ツァイスBatis 85mm F1.8 は素晴らしいポートレートレンズだが歪曲が目立つ

Photography Blog に、ツァイスのEマウント用の中望遠単焦点レンズ「Batis 1.8/85」のレビューが掲載されています。

Zeiss Batis 85mm f/1.8 Review

  • 重さは475グラムで、とても重いが、テストに使用したα7R II とのバランスは良好だ。
  • 鏡筒は総金属製で、見事な造りだ。
  • フォーカスリングはとても幅が広く、極めてスムーズに回転する。フォーカスリングの回転角は大きく遊びが全くないので、正確なピント合わせが可能だ。
  • AFは速く、約0.1秒で被写体にロックする。明るい場所ではAFはそれほど迷うことはなく、ほとんど正確に合焦したが、暗い場所ではAFは少し迷うようになり、速度や精度も落ちる。リニアモーターのおかげでAFは静かなので、動画には理想的だ。
  • このレンズには光学式手ブレ補正が搭載されており、α7R II のボディ内手ブレ補正との組み合わせで、4-4.5段分の補正効果が得られる。
  • 色収差はハイコントラストな状況で見えるだけで、それほど問題はない。
  • 周辺光量落ちはF1.8では目立つが、これはこのような大口径レンズでは予想されたことだ。F2.8に絞れば目立たなくなるが、画面全体が淡い色の場面ではまだ目立つ。
  • 歪曲は糸巻き型がかなり目立ち、後処理での補正が必要だ。
  • ボケは非常に滑らかだが、ボケのクオリティはかなり主観的なものなので、サンプルで確認して欲しい。
  • 解像力は、中央はどの絞り値でも見事な解像力で、ピークはF4-F11だ。隅の解像力も素晴らしく、解像力のピークは中央と同様にF4-F11だ。
  • Batis 85mm F1.8 は、素晴らしいポートレートレンズだ。解像力は期待通りで、42MPのα7R II でもディテールは際立ってシャープだ。開放ではわずかに解像力が落ちるが、F2.8まで絞れば改善する。色収差はよく補正されている。周辺光量落ちは開放では目立つが、絞れば素早く改善する。
  • このレンズには、いくつかの欠点もある。非常に強い糸巻き型の歪曲があり、後処理の補正が必要だ。また、暗い場所ではAFが遅くなり迷うことが多い。そして、80cmの最短撮影距離は少し制約がある。
  • Batis 85mm F1.8はポートレートに興味があるEマウントフルサイズ機のユーザーには、最高のレンズだ。大いに推薦。

 

総合評価は4.5点(5点満点中)で、同じツァイスのBatis 25mm F2 には及びませんが、それでもかなり高い評価となっています。

このレンズは、開放付近はポートレートレンズらしく柔らかい描写ですが、絞るとカリカリっとした非常にシャープな描写になるので、風景の切り取りなどにも良さそうですね。ただ、このクラスの単焦点レンズとしては、歪曲が少し目立つのが気になるところです。