ニコンのテレコンバーター「TC-14E III」は解像力の低下が非常に少ない

ePHOTOzine に、ニコンの1.4倍のテレコンバーター「AF-S TELECONVERTER TC-14E III」のレビューが掲載されています。

Nikon AF-S TC-14E III 1.4x Teleconverter Review

  • このレビューではAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 VR を使って、このテレコンバーターのテストを行っている。
  • TC-14E III の重さはわずか190グラムで、持ち歩いてもそれほど重くはない。鏡筒は、頑丈な防塵防滴構造で、造りは素晴らしい。
  • このテレコンバーターは、レンズの電子制御に完全対応し、400mm f/2.8Eのような最新の電磁絞りのレンズにも対応する。従来の絞りに対応する機械式なリンク機構も用意されている。レンズ側のマウントに金属製の追加の爪があり、ボディ内モーターを使用するレンズ(非AF-Sレンズ)とサードパーティー製レンズ装着できない。
  • AF速度は、70-200mm f/2.8 に装着した場合は、比較的暗い場所でも、おおむね影響は見られなかった。
  • 解像力テストは70-200mm f/2.8 の200mm側で行った。TC-14E III 使用時には、全体的に解像力は低下するが、ごくわずかにすぎず、ほとんど気付かない程度だ。このレンズとTC-14E III の組み合わせは、1段絞れば際立った解像力(Outstanding)になり、これはレンズを単体で使ったときと同程度の性能だ。
  • 倍率色収差は、TC-14E III 使用時には増えるが、ここでもその差はほとんど気付かない程度だ。色収差は、(ピークの)F22でのみ1/2ピクセルを超える。
  • 周辺光量落ちは、レンズ単体では200mm開放で2.31EV、TC-14E III 装着時は1.75EVで顕著に改善する。
  • 歪曲は、レンズ単体では200mmで0.239%の糸巻き型、TC-14E III 装着時は0.719%の糸巻き型でわずかに大きくなる。
  • コントラストは、テレコン装着時でも逆光の開放時でさえ十分にあり、レンズ単体とほとんど変わらない。
  • 価格は450ポンドで、旧型が299ポンドだったので、かなり高いように思われる。
  • テレコンは大きく画質が低下するという評判を聞いて、テレコンの使用に神経質になる人もいるが、このニコンの新型テレコンは、必ずしもこのようなケースには該当しない。価格は非常に高く、ニコンの最新の電磁絞りレンズのユーザーでなければ、納得するのは難しいかもしれない。
  • 良い点: 解像力の低下がごくわずか、素晴らしい造り、まずまず軽量コンパクト、周辺光量落ちが改善する、防塵防滴、電磁絞りの最新のニコンレンズに対応、フッ素コーティング。
  • 悪い点: 電磁絞りのレンズで使うのでなければ価格に納得できないかもしれない、レンズ側のマウントに爪が追加されていて旧型レンズやサードパーティー製レンズが装着できない。

 

TC-14E III 装着時のMTFの低下はごくわずかで、このテレコンは解像力の低下が驚くほど少ないですね。色収差や歪曲は若干悪化しますが、共に問題のない範囲に収まっています。この程度の画質低下なら、あまり画質を気にせずにテレコンを活用することができそうです。

ただ、このテレコンはAF-Sレンズ以外には使用できないようなので、旧型のレンズやサードパーティー製レンズを活用したいと考えている方は注意が必要ですね。