ニコンAF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VRは価格以上の画質

Imaging Resource に、ニコンのDX用の広角ズーム「AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR」のフィールドテストが掲載されています。

Nikon 10-20mm f/4.5-5.6G VR AF-P Field Test

  • 重さは230グラムと非常に軽量で、10-24mm f/3.5-4.5の半分しかない。防塵防滴ではないが、価格を考えると鏡筒の造りは良好で、しっかりとしている。ズーミングで鏡筒は繰り出すが、最短と無限遠で長さは10mm程度しか変わらない。
  • ズームリングの回転は申し分ない感触だ。フォーカスリングは非常に小さく、プラスチックむき出しで気に入らない。
  • 中央はズーム全域で非常にシャープだが、10mmの特に開放では、中央から離れると、画質が急速に低下する。絞ると劇的に改善するが、一番隅の部分は10mmでは良好な画質にはならない。
  • 15mmの性能は素晴らしく、開放でも画面のほとんどの部分で素晴らしい画質だ。20mmでは再び画質が低下し、悪くはないものの、全体的に15mmより少し甘い。しかし、画面全体の一貫性は10mmよりは良好だ。
  • 全体として10mmと20mmではそれほどシャープではないが、15mmは非常に良好だ。しかし、それでもなお、どの焦点距離でも価格を考えればとても素晴らしい。
  • 周辺光量落ちは、10mmの特に開放では目立ち、絞っても解消しない。15mmでは周辺光量落ちは改善し、20mmでは更に良くなる。15mmと20mmでは、絞れば周辺光量落ちは、ほとんど解消する。
  • 色収差は問題で、10mmの特に開放時では隅の部分で非常に目立つ。D500の自動補正を使っても、それほど大きくは改善しない。15mmでは色収差は良くなるが、20mmでは再び悪化する。
  • フレアは非常によく抑えられており、テストでフレアを出すのに苦労した。逆光耐性は、このような広角レンズとしては見事だ。
  • 歪曲は悪くはない。10mmではかなりの大きさのタル型だが、15mmでは改善し、20mmでは良好になる。
  • ステッピングモーターによるAFは、従来のものよりも、より滑らかでより静かで、動画に向いている。実写では、AFは静かで非常に速かった。
  • 最短撮影距離は0.22m、最大撮影倍率は0.17倍でまずまずだが、近接撮影は20mmでは解像力が大幅に低下し、色ズレも顕著になる。15mmでは20mmよりも改善するが、それでも色ズレは目立つ。1、2歩下がれば画質は顕著に改善する。
  • 手ブレ補正は、10mmで1/5秒、20mmで1/6秒のシャッター速度でシャープな画像を得ることができた。
  • 10-20mm f/4.5-5.6Gは、ズーム倍率が2倍でそれほど汎用性のあるレンズではないが、近接撮影をしない限りは、一貫して良好な性能だ。AFが非常に静かなことと、軽量なことが、大いに気に入っている点だ。動画にも非常に向いている。価格以上の画質の素晴らしいレンズだ。
  • 気に入ってる点:軽量コンパクト、良好な光学性能、AFが速くほとんど無音、VRが良好に動作、コストパフォーマンスが素晴らしい。
  • 気に入らない点:開放があまり明るくない、厳しい環境の撮影に耐えるかどうか確証が無い、近接撮影時の解像力、AF-Pのためボディとの互換性に問題がある。

 

10-20mm f/4.5-5.6G VR は、広角端の隅の甘さ、近接撮影時の画質など、いくつかウィークポイントはあるようですが、価格を考えると、十分以上の性能と言って良さそうです。サンプルでは、確かに広角端は隅が少し甘いですが、全体としてなかなかよく写るレンズという印象です。