・Fuji 56mm f/1.2 vs. Panasonic Leica 42.5mm f/1.2 Nocticron
- 画像はRAWファイルからLightroom5.3を使って現像した。解像力テストはF1.2、F1.8、F2.5、F3.5で行い、画像の中央と右上隅の部分を切り出している。
- 解像力テスト(※1ページ目のテスト)ではどちらのレンズも最高だ。中央は両者ともF1.2から非常にシャープで、大きな違いはないが、パナソニックが若干優っている。周辺部はどの絞り値でも富士が優っているが、パナソニックは絞ると中央は異常なほどシャープになる。
- 富士の56mmが最も解像力が低いのは四隅ではなく、隅から少し離れた周辺部分で、この部分は開放では若干甘くなるが、パナソニックも同様に若干の解像力の落ち込みが見られる。しかし、どちらのレンズもF3.5まで絞るとこの部分もカミソリのようにシャープになる。
- どちらのレンズの解像力も極めて近く、パナソニックは中央でよりシャープで、富士は画面全体の解像力で優っている。
- ボケのテスト(※2ページ目のテスト)では、開放ではパナソニック42.5mmが玉ボケの描写で若干スムーズで、富士56mmは玉ボケにいくらか明るい輪郭が見られる。F1.8に絞ると富士のボケはスムーズになり、この絞り値でパナソニックの開放(F1.2)とボケ量は同等だ。絞った時は、どちらのレンズも滑らかな後ボケが維持されている。
- ボケ味は全体にパナソニック42.5mmが若干スムーズだが、とは言え、どちらのレンズもここでは非常に良好だ。
- ポートレートのテスト(※3ページ目のテスト)では、どちらのレンズもとても素晴らしい描写だ。ここではF1.2ではパナソニックが富士よりも若干高解像力だが、どの程度が被写界深度の浅さによるものなのかは見分けるのが難しい。F1.6では富士がパナソニックよりも若干シャープになる。いずれにしても、解像力は高い。ポートレートではどちらのレンズも良い仕事をしている。
- (補足)開放ではパナソニックのコントラストはズバ抜けて高く、これはF1.2のレンズとしては注目に値するコントラストだ。富士はF2.2まで絞らないとこの高いコントラストは得られない。
- (補足)富士は開放ではいくらか球面収差が見られるが、パナソニックは球面収差は極めて少ない。
- (補足)どちらのレンズも開放付近では軸上色収差が見られるが、パナソニックの方がより目立つ。それでも、どちらのレンズも明るさを考えれば、きちんとした性能だ。
- (補足)価格に関しては999ドルvs1599ドルで富士の圧勝だ。パナソニックには手ブレ補正があるが、これが600ドルの違いになっているのかは確証がない。
- 結論としては、パナソニックが若干よく補正されており、画面の大部分の領域で少し解像力が高く(とは言え、隅では富士が良好だ)、ボケもパナソニックが若干スムーズで、開放でのコントラストも良好だ。しかし、大きな差があるわけではない。
どちらも非常に評判の良いポートレートレンズだけであって、開放からシャープでボケも見事ですね。解像力は中央はパナソニック、隅は富士が優っているということですが、大口径レンズにもかかわらず、どちらも非常に優秀という印象です。
ボケ味は開放時のスムーズさで若干パナソニックが高い評価を得ていますが、富士もとても滑らかで、いずれにしてもハイレベルな勝負ですね。
[追記] 元記事に次のような記載が追記され、結論部分も変更されています。
- 56mm F1.2 をモーターの故障で交換したところ、新しいレンズは以前の個体よりもシャープだった。2番目のレンズでは、最初のレンズで見られた周辺部(中間部分)の落ち込みも見られない。最初にテストしたレンズは若干の調整不良だったようだ。
- (結論)最初の富士の56mm F1.2では、パナソニックが若干よく補正されているレンズだと評したが、それは明確ではなくなっている。ポートレートなどで使用される近距離では富士が若干優っており、遠距離ではパナソニックが若干良好だ。
かふか
m4/3ユーザーとしてはノクチクロンもフジ56mmと同等の金額だったらと思わずにいられません(^_^;)
素晴らしい性能のようなのでなおさら…
Pii
値段なりの差はあるということですね
ジェイコプスラダー
フジが海外レビューサイトで高評価なのは、毎度のことになってきたのでそれほど驚かないですが、パナのこのレンズはものすごいですね。
以前のサンプルでも、高コントラストで立体感があるなぁ、と感じます。暖色系なのもポートレートでは◎
本当に素晴らしい光学メーカーになったな、と思います。
レビューで忘れられているのは、パナは手ぶれ補正付で、動画対応の静音高速AFを搭載し、フジより20cm寄れる点で、それらを考慮すると値段差は妥当のような気がします。
オリンパスの75mm、ノクトン25mmなど、μ4/3でも松レンズが揃ってきて、マウントとしての魅力が増してきました。
PPG
ライカの方はコントラストが一見して高く隅までしっかりしていますね。ただ、レンズの大きさがほぼ同じですからセンサーサイズの小さい方が物理的に有利でしょう。
それより、原文にこのパナライカレンズはAPS-Cセンサーでも使えるとか書いてあるのが謎で、もしかして今度出るライカミラーレス機と関係があるのかもしれません。
LNER
ノクチの泣き所は口径食(周辺光量)
そこも比較して欲しかったですね
意図的に避けたのでしょうか?
写真座
パナソニックNOCTICRON 42.5mm F1.2のボディはオリンパスのE-M5でテストされてるのかな。
popo
どちらのレンズも素晴らしいですね。
これはもう好みの問題になりますが、
私は、コントラストが若干強いパナの
方が好きです。これは、レンズだけじゃなく、
カメラ側の画作りの違いかもしれませんね。
例え、RAW現像でも。
Mizz
確かに原文には、ノクチクロンのイメージサークルはAPS-Cセンサーの大きさをカバーできる、とありますねぇ。
とすると、M4/3レンズををsonyEマウントに装着するアダプタをつかっても、周辺がケラレないということですかね。今までのレンズは四隅ケラレましたけど。
sonyE も fujiX も、M4/3よりフランジバックが短いから、可能といえば可能ですよね。まぁ、値段考えたら、素直に純正レンズを使うか、昔のフルサイズレンズをアダプタで使いますけどね。
ぱんた
どちらも素晴らしいですねorz
私的には開放もフジの方が線が細かいような気がしますが
4/3は画素ピッチが細かいのに余裕で解像力がすごい。。。
値段は高いですが魅力的なレンズを出してきますね^^
RGVΓ
ライカAPS-Cミラーレス機の噂が正しいとすれば、今後パナから出てくるm43レンズはイメージサークルをAPS-C/m43兼用のレンズで設計してくる可能性もあります。そうだとすればシグマDNのように巧く兼用設計すれば良いですが今回のノクチクロンのような超高品質のレンズばかり出てくると庶民には購入不可になってしましますので注目したいですね。いずれにせよ、ライカミラーレスの噂の真偽が今後のパナの動向を左右しそうですね。パナライカのコントラストが強いのはライカ好みの味付けなのでしょうか(CZレンズは高コントラストが特徴ですが、ライカはどうなんでしょうか)。
novela
このちょっとの差はフォーマットの差もあるんじゃないでしょうか?
細かい理論は分かりませんが、そんな感じがします。
パナです
パナライカ42.5mmは不釣合いに大きいのでASP-Cのイメージサークルに対応というのは納得です。
フジフィルムの56mmはASP-C用なのにパナソニックライカの42.5mm(マイクロフォーサーズ用)と直径はほぼ同じで長さは1割短く、やや軽い。つまり軽量コンパクトで価格は大幅安、そして高性能。
ツァイスに続いてライカとの比較でもフジフィルムのレンズの性能とコストパフォーマンスの高さが示されました。Xシリーズのレンズは本当に魅力的ですね。
むう
600ドルの価格差は大きい。自社で自信を持って作ったものなら堂々とLUMIXブランドで出せばいいのにと思うのですが・・・
石上廿日
元リンクを参照しましたが、
どうやらフジのレンズは不良品?だったということで
再テストを行ったようですね
隅のシャープネスが改善されたようです
結論は以前と変わらず、
どちらもいいレンズだけれど細かい部分で一長一短あり、
といった具合ですかね?
(英語は苦手ですので読み間違えている部分もあるやもしれません)
ところで一応こうして記事を紹介された以上
リバイスされた旨を記載されても良いのではと思いますがどうでしょうか?
管理人
>石上廿日さん
情報ありがとうございます。記事にnoteとconclusionの内容を追記しました。
元記事の更新はなかなか気付きませんので、教えていただけると助かります。
リンゴ
両社共素晴らしいズを出して来ましたね。
4/3ユーザーではないのですがパナソニックのレンズを他フォーマットでも出して欲しいですね。
レンズメーカーとして充分戦えると思います。