ニコン24mm f/1.8 G EDは高解像力でボケも驚くほど綺麗なレンズ

OpticaLimits(旧称Photozone)に、ニコンの広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 24mm f/1.8 G ED」のレビューが掲載されています。

Nikkor AF-S 24mm f/1.8 G ED (Nikon FX) - Review / Test Report

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、サイズのわりにとても軽量だ。
  • フォーカスリングは申し分の無い重さがあり、滑らかに回転するが、最短から無限遠までの回転角がとても小さい。フォーカスリングには少し遊びがあり、回転の方向を逆方向に変えると、数ミリ動かさないとピントが動かない。AF中心なら心配は無いが、MFで注意深くピントをあわせる必要がある場合は、この遊びにイライラするかもしれない。
  • AFは無音に近く、速度はとても速い。フォーカシングはインナーフォーカスなので、レンズの全長は不変で、前玉も回転しない。
  • 歪曲は1.5%の穏やかなタル型だ。これは24mmの短焦点としては標準的な歪曲で、建築写真など、直線的な被写体が周辺部にある場合には目立つ可能性がある。
  • 周辺光量落ちは開放で2.7EVで驚くほど大きい。絞ると改善するが、絞り込んでも0.5EVの周辺光量落ちは残る。(周辺光量落ちの値は、テスト機のD3Xのグラデーションカーブがフラットなために、キヤノン機のテストの方が約40%高い値になる)
  • 解像力は、中央は開放から素晴らしい値(excellent)だ。周辺部と隅もテストしたほとんどのF値でとても良好な値(very good)で、周辺部は中間の絞り値では素晴らしい値(excellent)に達する。解像力はとても素晴らしい。
  • このレンズには、絞った時にわずかなフォーカスシフトが見られるが、実写で目立つほどの大きさではない。
  • 倍率色収差は、周辺部で開放時に平均0.5ピクセル前後で、良く補正されている。絞ると倍率色収差は少しずつ増加し、F11で0.8ピクセルに近い値になる。
  • ボケは、非球面を使った広角レンズは苦戦することが多いが、このレンズは前ボケも後ボケも驚くほど滑らかで、とても満足の行く結果だ。玉ボケは輪郭も見られず均一だが、ボケに色付きが見られる。
  • 軸上色収差は、開放ではいくらか見られるが、絞れば改善し、F4でほとんど解消する。
  • このレンズは開放から画面全域で見事な解像力で、色収差もよく補正され、歪曲も穏やかだ。加えて、広角レンズとしては、ボケが驚くほどハイレベルだ。欠点は周辺光量落ちが非常に大きいことだが、全体的な性能はとても良好だ。
  • この良好な性能を考えると、現在の750ユーロの価格は許容範囲内だが、同じ価格帯のシグマ24mmはF1.4の明るさだ。しかし、シグマは解像力はニコンに及ばず、大きく重い。どちらを選択するかは、ユーザーが何を優先するかにかかっている。

 

光学性能の評価は4~4.5点(5点満点中)で、このクラスのレンズとしては極めて高い評価になっています。解像力は開放時でも隅まで良好で、かつボケも非常に綺麗で、とても魅力的なレンズという印象です。開放時の周辺光量落ちがかなり大きいことだけが、少々気になるところかもしれません。