ニコンAF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G VR II はとても有用だが弱点もあるレンズ

Photozoneに、ニコンAF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G IF-ED VR II の16MP機(D7000)によるレビューが掲載されています。

Nikkor AF-S DX 18-200mm f/3.5-5.6G IF-ED VR II - Review / Test Report

  • 鏡筒のクオリティは良好だが、プログレードのレンズよりも明らかにクオリティは低く、他のニコンのコンシューマーグレードのズームレンズと同等。鏡筒は2重のカムでズーミングで長く伸びるが、ほとんどガタつきはない。ズームリングはやや固いが、旧型(I 型)で見られたズームリングの重さが均一でない現象は見られない。加えて、ズームの自重落下の問題も解消した。
  • フォーカスリングは、極めてスムーズだがあまり重さはない。合焦はインナーフォーカスで前玉は回転しないので、偏光フィルターの使用に問題はない。超音波モーターによるAFは、実質的に無音で、高倍率ズームとしては極めて速い。
  • 手ブレ補整は公称4段で、実写テストでは3段に近いように感じた。しかし、これは人によって変わるだろう。
  • 歪曲は広角端では非常に目立つ(-4.13%のタル型)が、24mmでは歪曲はほとんどなくなり、それ以上の焦点距離では糸巻き型になり、50mmでピーク(1.95%の糸巻き型)になる。100mmと200mmでは歪曲は若干小さくなるが、それでもかなり高いレベルで、画面周辺部に直線的な被写体があると悩ましく感じることがある。高倍率ズームは、通常とても歪曲が目立つが、このレンズも例外ではない。
  • 周辺光量落ちは、18mm開放(-1.19EV)を除けば(100mm開放と200mm開放もある程度周辺光量落ちはあるが)良好に補整されている。周辺光量落ちが問題になる被写体では、ズーム両端では1段絞ったほうがいい。
  • 中央の解像力は、ワイド側では開放から"素晴らしい値(excellent)"で、100mm以上では"とても良い(very good)"の値に落ちる。
  • 周辺部と四隅の解像力は、18mm開放では少々苦しいが、絞れば、周辺部は"とても良い(very good)"、四隅は"良い(good)"まで向上する。24mmでは多少よくなり、周辺部はすべての絞りで"とても良い(very good)"になるが、四隅はかなり落ち込み、F8まで絞らないと"良い(good)"にならない。50mmでもよく似た傾向。
  • 100mmでは、周辺部と四隅の解像力は大幅に落ち、開放では極めて甘く、良好な解像力を得るにはF11まで絞る必要がある。200mmの周辺部は、開放での解像力は再び良くなるが、絞っても大きな改善は見られない。このレンズの解像力は、高倍率ズームとしては良好な値だ。
  • 倍率色収差は極めて大きく、200mm開放では2ピクセルを超え、それ以外の焦点距離では(100mmを除き)1ピクセルを軽く超える値。しかし、倍率色収差は、カメラ内や後処理で容易に補整できる。
  • このレンズは、強い部分と弱点がミックスしている。中央は特にワイド側では極めて高い解像力だが、周辺部と四隅は別で、"悪い(poor)"~"とても良い(very good)"の間をズーム域と絞り値で目まぐるしく変わる。周辺光量落ちは良好だが、色収差と歪曲はかなり大きい。このレンズはとても有用なレンズだが、ユーザーはこのレンズの欠点と制限を承知しておくべきだ。

 

光学性能の評価は5点満点中2点~2.5点で、 以前の1000万画素機(D200)による I 型のテスト(2.5点)と比べると、テスト機の画素数がアップしたためか若干低い評価になっています。

解像力は焦点距離によっては、絞り開放付近で周辺部が少し苦しい値になっていますが、絞ればある程度改善するので、あまりうるさいことを言わなければ"便利ズーム"として十分な性能だと思います。このレンズは、距離窓や超音波モーターを省いていないのが好印象ですね。