ニコン「AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED」は「Otus 1.4/28」と互角の性能

LensTipに、ニコンの広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor AF-S 28 mm f/1.4E ED

  • フォーカスリングは、十分な重さがあり滑らかに回転し、非常に正確にピント合わせができる。遊びは全く見られない。最短から無限遠までの回転角は、160度前後だ。
  • 中央の解像力は極めて良好で、開放から既に良好な画質だ(開放で約39lpmm、良像の基準値は30-32lpmm)。絞ると急速に解像力が上がり、ピークのF4では48.8lpmmに達する。
  • 隅の解像力は、開放時のみ基準値を下回る(約25lpmm)が、これはOtus 1.4/28も同じことだ。F1.8に絞ると実用的な画質になる(約33lpmm)。
  • 解像力はOtusの方が良好だが、その差は大きくはない。このレンズは非常にシャープなレンズで、解像力に関しては、これまでにテストしたニッコールレンズの中では屈指の性能だ。AF-S28mm f/1.8Gと比べると、少なくともワンクラス上の性能だ。
  • 軸上色収差の補正は完璧ではなく、開放では容易に目に付く、F2に絞ってもボケには若干色が付く。
  • 倍率色収差は、絞りを開くと若干増えるが、開放でも0.05-0.06%の低いレベルで、実写では目立たないだろう。
  • 球面収差の補正には問題はなく、フォーカスシフト(絞りによるピント位置の移動)は全く見られない。
  • 歪曲は-1.13%のタル型で、Otus 1.4/28と共にこのクラスのレンズでは、歪曲の少なさは抜きん出ている。
  • コマ収差は開放では顕著で、F2絞ってもあまり改善しない。これは軸上色収差に次いで、このレンズの大きな欠点だ。Otus 1.4/2.8 もコマ収差の補正は完璧ではないが、ニコンの方が更に悪い。
  • 非点収差は7.1%で、穏やかだ。
  • 玉ボケは輪郭も見られず目立った欠点は無いが、わずかに年輪ボケが見られる。隅では、口径食が若干気になる。
  • 周辺光量落ちは、開放で53%(-2.18EV)の大きな値だが、これは、口径の小さい28mm f/1.8Gと全く同じ値で、Otus 1.4/28よりも良好だ。周辺光量落ちは、F2では36%(-1.27EV)、F2.8では20%(-0.64EV)に改善する。
  • 逆光耐性は非常に良好で、全くフレアやゴーストが出ないわけではないが、それほど簡単には出ない。フレア・ゴーストが出ても弱いもので、画面に占める範囲も大きくない。
  • AFは、静かだがあまり速くはなく、最短から無限遠までは約1秒かかる。AF速度は弱いとしか言えない。AF精度に関しては問題はなかった。2台のボディで両方とも少し後ピンの傾向が見られたが、調整できる範囲内だった。
  • ニコンの28mm f/1.4E は、より大きくより高価なOtus 1.4/28と互角の性能で、28mm f/1.8Gとの比較では全ての項目で上回っている。この価格のレンズとしては軸上色収差が大きいこととコマ収差が目立つのが欠点だが、それでもなお、開放付近でも絞った時でも素晴らしい解像力は、これらの欠点を補うものだ。
  • 良い点:しっかりとした鏡筒、中央のセンセーショナルな画質、隅の実用的な画質、倍率色収差が無視できる、球面収差がわずか、歪曲の問題が無い、非点収差が少ない、逆光耐性が良好、静かで正確なAF。
  • 悪い点:AFが遅い、軸上色収差が少々目立つ、コマ収差が顕著、周辺光量落ちが激しい。

 

ニコンの28mm f/1.4Eは、ボケが綺麗でとても立体的な描写をするレンズですが、スタジオ内での数値的なテストでも優秀で、Otusに匹敵する結果を出しているのは素晴らしいですね。

ただ、コマ収差が大きく1段絞ってもあまり改善しないようなので、天体撮影にはあまり向かないかもしれません。