シグマdp Quattroは低感度の画質では最強のカメラ

dpreview に、シグマの山木和人社長のインタビューが掲載されています。

CP+ Sigma interview: 'We have survived because we make unique products'

  • (dp2 quattroでデザインを変更した動機は?) このカメラは39MP相当の超高解像度なので、我々は、ユーザーは左手でレンズを掴んで一眼レフのようにカメラを持つと推測した。ここから着想を得た。
  • (しかし、一眼レフのようにファインダーは内蔵されていないが?) 内蔵されてはいないが、オプションで光学ファインダーが用意されている。
  • (旧型のdp2 Merrill はバッテリーが持たなかった。大型バッテリーを採用した新型は?) Merrill はおおまかに言って100枚撮影出来た。QuattroはCIPA規格で200枚前後撮影できる。
  • (それでもバッテリーは比較的持たない。Foveonは多くの電力を消費するのか?) Quattroに搭載されているバックエンドシステムが非常に電力を食う。これはハイエンド一眼レフと同程度だ。先進技術で回路を小さくしているが、このシステムは多くの電力を必要とする。大きなファイルを扱うために、非常にハイパワーな画像処理エンジン、多くのバッファーメモリーを使用している。
  • (Quattroの新型センサーのRAWファイルの大きさは?) 被写体にもよるが平均サイズは55MB前後だ。旧型では45MP前後だった。
  • (新型センサーの開発はどのくらいかかっているのか?) 数年間だ。特許は2005年から出願しているが、実際に多くの部分を開発したのはMerrillが発売されてからだ。
  • (dp2 Merrill ユーザーのdp2 Quattro のアドバンテージは?) Quattroは非常にハイディテールで、ディテールが一貫しており、クラシックFoveonを感じ取れると思う。階調の改善は、高解像度と14bitの量子化の双方によるものだ。画像処理も改善されている。
  • (Quattroでは高感度性能は改善されているか?) 1段前後改善されている。しかし、低感度ではこのカメラに敵うものはない。一眼レフではミラーやフォーカルプレーンシャッターによるブレがあり、また位相差AFでは正確なピント合わせは困難だ。光学ファインダーでさえ完璧ではない。センサーとファインダー、AFセンサーの光路を完璧に合わせるのは難しい。レンズ交換式では、マウントの精度に依存し、位置合わせは決して完璧にはできない。しかし、dp2 Quattroのようなカメラでは、光軸と像面の位置合わせを完璧にすることができ、中央から隅までパーフェクトな高解像力を期待できる。
  • (SDシリーズの一眼レフに未来はあるのか?) イエスだ。我々はSDユーザーをサポートしなければならない。
  • (カメラのセールスはレンズと比べてどのくらい?) 非常に少なく、10%以下だ。
  • (ミラーレスの交換レンズの重要性は?) まだ低い。レンズの所有本数はミラーレスでは1.3本、一眼レフでは1.7本で、昔ながらの一眼レフユーザーはより多くのレンズを購入する。ミラーレスユーザーはキットレンズを購入し、レンズを追加購入しない人が多い。ハイエンドミラーレス機ではもっと(レンズの購入が)多いが、ミラーレスユーザーの大部分はエントリークラスのユーザーだ。我々のメインターゲットはもう少し高い。
  • (α7とα7R用のレンズ開発に興味があるか?) 大手のレンズ製造業者として、我々の使命は可能な限り多くのシステムをサポートすることだが、開発リソースには限りがあり、優先順位を付けなければならない。しかし、(α7・α7R用レンズを)造りたいと思う。
  • (複数の一眼レフ用レンズで、マウントによる技術的な違いは?) それほど大きな違いはないが、ニコンマウントは口径が小さいので、大口径レンズの設計は若干難しい。
  • (新しいレンズは売れているか?) とても売れている。特に35mm F1.4と18-35mm F1.8がとても人気だ。

 

dp2 Quattroの奇抜なスタイルは、一眼レフのように両手でしっかりとカメラをホールディングするために考えられたのですね。Quattroシリーズでは、センサーも画像処理も相当に気合が入っているようなので、どのような画像が出てくるのかとても楽しみです。高感度も1段分改善されているということなので、これまでよりも多少使いやすくなりそうですね。

交換レンズに関しては、ソニーのFEレンズ(フルサイズ用Eマウントレンズ)について触れているのが気になるところですが、これは登場するとしても少し時間がかかりそうな雰囲気ですね。