オリンパスM.ZUIKO DIGITAL 12mm F2 EDは素晴らしい性能だが期待には少し及ばない

Photozoneに、オリンパスM.Zuiko Digital 12mm F2 EDのレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko 12mm f/2 ED - Review / Test Report

  • 金属製の鏡筒は非常に美しく丹念に作られているが、防塵防滴ではない。インナーフォーカスのため、前玉は回転せず、レンズの長さも変わらない。このレンズにはオリンパス初のZEROコーティングが採用されており、実写テストでも極めてフレア耐性が高かった。
  • AFモーターは動画撮影に最適化されており、高速で静かなAFを実現している。スナップショットフォーカスと呼ばれる、MFシステムも採用されており、フォーカスリングを押す/引くことで、AF/MFを切り替えることができるが、MF時もフォーカスバイワイヤ(モーター駆動)で動いているので、フォーカスの反応はあまりよくない。しかし、実写では問題ない。
  • 歪曲は0.7%のわずかなタル型で、実写ではほとんど目立たない。 しかし、これは自動補正によるもの。未補正のRAWでは5.4%の極めて大きなタル型で、単焦点レンズとしては期待はずれだ。
  • 周辺光量落ちは自動補正されない。開放では周辺光量落ちは1.3EVの極めて大きな値で、多くの場面で目に付くだろう。しかし、F2.8以上に絞ればとても良好になる。
  • 中央の解像力は開放から最高レベル(excellent)だが、周辺部は良い(good)~とても良い(very good)にすぎない。四隅は開放では若干甘いが、絞れば周辺部と同じ解像力になる。センタリング(偏芯)の精度は良好だが、素晴らしくはない。このレンズがプレミアム製品市場向けであることを考えると、解像力の点からは若干期待はずれではあるが、決して月並みな性能ではない。
  • 倍率色収差は周辺部で0.6ピクセル前後で、極めて良好に補整されているが、問題は四隅で色収差がピークで1.5ピクセルに大幅に増えることだ。これは、極端に大きな値ではないが、実写でも目に付く。色収差は、少なとも我々テスト機(GF1)でもPhotoshop ACRでも自動補正されなかった。
  • 鏡筒の造りは最高で、ツァイスZMやフォクトレンダーVMに匹敵する。光学的にはとても素晴らしいが、期待には少し及ばなかった。中央はとてもシャープだが、周辺部は驚くほどではない。目玉は良好なコントラストと逆光耐性だ。近接時のボケ味は、少なくともこのような広角レンズとしては良好。12mm F2は完璧なレンズではないかもしれないが、この小さなレンズには好きにさせるようなたくさんの要素がある。しかし、価格設定は高すぎると思う。

 

収差の自動補整を前提としたレンズなので点数による評価は付いていませんが、光学性能に関しては、若干辛口の評価になっているような印象です。

解像力は良好ですが、高価な単焦点レンズとしては、周辺部と四隅の解像力がそれほど高くないのが評価に響いたようです。とは言え、Photozoneはこのレンズを「月並みな性能ではない」と言っているので、決して低い評価というわけではなさそうです。