・Sigma 18-200 mm f/3.5-6.3 II DC OS HSM
- ズームリングの重さは均一ではなく、ズームの両端に比べて中間域がかなり重くなるが、ズームリングの幅が広くゴム引きなので、それでもなお操作はとても快適だ。フォーカスリングはとても緩く、また回転角が40度しかない(これは極めて不十分だ)ので、正確なピント合わせには向かない。
- 手ブレ補正は、ほぼシャッター3段分で旧型(2段分弱)よりも改善されている。しかし、このクラスのライバルでベストのレンズは4段分を若干超えるレベルで、それに比べると少し劣っている。
- 中央の解像力は、ズーム全域で絞り開放から良像の基準となるレベル(31lpmm)を超える良好な値で、これは旧型と非常に近い結果だ。
- 周辺部の解像力は、ワイド側(18mm、50mm)では開放から良好で、これは1-2段絞らければならなかった旧型と異なっている。100mmは旧型の最大のウィークポイントで、これは新型でも同じことが言える。200mmでは解像力は低下し、旧型よりも若干悪くなっている。
- 軸上色収差は、このような暗いレンズでは問題になることはめったにないが、このレンズも例外ではなく、軸上色収差は少ない。
- 倍率色収差は、0.14%に達した旧型よりも明らかに良好だ(ピークで0.11%前後)。倍率色収差はピークのワイド側でも平均レベルで、望遠側では中程度~低いレベルだ。焦点距離を考慮すれば、この結果は躊躇なくとても良好と評価することができる。
- 歪曲はワイド端では-3.96%でライバルよりもずっと良好な結果だが、より望遠側の焦点距離では、シグマはこのカテゴリのレンズで最も歪曲が大きく、50mmでは特に厳しく2.5%に達する。
- 周辺光量落ちは広角端の開放(F3.5)では54%(-2.24EV)で非常に大きく、F5.6まで絞っても33%(-1.18EV)で顕著だ。望遠端の開放でも46%(-1.76EV)でとても大きい。周辺光量落ちはズーム全域で大きく、絞っても目立つ。
- 逆光では、開放付近でも絞ってもゴースト・フレアがズーム全域で見られる。特に絞り開放で光源が特定の位置にあるときには、放射状の光線が現れてとりわけ煩わしい。逆光耐性は褒められない。
- AFは速く静かだが、若干の作動音が聞こえ、ノイズレスではない。AF速度は回転角が40度しかないことを考えると褒められない。AFをミスしたのはスタジオのテストでは4%で、精度には問題はない。前ピンや後ピンの傾向は見られなかった。
- 旧型と比べると、解像力は変わらないが、色収差や広角端の歪曲、コマ収差、非点収差が改善されている。周辺光量落ちと、逆光耐性は悪化しているが、これらはHSMモーターやより効果的な手ブレ補正、レンズの小型化で埋め合わせされている。ニコンやキヤノンのライバルとは、同程度の光学性能だ。総合的には、後退した部分よりも明らかに進化した部分が多い。
解像力は旧型とそれほど変わらないようですが、色収差等が改善されているためか、新型は旧型よりもかなりシャープになっているように感じます。小型化しながら全体的な光学性能や手ブレ補正などが改善されているので、旧型と比べると一回り魅力的なレンズに仕上がっているという印象です。
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