ソニー「FE20mm F1.8G」は非常に優れたレンズ

CAMERALABS に、ソニーの広角単焦点レンズ「FE20mm F1.8G」のライバル(タムロン20mm F2.8やシグマ20mm F1.4 Art)との比較レビューが掲載されています。

Sony FE 20mm f1.8 G review

  • AFは無限遠から最短まで約0.7秒とかなり速く、明るい条件の下では迷いも見られなかった。AF精度は再現性99.3%で、40枚の撮影で外れは一度もなかった。タムロン20mm F2.8のAF速度はソニーの半分で、迷いも見られるので、AFはソニーが遥かに優れている。
  • フォーカスリングはとても滑らかで、小指でも回すことができる。
  • 電源を切ると、フォーカス群のレンズがフリーになって、レンズを動かすと音がするのが気になるが、ソニーは、この構造によって衝撃でレンズが壊れるリスクを低くしていると述べている。
  • このレンズは少しフォーカスブリージングが見られ、無限遠から0.28mにピントを移動すると、倍率が4.7%変動する。これははっきり目に見えるもので、動画撮影者は不満に思うかもしれない。
  • 軸上色収差はわずかに見えれ、前ボケにマゼンタ、後ボケに緑の色が付くが、実写ではほとんど気にならない。この軸上色収差のテストでは、フォーカスシフトが見られないことも確認できる。
  • 解像力チャートの撮影(テストは焦点距離の45倍の距離なので0.9mでの撮影)では、開放からかなり良好だが、F5.6まで絞ると更に改善し、周辺部も中央に近い画質になる。このレンズは、像面の湾曲はほとんど見られない。
  • 遠景(約1kmの距離)の比較テストでは、開放時の中央はソニーのFE20mm F1.8GとFE24mm F1.4GMが同程度の解像力で、シグマ20mm F1.4 Artは少しソフトだ。隅もソニーの2本の方がシャープで、シグマのArtは最もソフトだ。また、F2.8に絞ってタムロン20mm F2.8と比較すると、周辺部ではFE20mm F1.8Gが明らかにシャープだ。
  • 周辺光量落ちは奇妙なことに、開放のF1.8よりもF4で更に目立った(F2.8では大きく減少する)。この減少はJPEG撮って出しでも確認された。
  • 歪曲はわずかに陣笠状だが、JPEGでは自動補正で良く補正されている。
  • 夜景の点光源のテストでは、F2.8まで絞ればほとんどコマ収差が見られない。タムロン20mm F2.8はソニーよりもかなりコマ収差が目立つ。
  • 玉ボケは年輪ボケは目立たないが、輪郭は比較的目立つ。それでも、より強い年輪ボケや輪郭が付くタムロン20mm F2.8よりは遥かに良く見える。
  • 通常の後ボケ・前ボケの比較では、FE20mm F2.8Gがここでもタムロン20mm F2.8よりも良好だが、FE24mm F1.4GMの方がボケは更に滑らかだ。
  • 逆光耐性は良好で、逆光下でも自信を持って撮影することができる。
  • タムロン20mm F2.8との比較:中央はFE20mm F1.8Gと同程度だが、周辺部はタムロンが明らかに甘い。AFはタムロンの方が遥かに遅くて信頼性が低い。しかし、タムロンの価格はソニーの半額なので価格と性能のバランスは良い。
  • シグマ20mm F1.4 Artとの比較:我々のテストで非常に高い評価を得たレンズだが、時間の経過で古くなっており、FE20mm F1.8Gのような最新設計のレンズは性能の基準を更に引き上げている。私はソニーが明らかに良い選択だと思う。
  • 結論:ソニーFE20mm F1.8は非常に優れたレンズで、画面全域で(逆光時も含め)高コントラストの画像が得られる。コマ収差と色収差はほとんど見られない。唯一気になったのは、F4に絞った時の予想外の周辺光量落ちの増加だ。
  • 良い点:軸上色収差が最小限、F4に絞ったときの近接画質、歪曲が最小限、比較的小型軽量、逆光耐性が非常に優れている、全域で高解像力、ボケが素晴らしい、防塵防滴のシーリング、高速で信頼性の高いAF、クリックを解除できる絞りリングとフォーカスホールドボタン。
  • 悪い点:F4に絞ったときの予期せぬ周辺光量落ちの増加、AdobeのRAW現像ソフトで歪曲が補正されない。

 

ソニーのFE20mm F1.8G は、周辺部まで高解像力で色収差や歪曲も抑えられていて、非常に高性能なレンズですね。加えてAF性能や逆光耐性も優秀で、すきのない仕上がりという印象です。タムロン20mm F2.8との性能差は結構大きいようで、価格差なりの性能差はあるようですね。