ペンタックスFA43mm F1.9 Limitedは光学性能の割りに価格が高すぎる

LensTipに、ペンタックスFA43mm F1.9 Limitedのレビューが掲載されています。

Pentax smc FA 43 mm f/1.9 Limited - lens review

  • K-5による解像力テストでは、中央は開放で39lpmmで基準となる値(35lpmm)を大きく超えている。絞ると解像力は向上し、F5.6で53lpmmに達する。これは廉価な50mm F1.8クラスのレンズよりも目立って優秀だ。しかし、周辺部の解像力はかなり残念なのもので、開放付近は全く使いものにならなず、F4-F5.6まで絞って初めてきちんとした解像力になる。この価格帯のレンズとしては、このような結果はかなり不十分なもの。
  • 軸上色収差は大きくはないが、絞ってもあまり改善しない気になる特性を持ち、F2.5でも開放と比べてそれほど小さくはならない。倍率色収差はより大きな問題があり、開放から比較的高いレベルで、F2.8に絞るとピークの0.2%に達する。それ以上絞ると、0.15%前後のレベルまで下がる。倍率色収差は"中程度"~"高い"のレベルで、これが開放付近で周辺部の解像力が低い理由の1つだ。
  • 歪曲は50mmクラスよりも画角が広いので大きくても当然だが、幸いなことに-0.85%しかなく、素晴らしい値ではないが大きな問題はない。
  • 周辺光量落ちは開放で24%(-0.80EV)で、このときだけが唯一周辺光量落ちが気になる。F2.8では8%(-0.23EV)になり、問題は完全に解消する。周辺光量落ちでは大きな問題は全くないが、このレンズがフルサイズ用のレンズあることを念頭に置いておこう。
  • 逆光では、いくらかのゴーストが見られるが、それほど多くなく強いものでもない。透過率は95-96%の高いレベルで、1面あたり0.4%以下の損失。この結果は良好だが、過去のテストで0.2-0.3%の優れた結果を残しているSMCとしては驚くようなものではない。
  • AFはボディモーターによるものだが、AF速度はK-5との組合せでは最短から無限遠まで0.6-0.7秒で速い。スタジオのテストでピントをはずしたのは5%で、前ピンや後ピンの傾向は見られず、AF精度に関する問題は全くない。
  • このレンズの直接のライバルは、たぶんフォクトレンダーUltron 40mm F2 SL II だろう。鏡筒の造りや大きさ、仕様はとてもよく似ているが、性能は安価なフォクトレンダーのほうがずっと良い。ペンタックスの重要な長所はAFが使えることだ。FA43mm F1.9は光学性能に比べて価格が高すぎる。

 

光学性能に関してはかなり厳しい評価になっていますが、FA43mmは味を楽しむレンズだと思うので、開放付近の周辺部の解像力だけで評価してしまうのは少しかわいそうな気がします。開放付近から周辺部までカリっとした描写を求めるユーザーは、DA40mmを選ぶといいかもしれませんね。