オリンパスE-5は熱心なフォーサーズファンをすこぶるハッピーにするカメラ

dpreviewに、オリンパスE-5の詳細なレビューが掲載されています。

Olympus E-5 In-depth Review

  • 位相差AFはシングルポイント(1点)では多くの場面で良好で精度も非常に高いが、マルチポイント(多点)では暗所で速度と精度が低下し、AFポイントの自動選択で迷うように感じる。コントラストAFは明るい場所で標準ズームを使う場合は精度が高く十分な速さだが、レンズによってはスピードと精度が落ち、暗所で動きが鈍くなる。時々、よいコンディションでも合焦を諦めることがあり、これは動画では特に問題がある。
  • デフォルト設定のJPEGは、低感度では素晴らしい画質で、比較的少ない画素数であることを考えると、解像力は非常に高い。しかし、ISO800ではノイズリダクションが強くなり、ディテールが損なわれる。これは比較している機種の中で高感度がベストのD7000やK-5が、ISO6400に到るまで多くのディテールを保持しているのと比べると、E-5の高感度の画質は明らかによくない。
  • RAWではISO400までは他機種との差は小さい。E-5はディテールが豊富だが、明らかにザラつきが多く、感度が上がるとそれがより顕著になる。ISO3200とISO6400では、E-5はライバルと比べてノイズの点で明らかにライバルに遅れを取っており、ノイズの測定結果のグラフもこのことを裏付けている。E-5のセンサーは2008年に登場したもので、サンプルやグラフを見ると市場にある他機種が先に進んでいるのは明らか。
  • 解像力テストでは、素晴らしい解像力を示している。画素数が比較的少ないことを考えると、JPEGでもRAWでも、並外れた量のディテールがある。
  • E-3は比較的ダイナミックレンジが制限されていたが、E-5はダイナミックレンジがずっと広く、ISO200ではライバル(D7000、K-5、7D)に近い。これまでのEシリーズのカメラ同様、E-5の基準感度はISO100だが、ISO200よりもダイナミックレンジが狭くなるため、ISO200を基準にすることを推奨する。
  • (画質に関するまとめ)ISO200と400(ダイナミックレンジが狭くなってよければISO100も)では、素晴らしい画質で、ディテールは極めて豊富。ノイズもほとんど無い。弱いローパスのおかげて、ディテールの点ではより画素数の多いライバルと張り合っている。しかし、ノイズの点では良くはなく、ISO400よりも上の感度では予想以上にノイズの増加が目立った。
  • 動画はアートフィルター使用時の問題(フレームレートが落ちる問題)を除けば素晴らしく、シャキっとしてディテールが豊富。内蔵マイクの音声のクオリティは素晴らしいとは言えないので、本格的な撮影では外部マイクの使用を推奨する。
  • ボディの大きさは、4倍の面積のセンサーを持ち高感度に強く、画素数も多い5D Mark II と同程度で、価格の面からもD7000やK-5、7Dよりも高く安価とは言えない。E-5とはなんなのだろう? E-5は熱心なフォーサーズファンをターゲットとしたカメラで、狭い範囲のユーザーをすこぶるハッピーにするカメラではないかと感じている。E-5は使っていて楽しい頑丈で高性能なカメラで、オリンパスの一連の素晴らしいレンズにとてもよく合うパートナーだ。しかし、E-5は我々がオリンパスにいつも望んでいた大変革をもたらすカメラではない。恐らく間違いなく、それはPENシリーズだった。

 

E-5の総合点は75%とマイクロフォーサーズ機と最新のAPS-C機の中間程度で、フォーサーズセンサーを採用した機種の中ではトップのスコアとなっています。

画質に関してはこれまでのレビュー同様、高感度は今一つですが低感度は素晴らしく高い評価ですね。古いセンサーからこれだけの画質を引き出すオリンパスに、ソニーの16MPセンサーのような高性能なセンサーを料理させてみたいものです。