富士フイルムXF18-135mm F3.5-5.6 は望遠側では周辺部が甘くなる

photozone に、富士フイルムの高倍率ズーム「XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR」のレビューが掲載されています。

Fujinon XF 18-135mm f/3.5-5.6 R LM OIS WR - Review / Test Report

  • 鏡筒の素材は、金属とハイクオリティなプラスチックの組み合わせだ。鏡筒の造りは良好だが、際立ったクオリティではない。ズーミングで内側の鏡筒は大きく伸びるが、最も伸びた状態でも、とてもしっかりとしている。
  • フォーカスリングは、バイワイヤ(モーター駆動)で滑らかに回転する。フォーカスリングは、極めて正確というわけではないが許容範囲内だ。
  • ズームリングの動きは均一ではなく、100mm以上ではかなり重くなる(2本のレンズで確認したが同じだった)。
  • AFモーターはリニアモーターで、AFは速く静かだ。
  • 手ブレ補正の効果は公称5段分だが、実写では3段分から4段分の効果に感じた。それでもなお、平均以上の性能だ。
  • 歪曲は、自動補正後の値では、18mmではわずかなタル型(-0.893%)で、それ以上では報告するような値ではない。未補正では、18mmでは5.1%の大きなタル型で、35mmではわずかな糸巻き型(0.273%)になり、135mmでは糸巻き型が若干強くなる(0.836%)。しかし、135mmでも糸巻き型の歪曲は非常に穏やかだ。
  • 周辺光量落ちは、自動補正有効時は、開放でもわずか(18mmで0.64EV)で心配はない。未補正のRAWでは、18mmの開放では2EVを超える非常に大きな値で、解消するにはF5.6(できればF8)まで絞る必要があるが、絞っても周辺光量落ちは完全には解消しない(18mmではF8で0.95EV)。中間域では周辺光量落ちは改善する。望遠端では再び大きくなるが、常識的な値に収まっている。
  • 解像力は、広角側の方が明らかに良好だ。18mmでは中央はとても良好で、周辺部や隅もまずまずだ。しかし18mmでは少し像面の湾曲が見られる。35mmでも中央の画質は維持されているが、周辺部と隅は開放付近では苦しい。それでもF8まで絞ればしっかりとした画質になる。
  • 70mmでは35mmより若干解像力が低下する。135mmは最も弱く、中央はとても良好だが、周辺部と隅はF5.6では甘く、F8からF11に絞って辛うじて許容範囲内になる。
  • テストは2本レンズで行ったが、最初のレンズには酷い偏芯が見られた。2本目のレンズは、最初のレンズよりも明らかに良好だったが、完璧ではなかった。
  • 倍率色収差は、標準ズームとしてはよく補正されている。18mmでは少し色収差が見られ、135mmでは更に色収差が増えるが、周辺部で平均1ピクセル前後で、通常は問題はない。しかし、画面の一番隅の部分では色収差は大きくなる。
  • このレンズは発表時にもてはやされたが、実際はそれほど素晴らしい性能ではない。良い点としては、F8に絞れば、比較的良好な画質が得られるということだ。このレンズの性能は、この種のレンズとしてはOKの性能かもしれないが、この性能は価格に見合っていない。

 

光学性能の評価は5点満点で2.5点で、少し厳しい評価になっています。解像力は広角側は良好ですが、望遠側にズームすると周辺部の解像力の低下が目立ち、中間域から望遠側では少し絞らないと周辺部が厳しそうですね。

とは言え、高倍率の便利ズームということを考えれば、まずは十分な性能と言ってもよさそうです。