トキナーAT-X 16-28 F2.8 PRO FXは絞れば隅々までシャープな描写

ERPhotoReviewに、トキナーAT-X 16-28 F2.8 PRO FXのフルサイズ機(D700)でのレビューが掲載されています。

Tokina SD 16-28mm f/2.8 IF FX Nikon (D700)

  • フォーカスリングとズームリングの感触はハイクオリティだが、ズームリングは最初のうちは少々硬かった。ソフトプラスチックのレンズキャップは大きな欠点で、これは10セント雑貨店のクオリティだ。絞り紐の付いたレザーカバーが理想的だと思う。
  • 新開発のDCブラシレスモーターによるAFは高速で正確だが、完全に静音ではない。ボディモーターによる駆動よりは静かだが、これまでに聞いた他のいくつかのレンズと比べると作動音が大きい。
  • AF/MFはピントリングをスライドさせることで切り替えられるが、リングを引くと大きな衝撃があり、最後に合わせたピント位置が確実にずれる。従って、これはAFオンリーまたはMFオンリーで、AFロック後に容易にピントを調整できると期待しないほうがいい。
  • 中央部の描写性能は開放から並外れて良好だが、F4まで絞ると更に大きく改善する。周辺部は少なくとも16mmでF5.6、22mmではF8まで絞るとベストの性能になり、16mmでは周辺部も最高(excellent)レベルに到達する。
  • 倍率色収差は16mmでは容易に目に見えるが、これは修正可能だ。望遠側では色収差は目立たなくなる。
  • 歪曲は16mmで2.5%のタル型、28mmではほぼゼロで、このタイプの広角レンズとしては比較的小さい。周辺光量落ちは開放では目立つが、絞ると改善する。
  • フレアへの耐性は強いが、太陽が画面の中(または近く)にあると、画面全域でいくらかのフレアが出ることがある。これは前玉が大きいレンズでは典型的なもの。
  • フルサイズでの16mmの描写は超広角レンズとしては良好で、F5.6まで絞れば隅々までシャープになる。このような超広角レンズでワイド端の四隅がシャープなのは素晴らしい。28mmでは平均的な解像力だが、他のレンズがカバーしないワイド端の性能の方がより価値があるので、これは大きな問題だとは思わない。ニコンの16-35mm F4と比べると絞り1段のアドバンテージがあり、価格も安価で、歪曲も少ない。このレンズはお買い得だ。
  • 良い点: 全ての絞りでの中央部の性能、絞った時の周辺部の性能、造りのクオリティ
  • 弱い点: レンズキャップの出来、開放時の周辺部の性能、AF/MFの切り替え機構、フィルターが使えない 

 

MTFを見ると中央は開放から抜群の解像力ですが、周辺部の解像力は開放付近では少し低めのようです。ただ、絞れば周辺部も十分な解像力になるので、風景などの撮影では問題はなさそうですね。サンプルでは、開放付近は少し甘いですが、絞って撮影した風景は四隅までカリっとしていて、切れ味のよい描写という印象です。