シグマMACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMは価格が高すぎる

LensTipに、シグマMACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMのレビューが掲載されています。

Sigma 105 mm f/2.8 EX DG OS HSM Macro - lens review

  • フォーカスリングは適度な重さがありスムーズに動くので、微妙なピント合わせが可能。フォーカスリングの回転角は140度で、フォーカスリミッターを使った場合は45cm~無限遠の回転角はわずか60度(1メールから無限遠は12度少々)。これはマクロ以外の撮影では回転角が小さすぎる。
  • 等倍でのワーキングディスタンスは142mm。フィルター取付枠は回転しない。フードは直接取り付けることも、エクステンダーを使って伸ばして付けることもできる。APS-C(DX)では、エクセステンダーを付けてもケラれない。
  • 手ブレ補正は公称では4段分だが、テストでは無限遠の被写体で2.3-2.5段分だった。シグマの最近のレンズでは、手ブレ補正効果は既に3段分に達しているので、この結果は少々意外だ。
  • 解像力のテストは1Ds Mark IIIで行っており、良好な解像力の基準は30-32lpmmだ。中央の解像力は開放付近から良好(36lpmm前後)で、F5.6まで絞るとピークに達する(43lpmm前後)。これは実に素晴らしい値だが、キヤノンの100mm F2.8ISやニコンの105mm F2.8VRには、F2.8-F5.6のどの絞り値でも1-3lpmmほど及ばない。
  • 周辺部の解像力は、開放から十分に実用になるもの(フルサイズで31lpmm前後)だが、絞っても"とても良い(very good)"のレベルにしかならない。これはキヤノンには若干及ばないが、ニコンとはいい勝負で、開放付近ではシグマのほうがシャープだ。シグマの性能は素晴らしいものだが、唯一の問題は、直接のライバルが、同等か時に若干優れているということだ。
  • 倍率色収差はフルサイズでもAPS-Cでも周辺部で絞り値にかかわらず0.02%前後で、無視してよいレベル。ここでは、ニコン(0.05-0.07%)やキヤノン(0.06-0.08%)よりもシグマがよい結果だ。
  • 歪曲はAPS-Cで-0.08%、フルサイズで-0.27%で、実写では気付かないレベル。測定誤差を考えると、ニコン・キヤノン・シグマの歪曲は同一で、3本ともゼロと言っていい。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは開放では24%(-0.80EV)で、それほど厄介ではないが、フルサイズでは54%(-2.25EV)で、ライバルに比べるとかなり顕著だ。F4まで絞ると26%(-0.87EV)でかなり改善されるが、まだ目に付くレベル。F5.6ではほとんど完全に解消する(7%)。
  • コーティングのテストでは、透過率は赤色の光で85%、青色で80-82%付近であまり感心しない。それぞれのレンズの面で平均0.7-0.9%の光量ロスがあり、この結果は自慢できないものだ。実写では逆光耐性は、全く芳しくなくサンプルを見ての通りだ。シグマは逆光に強いレンズを幾度となく作っているので、この結果には驚きだ。
  • AFは静かだが、速度は速くなく、無限遠から最短まで1.7-1.8秒かかる。フォーカスリミッターを使った場合は0.8秒で、感心するような結果ではい。ここでは、ライバル(ニコンとキヤノン)がずっと優れている。AFを外したのは5%未満で、AF精度には問題はない。ただし、これはAF調整(キャリブレーション)後の値で、調整前では、著しい後ピンの傾向があった。
  • 光学性能ではライバルに若干劣っており、AFも遅い。興味深いことは、このレンズがニコン・キヤノンの純正よりも高価であることだ。私は価格はいずれ半額に下がると思う。ニコンとキヤノンのユーザーは、純正がより安価で手に入るのでこのレンズを買わないだろう。このレンズの価格が600ドルなら、結論も全く異なるものになっていただろう。

 

結論は辛口な評価になっていますが、光学性能は逆光耐性を除けば優秀で悪くない結果だと思います。ただ、このレンズは飛び抜けた特徴があるわけではないので、ニコンやキヤノンの100mm(105mm)マクロよりも高価であることを考えると、確かに純正を選ぶ人が多いかもしれませんね。