・nterview with Kazuto Yamaki - CEO of Sigma Corporation
- (今年のCP+にはエキサイティングな新製品が登場しなかったが、その理由は?)
多くのプロジェクトに取り組んでいるが、新製品を発表するには時期尚早だと判断した。今年のフォトキナで新製品を発表する計画があったが、フォトキナは中止になった。今年の後半に、新製品を発表する予定だ。 - (開発中のLマウントレンズは一眼レフ用の流用?それともミラーレス専用設計?)
もちろん、ショートフランジバックのミラーレスカメラ用に設計されたレンズを発売する計画だ。 - (なぜ最初から、ミラーレス専用設計のレンズを出さなかったのか?)
そのようなレンズを開発するには時間がかかるためだ。通常、1つのレンズを開発するのに、2年の長い時間がかかる。ユーザーは幅広くレンズを必要としているので、まず最初に既存の光学系を使用して、Lマウントレンズを開発することを決めた。 - (Lマウントに参加したことでSAマウントは終了するのか?)
イエスだ。我々はSAマウントシステムを終了し、ショートフランジバックの新しいマウントシステムを開発することを決定した。 - (今後もSAマウントレンズは提供されるのか?期間は?)
提供される。期間は決めていないが、一眼レフ用のレンズの設計を続ける限り、SAマウントレンズも既存の顧客に提供する。 - (Lマウントの最初のカメラはいつ登場する?)
来年に登場する。 - (Foveon以外のセンサーは採用されるのか?)
当面は、Foveonセンサーを搭載したカメラのみを開発する予定だ。Foveonは顧客にとって最高のセンサーだと思っている。他に優れたセンサーが見つかった場合は、そのセンサーを採用する可能性もあるが、Foveonはシグマが所有しているので、今後もFoveonを搭載したカメラの開発を続ける。 - (計画しているカメラはフルサイズ?)
フルサイズを計画しているが、あらゆる可能性がある。また再び、APS-Cセンサーを使う可能性もあるかもしれない。 - (ソニーのEマウントシステムの評価は?)
とても急速に成長していて、感銘を受けている。 - (シグマのFEレンズ群登場までかなり時間がかかっているが?)
FEシステム用に設計されたショートフランジバックのレンズが、今年発売される予定だ。 - (上の質問の意図は、α7の登場から5年以上経っているが、最初のシグマのFEレンズ登場まで時間がかかりすぎたのではないかという意味だ)
Art、Contemporary、Sportsのレンズ群の発表直後にα7が登場したため、発表したレンズ群を優先する必要があった。その後はシネマレンズに力を入れており、その後、新しいミラーレス用レンズに取り組めるようになった。 - (シネマレンズの売れ行きは?)
上手く行っており、プロの間で高い評価を得ている。シネマレンズはブランドが非常に重要な厳しい市場で、多くの人がシグマは成功できないと警鐘を鳴らしたが、我々は特にアメリカ、フランス、イギリスで成功している。 - (キヤノン、ニコン、ソニー、パナソニックは写真ビジネスの将来はフルサイズミラーレスになることを示しているが、これが新製品の計画に影響するか?)
現在の製品ラインは維持するつもりだが、フルサイズミラーレス用のレンズが、現在、最優先事項だ。 - (富士フイルムXマウント用のレンズに参入しないのか?)
参入したいと思うが、開発リソースが限られており、これらは、すべてプライオリティの問題だ。現在進められているプロジェクトが多すぎるので、Xマウントレンズを造りたいと願っているが、そのような計画はない。 - (曲面型センサーについてどう思うか?)
コンパクトカメラ用としてはよい考えだと思うが、各センサーごとに完全に適合したレンズを設計する必要があるので、レンズ交換式では上手くいかないと思う。 - (500mmレンズが登場したが、300mm、400mm、600mmでスポーツシリーズの拡大は期待できるか?)
やりたいと思っているが、これは単にプライオリティの問題だ。やらなければならないプロジェクトが多いので、将来は検討するが、すぐにはできない。 - (Artレンズは高性能だが大きく重いので、小型軽量のContemporaryラインのフルサイズ用レンズを出す計画は?)
最高品質のレンズの開発は私のパッションなので、このような製品の開発は続ける。しかし、Artレンズの登場後、多くの企業がこの方向性に習って大きく重い超高品質の製品を発表した。我々は他メーカーと差別化したいと思っているので、トレンドに反する他には無いレンズを発売するかもしれない。おそらく、提案されているようなレンズを造るだろう。
現在、シグマは、フルサイズミラーレス用レンズの開発が最優先になっているようで、近日中に、ショートフランジバック専用設計のEマウントやLマウントのレンズの登場が期待できそうです。
また、Foveon搭載のミラーレスに関しては、フルサイズ以外のセンサーにも含みをもたせているので、将来、APS-CのFoveon機の登場も可能性があるかもしれませんね。
ぽにょ
パナはLマウントのaps-cを出しそうになくライカの高価なカメラしかないので、シグマにお手頃なLマウントaps-cカメラを出してもらいたいです。
hara
このインタビューの通りだとフルフレームFoveon搭載のLマウント機は、
「今年末発表・来年初頭発売」となるでしょうか?
来年のCP+で実機が触れれば、その様子を見て買うか止めるか決めようと思っていましたが、
CP+前に発売されちゃったら『一か八か』で買ってしまいそうです。
レンズもLマウントネイティブのレンズが同時に出そうなので、
1年近く先の話が楽しみでなりません。
qoooga
FE向けショートフランジバックのレンズが今年中に出るという話はイイですね! 最初のレンズが35mm f1.4でありますよーに!
そして、ソニーの24mm f1.4みたいなコンパクト&高性能だと、もっといいな。なんとなく、シグマさんに期待してもよさげな感じのコメントに思えました。
norinagao2000
EOR RPに似合う小型軽量ズームはシグマやタムロンが先に作ってしまうかもですね。キャノンにとってもボディーがうれて双方に利益がありそうです。要するにでかくしていいのなら性能は上がるってことですね。
のくと
シグマが「フルサイズミラーレス用のレンズが再優先事項」だと表明しているなら、カメラボディ市場のレフレックスからミラーレスへの移行は思ったより早く進みそう
ですね。もっともシグマのLマウント以外への展開はまだ不明ですが。
to
タムロンがFEレンズでは未だに供給が追いつかないほどヒットしているので
シグマも負けていられませんね、期待しています。
CR
一眼レフ用ARTは焦点距離がひととおり出そろいましたが、2代目は永遠に出ないのではないでしょうか。性能がほぼ完璧なので、従来の感覚からすればリニューアルの必要性が10年(以上)は無く、10年もたてばカメラのミラーレス移行が完了していて、一眼レフ用レンズを新規開発することは無くなっていると思います。
「Artレンズの登場後、多くの企業がこの方向性に習って大きく重い超高品質の製品を発表した」という部分は、カメラ史に特筆すべき2010年代のトピックでしょう。レンズのあり方をシグマが主導しました。
「我々は他メーカーと差別化したいと思っているので」という言葉に期待し、どんなレンズが登場するか楽しみに待ちたいと思います。
モニカ
富士フィルムXマウントの計画はないと明言されてしまっているのですか…残念です。
56mmF1.4、16mmF1.4、使いたいなぁ…
富士使い
私もXマウント希望です。
焦点距離は一通り純正で揃ってきているので尖ったものが欲しいのです。
例えば、換算で14mm f1.4とか。
星景用が主なので周辺部の画質良くコマが少なければ即買いです。
Laowaのようにマニュアルで良いので寄れたら最高です。
そう言う意味ではマウントアダプター経由でも良いですが。
かも
このインタビューはこれからのシグマの方針と同時にカメラ業界全体の進む方向まで示唆されていてとても興味深いですね。
サードパーティとして業界全体を俯瞰して先を見据える山木氏の分析には説得力があります。
やはり業界の中心はフルサイズミラーレスで確定なのでしょうね。
K
L、RF,Zは口径が近いので光学設計が共有できそうですが、
口径が小さいEはどうなんでしょうか。
Eに合わせて大口径のメリットが生かせないなんてことがあると
もったいないように思うのですが。
それともかなり口径が違うEFとFでも共有できていたので
あまり問題にならないのでしょうか。
フランジバックが短くなるので影響は大きそうなのですが…
mac
RFマウント用のレンズもいずれは出てくれそうですね。
評判の良い純正50mm f1 2を超えるような恐ろしく高解像なレンズ、出てくれないですかね。
ソ兄
FEシステム用に設計されたショートフランジバックのレンズ
ということは望遠ではなさそうですね。焦点距離35mm程度までかな?で、SIGMAのことだから単焦点とか。
でもレフ用のArtと、このタイミングで焦点距離被りは避けたいだろうし…。予想がつきません。
CRさんが言われるように、性能的にはリニューアルなんてまだまだとんでもないレンズばかりですからね。小型軽量の恩恵はあるかもしれませんが。
なんにせよ楽しみにしております。
CR
シグマのミラーレス用レンズは、まずはDC DN路線(のフルサイズへの適用)で来ますかね。16mm、30mm、56mmすべてF1.4で揃えてアート並みと高評価ですが(ケース付き3本セットの販売が終了しましたが、今になって欲しくなっています)、カメラ側の電子補正を利用することで小型軽量化と描写性能を両立させる方式です。
ライカとパナソニックは、放っておいても高画質(一部は小型化しつつも、結果的に重厚長大になりがち)路線なので、同じことをやっても競合してしまうし、ソニー、ニコン、キヤノンもまずは画質最優先で自社レンズをひととおりそろえる必要があるので、今なら「大きすぎず・重すぎずに使いやすい」が狙い目でしょう。タムロンの28-75mm F2.8の大ヒットがそれを裏付けていますし。
高画質レンズがどれも1kgでは、フルサイズミラーレスが一部マニアだけのものにとどまってしまうわけで、コンテンポラリーシリーズ(なのか?)で小型軽量旋風をシグマが巻き起こすことができてフルサイズ(やAPS-C)の普及に寄与できれば、カメラ業界全体が活性化します。
SONY好き
Artレンズはサードパーティーの「安かろう悪かろう」という印象を一変させましたからね。
純正にはない奇抜なスペックで出すのもシグマの魅力なので
今後も独自性を貫いて欲しいですね。
どりゃー
キヤノン・ニコンのフルサイズミラーレスへの注力を見ると、完全本気モードですから近いうちにソニーと並ぶのは確実だと思います。
シグマもキヤノン用ニコン用の開発を進めるはずです。
当然Lマウントと併存でしょうけど、キヤノン・ニコンがまだ製品化していない50㎜1.4・35㎜1.4あたりを先に供給できたりしたら素晴らしいですね。
マウント径が小さいソニー用が今現在はトップシェアというのは難しい問題かもしれませんが、ソニー用は諦めるという判断もあるかもしれません。
ドルンブルク
フルサイズフォビオン!期待ですね。LマウントのSDシリーズはフルサイズ版とAPSーC版の2つだといいですね。ショートフランジバックを利用した新型レンズにも期待できそうです。
ソニー用のレンズも開発するということなので、シグマの勢いはますます強くなりそうです。大口径マウントにこだわらず、LやFEのレンズを出していくのはいい戦略だと思います。
うめの
「他メーカーと差別化したいと思っている」ということで、パンケーキレンズを希望します。ミラーレスと相性いいと思うんです。
ヘイロー
ミラーレス用のレンズというと、DNの19mm/30mm/60mm f2.8の生産終了が悲しい限り。サードパーティレンズで電子補正できるようになる直前に出たながらも、小さくて軽くて写りのよい貴重なレンズたちです。さらに、当時はソニーもパナもボディ内手ぶれ補正がなかったので、数年早すぎた感があります。
今のDNシリーズは(DCなのに)コンパクトネスが損なわれているので、個人的にはあまり惹かれず。同じ理由で、フルフレームは超小型の単焦点が揃うまで検討外です。おねがいしますシグマさん!