ニコンD780の高感度性能は旧型から顕著に改善している

ePHOTOzine に、ニコンのフルサイズ一眼レフ「D780」のレビューが掲載されています。

Nikon D780 Tested To The Limits Review

  • ボディはマグネシウム合金製で、しっかりとした感触で手に馴染む。グリップは十分な大きさで快適だ。ボディの重さは840グラムで、ミラーレスカメラや小型の一眼レフと比べるとかなり重いが、24-70mm f/2.8 VRのような大きなレンズを使用する場合は、バランスが良い。
  • バッテリー室とメモリカードスロットは頑丈な造りで、ゴムでシーリングが施されており耐候性も十分にある。しぶきで覆われた滝の近くや、-10℃の凍結した湖などのさまざまな悪条件でカメラをテストしたが、完璧に動作した。
  • 操作系は他のニコンの一眼レフ同様の馴染み深いものだが、D500やD850にあるジョイスティックは搭載されていない。方向パッドの中央にあるOKボタンは小さく、手袋をしていると押すのが難しい。
  • OVFのAFは-3EVまでの低照度に対応するが、照明状態が悪いライブなどではAFが苦戦することがあった。
  • モニタの解像度は230万ドットと良好で、リフレッシュレートも妥当だ。視野角も優れていて、屋外での視認性も良好だ。チルトは、自撮りに使えるほどには倒せない。
  • バッテリーライフはCIPA規格では2260枚だが、BluetoothやWi-Fiを使うと、バッテリーライフは短くなる。
  • サンプル画像の発色は非常に心地よいもので、肌色の再現に優れており、撮って出しで彩度も十分だ。OVF使用時のポートレートでは、顔認識で目にピントが来るかどうかは必ずしも信頼できず、また被写体の顔に対する露出もそれほど信頼できない。ライブビューでは、瞳認識/顔認識は問題なく機能し、被写体の顔も正しい露出になった。
  • 高感度ノイズはISO100から3200までは良好だ。ISO6400になって初めてわずかなディテールの喪失が見られるようになり、ISO12800では更にディテールが減少する。しかし、ここまでのISO感度ではノイズは少なくきめ細かい。ISO25600ではノイズが目立つが、まだ使用可能な画像が得られる。ISO51200では彩度が低下するので、後処理やリサイズしないで使うのは厳しいかもしれない。D780の高感度ノイズは、D750と比べて顕著に改善されている。
  • オートホワイトバランスは白熱灯では暖色で、ホワイトのオプションを選択すると、もう少しニュートラルになる。白熱灯のプリセットは暖色系なので、正確な白が必要な場合は、手動で設定する必要がある。蛍光灯ではオートでまずまずの結果で、プリセットではわずかに傾く。屋外の自然光ではオートで素晴らしい結果だ。
  • 動画のAFは像面位相差で、性能は非常に良好だ。手ブレ補正はレンズ内と電子手ブレ補正が利用可能だが、完璧ではなく、より良い結果をえるには、三脚を利用するか、ジンバルや後処理による安定化などを検討する必要がある。4K動画はディテールが豊富で、画質は素晴らしい。
  • ニコンの一眼レフに馴染んでいる人には、優れた操作性とエルゴノミクスを備え、Zシリーズから借用した機能を持つD780は、昔馴染みの友人のように感じることだろう。D780は、ほとんどのシチュエーションに対応し、優れた結果が得られる。特に暗所での撮影では、D780の低ノイズの恩恵がうけられる。
  • D780は際立った画質で、バッテリーライフも素晴らしく良好で、防塵防滴のタフなボディのカメラだ。
  • 良い点:優れた高感度性能、素晴らしい画質、4K動画が見事、バッテリーライフが素晴らしい、頑丈で信頼性の高い防塵防滴のボディ、内蔵のヘルプシステム。
  • 悪い点:OVF使用時のAFと露出がライブビュー時ほど正確ではない、Bluethooth転送をONのままにしているとバッテリーライフが短くなる、内蔵フラッシュが非搭載。

 

D780は瞳認識や高性能な動画などのミラーレス機の機能を取り入れて、OVF機とミラーレス機のいいとこ取りのようなカメラに仕上がっているという印象です。

D780は機能の追加に加えて、高感度性能やAF、連写のバッファー、シャッターの最高速などのカメラの基本的な部分の大きく進化しているので、OVFメインの方も納得のアップデートになりそうですね。