ソニーDistagon T* 24mm F2 ZA SSMは像面の湾曲が問題

Kurtmunger.comに、ソニーDistagon T*24mm F2 ZA SSMのレビューが掲載されています。

Sony Carl Zeiss 24mm F/2 SSM review

  • フォーカスリングは、テストしたレンズは少々固かったが、指一本でほとんど完璧にピントを合わせることができた。AFは高速で静か。精度も極めて高い。いつものように鏡筒の造りは極上。
  • 単焦点レンズとしてはフレア・ゴースト耐性は平均を下回る。フルサイズ機使用時には、太陽が四隅や画面の少し外側にあると、大きな赤いゴーストが見られた。しかし、フードがあればゴーストはかなり防ぐことができる。APS-C機でも多くのゴーストが見られた。フレアはAPS-C機でより顕著。
  • 倍率色収差はフルサイズでは周辺部に少し見られるが、平均以上に補整されている。APS-C機では倍率色収差は非常に少なかった。軸上色収差はF2では中程度の大きさだが、F4では大幅に減少し、F5.6ではほとんど無くなる。
  • ボケはF2ではスムーズだが、絞るとリング状の輪郭線が目立つ。F4-F5.6からは絞りの形がみえてくる。
  • 色再現は他のソニーのレンズと同様だが、若干緑色が強いかもしれない。コマ収差はAPS-Cでは見られず、フルサイズではF2で弱い~中程度のコマ収差が見られる。歪曲はAPS-Cでもフルサイズでも弱いタル型。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは認められないが、フルサイズでは非常に大きい。しかし、1段絞れば周辺部は申し分なく明るくなる。
  • 中央の解像力は、F2ではわずかにかすみがかかったように見えるが、それでもなお極めてシャープだ。F2.8-F8では極めてシャープになる。
  • 周辺部(中間部)の解像力は、APS-Cでは開放では甘いが、かなり絞り込むといくらか解像力があがる。これは像面が波打っているためで、ピント合わせの問題ではない。フルサイズでも絞り込まないと甘く、これは中央と比べると少々残念。F8-F11まで絞れば良好になる。
  • 四隅の解像力は、APS-Cの開放付近では中間部よりも若干シャープ。これは先に述べた(像面湾曲の)問題のため。絞ってもあまり改善しないが、等倍で見てもなお全ての絞り値でかなりシャープに見える。フルサイズでは、F2では甘く暗い。F2.8では周辺光量は改善するがシャープにはならない。四隅をシャープにするにはF8-F11まで絞る必要がある。
  • 中央は極めてシャープだが、中央以外は特に開放付近では目立って甘くなる。これは像面が波打っているためで、慣れていない人は困惑するかもしれない。広角レンズでは、たまに見られることだが、中央が極めてシャープなレンズなので、結果として周辺部が甘く見えてしまう。風景の場合はかなり絞り込むのでたぶん問題にならないが、F2-5.6を使う場合は、大伸ばしすると(周辺部の)解像力の変化に気付くだろう。

 

このレンズはPhotozoneのレビューでは高い評価でしたが、ここでは少々辛口な評価になっています。この記事のテストでは、解像力を近距離のチャートではなく、無限遠の被写体で評価しているので、他のレビューと評価が異なっているのかもしれませんね。