オリンパス「ED12-45mm F4 PRO」は開放から優れた性能だが逆光耐性がウィークポイント

LensTip に、オリンパスの標準ズーム「ED12-45mm F4 PRO」のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko Digital ED 12-45 mm f/4.0 PRO

  • フォーカスリングは適度な重さがあり滑らかに回転する。フォーカスリングはバイワイヤ(モーター駆動)のみで、他のPROレンズのようなフォーカスクラッチ機構は搭載されていない。
  • フォーカスリングの回転角は、回す速さによって変わり、ゆっくり回すと最短から無限遠まで約270度だ。このレンズは寄れるので、この回転角の大きさは理に適ったものだ。
  • 中央の解像力は開放で80-90lpmm(良像の基準値は48-50lpmm)で、実に素晴らしい性能だ。隅は中央ほど驚きの性能ではないが、開放で60-70lpmm、F5.6で70lpmmに近い非常に良好なレベルで、称賛に値する。開放からここまで高い解像力が出るとは思っていなかったので、良い意味で驚いた。(グラフは上が中央、下が隅の解像力)

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  • 軸上色収差は広角端では見られないが、望遠端ではそれほど強いものではないものの少し目に付く。
  • 倍率色収差は、ズームの両端では絞りの影響が少なく、0.04~0.06%のレベルを維持している。中間域では絞り込むと急に大きくなるが、実写ではほとんど気にならない値だ。倍率色収差は非常によく補正されており、間違いなく肯定的な評価だ。
  • 球面収差の補正には大きな問題はなく、フォーカスシフトは見られない。
  • 歪曲は自動補正されるJPEGでは12mmで-1.51%で、他の焦点距離ではゼロに近い。RAWでは、12mmの歪曲は明確な陣笠状で、-6.87%に達する極めて大きな値だ。14mmでも歪曲は-4.94%と非常に大きな陣笠状だ。このレンズは歪曲の補正を完全にあきらめて、後処理に依存している。
  • コマ収差の補正は完璧ではないが、点像のデフォルメはわずかで文句はない。
  • 非点収差は望遠側ほど大きくなる傾向があるが、平均では3.5%の非常に低い値だ。
  • 玉ボケはそれほど酷いわけではないが、良いとも言えない。玉ボケの内部は滑らかさに欠け、輪郭も若干見られる。口径食は、幸いなことに1段絞れば解消する。
  • 周辺光量落ちは未補正では、12mm開放で46%(-1.76EV)と目立つ。F5.6では40%(-1.48EV)まで改善するが、それ以上しぼってもあまり改善しない。45mm開放時の周辺光量落ちは21%(-0.67EV)だ。
  • 逆光耐性は多くの問題があり、焦点距離にかかわらず、様々な光源の位置でフレアが発生する。逆光耐性は極端に悪いわけではないが、称賛に値するものは何もない。
  • AFは最短から無限遠まで0.3~0.4秒と非常に早く、作動音もしない。AFの迷いは見られず、これは低照度下でも同様だ。AF精度はスタジオでも屋外でも的中率99%以上で、ほとんど外すことはない。
  • ED12-45mm F4 PROにはいくつかの欠点があるが、それでもなお、このレンズを非常に肯定的に評価している。このレンズの開放からの優れた解像力には関心した。厳しく批判されるべき唯一の深刻な欠点は逆光耐性で、もっと改善するべきだと思う。
  • 良い点:しっかりした防塵防滴の鏡筒、中央の見事な画質、隅の開放からの良好な画質、軸上色収差が穏やか、倍率色収差が少ない、コマ収差が良好に補正されている、非点収差がわずか、静かで速く正確なAF。
  • 悪い点:RAWでは歪曲が非常に大きい、RAWでは周辺光量落ちが目立つ、逆光耐性をもっと良くするべきだった。

 

ED12-45mm F4 PRO は開放から画面の隅まで高解像力で、色収差も抑えられており、申し分のない性能という印象です。歪曲は、m4/3は自動補正前提という考え方なので、これはこれでいいと思いますが、逆光耐性に関しては、もう少しがんばって欲しいところですね。