シグマDP1 Merrill は素晴らしい画質だがRAWでの撮影が必須

ePHOTOzineに、シグマDP1 Merrill のレビューが掲載されています。

Sigma DP1 Merrill Review

  • QSボタンは設定画面に素早くアクセスすることができるが、意図せずに(誤操作で)設定されてしまいがちだ。QS画面には、2つのカスタム画面が登録することができ、好みの設定に素早くアクセスすることができる。
  • バッテリーライフはCIPA規格の記載は無いが、著しく短く、本体には2個のバッテリーが付属している。バッテリーが空になるまで180枚を撮影することができた。連続使用ではボディはかなり発熱する。
  • シャッターレスポンスは良好だ(0.05秒)。AFはそれほど遅くはないが、他のカメラほど速くはない。(連写は)7枚撮影後にカードに書き込まれるが、これは極めて遅く、とくにRAWで撮影した場合は40秒+αもかかる。
  • レンズはディテールがすこぶる印象的だ。木々のサンプルにはいくらかパープルフリンジが見られるが、RAWから現像したものでは、色再現はずっと良好で、パープルフリンジは若干少なくなる。このレンズの性能は極めて良好だが、接写にはあまり強くない。
  • ノイズはISO100とISO200では少ない。ISO400では概ね低いレベルだが、フィルムの粒子を思い出すような他のカメラとは異なったノイズが見られる。ISO800では更にノイズが顕著になるが、ディテールはまだとても良好だ。ISO1600ではノイズが極めて煩わしく、肌色が特に不満になり、ディテールが苦しくなる。ISO3200とISO6400では色が失われる。これらの感度は避けるのがベストだ。
  • オートホワイトバランスはまずまずの結果で、これまでにテストしたシグマのカメラよりは良好だ。とは言え、RAWで撮影して補正するのがベストだ。
  • サンプルでは驚くべきディテールで、3000万画素超のカメラ以上のディテールが描写されている。
  • 動画はVGAで30fps、モノラル音声だ。設定の選択肢はほとんどなく、動画のクオリティは芳しくない。
  • Foveonセンサーによる解像力は素晴らしく、ディテールは驚くほどのレベルだ。再設計されたボディは有用なアップデートがなされているが、まだいくつか問題がある。はっきり言うと、多くのミラーレス機よりも大きなボディと高い価格、そして多くのカメラよりも劣るバッテリーライフと動作速度だ。しかし、Foveonの色再現とディテールのファンなら、運用で回避できる事柄かもしれない。
  • Foveonセンサーから最高の画質を得るにはRAWが必要で、オートで現像した場合でさえ、ホワイトバランスやディテールで(撮って出しよりも)優れる。JPEGが芳しくない結果なのはとても残念だ。
  • DP1 Merrill は、素晴らしい色再現とズバ抜けたディテールを実現する素晴らしいセンサーが搭載されている。しかしながら、RAWによる処理が必須で、これにはとても時間がかかる。
  • 良い点: 分かりやすいメニューシステム、RAWで撮影した時の素晴らしい画質、新型の高解像度モニタ、素晴らしいディテール、頑丈なメタルボディ、新型のF2.8レンズ。
  • 悪い点: RAWファイルが大きい(45-55MB)、JPEGの画質がよくない、現像ソフトの出来、フラッシュが無い、動画がVGA、バッテリーライフが短い。

 

DP1 Merrill はDP2 Merrill 同様、サンプルを等倍表示したときのディテールはものすごいですね。レンズはDP2 Merrill の方が切れ味が良いという話も出ているようですが、このサンプルを見る限りでは、DP1 Merrill のレンズも周辺部までよく解像しているという印象です。

また、RAWとJPEGの画質の差が指摘されていますが、サンプルを見比べてみると、確かにJPEGはディテールが少し失われてFoveonの特徴が薄れてしまっているような気がします。これだけ差があるなら、RAWを常用した方がよさそうですね。