キヤノンEOS-1D X Mark II とニコンD5の比較レビューが掲載

dpreview に、キヤノンとニコンの最新のフラッグシップ機の項目別の比較レビューが掲載されています。

Flagships compared: Canon EOS-1D X Mark II versus Nikon D5

  • ダイナミックレンジ:低感度では1D X Mark II のダイナミックレンジが広く、1段分ほどの差でニコンD5を打ち負かしているが、ソニーの現行のフルサイズセンサーには及ばない。D5のダイナミックレンジは、D4Sから後退している。
  • 高感度性能:高感度はD5が1D X Mark II よりもわずかに優れているが、普通の写真家が通常のISO感度と考える範囲では、その差はそれほど大きくはない。D5はISO409600(これは1D X II の最高感度だ)では、1D X Mark II よりも良好な画質だが、それよりも上の感度では徐々に実用性が低くなる。D5の操作系の照明(ボタンイルミネーション)は実用的で、これは暗所で設定を変更する際に大変に便利だ。
  • オートフォーカス:1D X Mark II のAFはとても良好で旧世代のキヤノンのプロ用機から進化しているが、D5のAFシステムは間違いなくこれまでで最高の性能だ。D5の3D AFトラッキングの恐るべき信頼性は、この種の撮影(スポーツなどの撮影)に変革をもたらすものだ。また、D5の自動AFキャリブレーションは、1D X Mark II に対する大きなアピールポイントだ。
  • 動画:動画に関しては、この2機種では、1D X Mark II が明確に良い選択肢だ。1D X Mark II はフルHD120fpsと4k60fpsの撮影が可能だ。1D X Mark II は4K動画でのクロップ倍率も小さく、広角で撮影がしやすい。加えて、1D X Mark II のデュアルピクセルAFは、動画モードで速度の点でも精度の点でも素晴らしい働きをする。これと比べるとD5のコントラストAFは原始的だ。
  • 液晶モニタ:サイズは同じだが、D5の方がずっと解像度が高い。1D X Mark II のモニタは非常にシャープできめ細かいが、並べて比べるとD5の方が顕著に優れている。タッチパネルで可能な操作は、D5の方がずっと多い(1D X Mark II はAF測距点の選択のみ)。
  • 連写:連写は1D X Mark II の方が速い。ライブビューモードでは1D X Mark II が16コマ/秒、D5は14コマ/秒で、D5は連写中にブラックアウトしてしまうが1D X Mark II はモニタで画像を確認できるので、被写体を追いかけることができる。また、動画からの切り出しでは4K60コマ/秒で撮影可能で、ローリングシャッター効果が極小の1D X Mark II が有利だ。
  • バッテリーライフは、1D X Mark II がCIPA規格で1210枚で悪くはないが、D5は3780枚という信じられないような値で、これは1D X Mark II のほぼ3倍だ。D5は4K動画を撮らない場合、予備のバッテリーは必要ないだろう。
  • 結局のところ、どちらのカメラも動きモノの撮影には素晴らしいツールだ。1D X Mark II は連写が速く、動画が大幅に優秀で、ダイナミックレンジが広い。D5はスチルのAFが最高で、バッテリーライフが驚くほど長く、高感度に強い。風景や4K動画も撮るなら1D X Mark II が、最高のAFが必要で真っ暗な場所でも撮影するならD5が良い選択肢だろう。

 

1D X Mark II とD5は、項目ごとに勝ったり負けたりで、全体としては本当にいい勝負のようです。どちらのカメラもカテゴリを問わず非常にハイレベルですが、バッテリーライフだけはD5が大差を付けて勝っているようです。同程度の大きさのボディで、これだけバッテリーライフに差がつくのは興味深いところですね。