タムロン「70-180mm F/2.8 Di III VXD」は開放から非常にシャープでAFも驚くほど速い

写真家のDustin Abbott氏のサイトに、タムロンのEマウント用の望遠ズーム「70-180mm F/2.8 Di III VXD(A056)」のレビューが掲載されています。

Tamron 70-180mm F2.8 VXD (A056) Review

  • ズーム機構は繰り出し式だが、インナーズームのレンズと同じくらい滑らかに動き、途中で引っかかったり重くなったりすることはない。ズームを繰り出し式にしたおかげで、レンズの全長は大幅に短縮されている。
  • フォーカスリングは十分な重さがあり、回す速さで、最短から無限遠までの回転角が変わる。
  • 鏡筒の造りに批判的な人もいるが、私はそうは思わない。ソニーのGMの方が品質は高いが、コンシューマー用としては十分だ。
  • VC(レンズ内手ブレ補正)は省略されており、α7R III ではボディ内手ブレ補正を使っても望遠端では1/13秒の手持ちで、ブレていない画像は約20%しかなかった。1/25秒にするとかなり改善するが、ピクセル等倍で見ると完全に止まっているものはほとんどなかった。解像度の低いα9だと1/25秒で、ほとんど許容範囲内になった。
  • VXDによるAFは、これまで使った中で最も速く最も作動音が静かなものの1つで、最短から無限遠までほぼ瞬時にピントが合う。フォーカシングは滑らかで正確だ。瞳AFは良好に機能し、犬の瞳にも合焦した。
  • 動体追尾はα9では、動きの速い小型犬を15コマ/秒の連写で撮影し、ほとんどのコマが十分にピントが合っていた。このレンズのフォーカスシステムは素晴らしく、70-200mm F2.8GMと比較した数人の写真家は、タムロンの方がAFが速く正確だと述べていた。
  • 歪曲は70mmではごくわずかなタル型、180mmでは穏やかな糸巻き型だ。
  • 周辺光量落ちは、フィルター径が小さいにもかかわらず、大きな問題はなく、よりフィルター径が大きいタムロン70-200mm F/2.8 G2 よりも良好だ。
  • 軸上色収差はほとんど見られず、ボケの色付きはほとんどなく、良好な結果だ。
  • 解像力は70mmでは開放から既に良好な性能で、F4ではほとんど改善されないが、F5.6では若干コントラストが改善する。100mmでは画質が後退し、開放では全体的に少しソフトになるが、F4~F5.6で少し改善しF8で素晴らしい画質になる。
  • 135mmは解像力が高くなり、F5.6では隅々まで極めてシャープだ。180mmでも解像力は低下せず(70-200mm F2.8 G2は望遠端で解像力が落ちた)、135mmよりも更にシャープになる。F5.6まで絞るとコントラストと解像力は際立ったものになる。従って、このレンズは100mmが若干弱い他は全体的に優れた性能で、その100mmでさえ実写では良好に見える。
  • 玉ボケは70mmではF2.8~5.6まで美しい円形が維持されており、非常に素晴らしい。180mmでは70mmほどではないが、それでも玉ボケは良好だ。ボケはタムロン28-75mm F/2.8よりも自然だ。
  • 逆光耐性は標準的なものよりも優れているので、BBARコーティングがうまく機能していると思う。
  • このレンズは小型軽量にもかかわらず高性能なレンズで、開放から非常にシャープだ。AFは驚くほど速くそして正確で、ボケも見栄えがするものだ。望遠端が20mm短いことは、実写では大きな問題にはならないだろう。テレコンに関してはタムロンの資料には何も記載されておらず、現時点では対応してないものとして考えている。これは純正の70-200mm F2.8GMを検討する理由の1つになるだろう。タムロンの唯一の欠点はボディ内手ブレ補正が望遠ではそれほど効かないことだ。

タムロン70-180mm F2.8は、DPReviewのサンプルでは周辺部が甘く今一つという印象でしたが、このレビューでは画面周辺部の解像力を含めて素晴らしい結果を残しているので、DPRのサンプルで使用されていたレンズは調整不足だったのかもしれませんね。

また、これまで多くのケースで純正レンズが有利だったAF性能で、純正をしのぐ性能と評価されているのはすごいですね。