ソニー「FE20mm F1.8 G」は完璧に近い光学性能

DPReview に、ソニーの新しい広角単焦点レンズ「FE20mm F1.8 G」のサンプル画像とレビューが掲載されています。

A near-perfect optic: Sony 20mm F1.8 G sample images and analysis

  • 結論をネタバレしてしまうと、FE20mm F1.8 Gは完璧に近い光学性能だ。このレンズはシャープでコントラストが高い。猫のサンプル画像では、猫の毛はわずか2ピクセル分の太さだが、完全に解像している。これは、このレンズは絞り開放でも、60MPのα7R IVの高解像度センサーでも細部を解像できることを示している。コントラストは近距離の開放時でも非常に高い。周辺部の解像力の落ち方は穏やかで、少し絞れば素早く改善する。
  • コマ収差は良く補正されていて、ノルウェーの星空のサンプル画像では、サジタルコマフレアは60MPのα7R IVでの撮影でもほとんど見られない。
  • ボケに紫や緑の色が付く軸上色収差は、大口径単焦点では頭の痛い問題の1つで、FE24mm F1.4 GMでさえ若干の軸上色収差が見られるが、このレンズはほとんど軸上色収差が見られず、これは注目に値する。
  • 倍率色収差は大した量ではなく、そして、RAWでは現像時、JPEGではカメラ内で自動補正されるので、最終的な出力では倍率色収差は全く見られない。
  • 歪曲は未補正でも非常に小さく、大部分は光学的に補正されていて、自動補正は非常に弱い。周辺光量落ちは開放では画面の広い部分で見られるが、落ち方は画面の隅で-1.7EVと控え目だ。
  • 非球面レンズの研磨の改善によって、玉ボケのリングボケはほとんど見られない。また、玉ボケに強い輪郭も付かないが、画面の隅の方に行くと明るい輪郭が付くので、FE35mm F1.8と同じように、画面の隅では少しボケはうるさくなると思われる。ボケに色が付かないのは、この種のレンズとしてはとても素晴らしい。
  • 大口径の広角では各種収差を抑えるのは難しいが、FE20mm F1.8は近距離でも解像力とコントラストは非常に高く、軸上色収差も見られない。更に、コマ収差や倍率色収差、歪曲も優れていて、極めて優秀なレンズになっている。周辺光量落ちは少し見られるが、他の多くの広角端焦点よりは優れており、問題はない。
  • 動画撮影時はフォーカスリングのリニアな応答は高く評価できるが、残念ながらフォーカスブリージングはかなり目立つ。画面の周辺部のボケのうるささと、逆光時のゴーストだけが気になる点だ。このレンズは間違いなく、今日入手可能な大口径超広角単焦点で屈指の性能のレンズだ。

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FE20mm F1.8 Gは、設計の難しい超広角レンズにもかかわらず、収差がよく補正されていて、非常に高性能なレンズに仕上がっているようです。ボケは周辺部がうるさいと述べられていますが、サンプルを見る限りでは広角レンズとしては十分に綺麗という印象です。コマ収差がかなり抑えられているようなので、天体撮影用にも活躍してくれそうですね。