絞り」などが設定できればいいわけです。技術的にはすごく簡単なはずです。

フォーカスシフトが大きなオールドレンズ(マニュアルレンズ)を絞って使うときは、まさにそのような使い方をしますが、開放F1.4のレンズをF2.8の実絞りにしてピントを合わせ、そこからさらにf5,6やf8に絞り込んでシャッターを切ったりします。

ソニーの現行ミラーレス機で言うと「ライブビュー表示」で「設定効果反映OFF」と「ON」が選べ、「OFF」は開放測距、「ON」は絞り込み測距です。「OFF」のときに完全な開放ではなくて、1絞りくらい絞り込んだ値が設定できればいいんですよね。


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このページは、2018年12月13日 に公開されたブログ記事です。

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