キヤノンEF24-105mm F4L IS II USM は周辺部の画質が改善され逆光耐性も非常に良好

LensTip に、キヤノンの標準ズーム「EF24-105mm F4L IS II USM」のレビューが掲載されています。

Canon EF 24-105 mm f/4L IS II USM

  • 新型のEF24-105mmは、旧型に比べるとレンズの枚数は少なくなっているが、大きく重くなっている。しかし、それでもシグマの24-105mm F4よりは軽い。
  • ズームリングは適切な重さがあり、むらなく動く。フォーカスリングは程よい重さがあり、遊びが無く滑らかに回転する。フォーカスリングの回転角は約100度で、AFレンズとしては標準的だ。
  • 手ブレ補正は、望遠端のテストでは最大で3.5段分の効果で、旧型よりも顕著に良くなってはいるが、これまで見てきたLレンズは4段分か、それよりももう少し高い効果があった。
  • 中央の解像力は、開放からズーム全域で36lpmmを超えており(良像の基準値は30-32lpmm)、画質が良好であることを示してる。少し絞ると、40lpmmに近づくが、ピークでもせいぜい43lpmmだ。これは廉価なEF24-105mm F3.5-5.6 IS STMよりはずっと良好な性能だが、旧型と比べて改善はしていない。中央の解像力は、ライバルのシグマ24-105mm F4の方が少し良好だ。
  • 隅の解像力は24~40mmでは良好(開放で約32-33lpmm)で、開放でも問題は無いが、70mmでは、F5.6に絞らないと許容範囲内の画質にならない。105mmは更に弱く、F8まで絞る必要がある。隅の解像力は感心はしないが、他のレンズはもっと悪く、シグマの24-105mmやキヤノン24-105mm F3.5-5.6 IS STMがキヤノンの新型と張り合えるのは40~45mm域だけで、その他の全ての焦点域で新型のEF24-105mmが優っている。
  • 解像力についてまとめると、このレンズは、中央の画質は旧型よりも若干悪くなっているが、隅は旧型よりもずっと良くなっている。特に24~40mm域では改善が顕著で、一番隅の部分でもとても良好な解像力だ。
  • 軸上色収差は、大きな問題は無い。ごくわずかにボケに色付きが見られるが、実写では気付かないだろう。
  • 倍率色収差は、ズームの両端で最も大きく、0.08~0.09%になるが、それでもなお、わずかな値だ。ズーム中間域では、倍率色収差は全く問題ない。倍率色収差は旧型のEF24-105mmは0.14%、シグマ24-105mmは0.16%、EF24-105mm STMは0.12%で、このカテゴリではキヤノン新型が優っている。
  • 球面収差のテストでは、前ボケと後ボケは同じではないが、差は大きくなく、球面収差はキヤノンの24-105mm STMやシグマ24-105mmよりも小さい。フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲は広角端では-3.97%のタル型で、35mm直前でゼロになる。その後、糸巻き型に変わる。105mmでは+1.58%の糸巻き型になる。このカテゴリでは、キヤノン新型は、キヤノン24-105mm STM やシグマの24-105mm よりもかなり良好だ。
  • コマ収差は広角端ではとても顕著だが、40mmでは少し改善し、70~105mmでは問題は見られなくなる。ここでは、キヤノンの新型はシグマ24-105mmやキヤノン24-105mm STMと非常に近い結果だ。
  • 非点収差は10.5%で、「低い」と「中程度」の境界線上だ。しかし、実際は焦点距離によって非点収差は大きく異なっており、広角側では目立たないが、望遠側では105mmで15.7%の「中程度」と「高い」の境界線上の値になる。
  • 周辺光量落ちは、広角端の開放で47%(-1.86EV)の大きな値だが、それでもシグマ24-105mmやキヤノン24-105mm STMよりは良好で、このカテゴリではキヤノンの新型がライバルに優っている。
  • 逆光耐性はレンズの枚数が多いにもかかわらず、とても良好で感心した。ゴーストは出るものの数は多くはなく、全体のコントラストも良好に維持されている。キヤノンに拍手喝采だ!
  • AFは電光石火の速さで、最短から無限遠まではわずか0.3秒だ。加えて、スタジオと屋外のAF精度のテストでも全く問題は見られなかった。
  • キヤノンの新型は、画面の中央は旧型やシグマと比べて若干弱いが、これは実写では分からない程度だ。その代わりに、周辺部の画質が改善されており、色収差や球面収差、歪曲、周辺光量落ちも減っている。加えて逆光耐性も非常に良好だ。AFも速く正確で、手ブレ補正も効果的で、実質的に大きな欠点の無いレンズだ。
  • 良い点:鏡筒の品質が良好、中央のとても良好な画質、隅の許容範囲内の画質、軸上色収差がわずか、倍率色収差の問題が無い、球面収差が穏やか、逆光耐性が良好、効果的な手ブレ補正、速く静かで正確なAF。
  • 悪い点:広角端のコマ収差が大きい、広角端で歪曲が目に付く、フルサイズでは周辺光量落ちが目立つ。

 

このレンズは、各所のレビューで、それほど評価の高くないレンズですが、LensTipでは比較的高い評価になっているようです。

解像力はそれほど高くありませんが、旧型と比べると周辺部が改善されていて、画面全体の画質の均一性は高くなっているようですね。

それ以外の光学性能も、結構ブラッシュアップされているようで、特に、逆光耐性が良くなっているのは歓迎されそうです。