ソニーFE35mm F1.4 ZAはボケがうるさいのがウィークポイント

OpticaLimits(旧称Photozone)に、ソニーの広角単焦点レンズ「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)」のレビューが掲載されています。

Sony / Zeiss FE Distagon T* 35mm f/1.4 ZA ( SEL35F14Z ) - Review / Test Report

  • 鏡筒は総金属製で、極上のクオリティだ。フォーカスリングは、非常に滑らかに回転する。
  • AFスピードはα7R II との組み合わせではまずまずで、作動音はしない。AF精度は非常に高い。MFはバイワイヤ(モーターによる駆動)で、精密なピント合わせには向いているが、機械式のフォーカスリングとは異なる感触だ。
  • 歪曲は、RAWで0.09%のごくわずかな陣笠だ。
  • 周辺光量落ちは、RAWでは開放で2.8EVの非常に大きな値だが、F2では1.5EVと大幅に改善し、それ以上絞れば、あまり目立たなくなる。自動補正使用時は、周辺光量落ちは開放で1.1EVになり、まだ時折目立つものの煩わしくはないだろう。F2以降では周辺光量落ちは解消する。
  • 解像力は、中央と中央付近は開放から非常にシャープだが、周辺部が甘く、これはF2でもまだ同様だ。F2.8に絞ると、大幅に画質が改善し、中央は素晴らしい値(excellent)になり、周辺部と隅は良好(good)~とても良好(very good)な値になる。解像力のピークはF4とF5.6で、若干の改善が見られる。F11からは回折の影響が大きくなるが、F11では、まだ実用になる。
  • 像面湾曲の問題は見られない。
  • 倍率色収差は、開放で平均1.25ピクセルで、F2.8以降では0.7ピクセル前後のかなり低い値だ。
  • 玉ボケは残念ながら良好ではなく、円形ではあるが、内部に年輪状の模様が見られる。これは複数の非球面を使ったレンズでは典型的なものだ。この玉ボケは、絞ると更にうるさくなる。前ボケと後ボケもあまり良くはない。多くの広角レンズがボケに苦戦しているが、このレンズも例外ではない。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は、開放では非常に目立ち、少なくともF2.8までは目につく。軸上色収差のテスト画像からは、このレンズには、フォーカスシフトが見られないことが分かる。
  • FE35mm F1.4 ZA は評価の難しいレンズだ。このレンズには、開放付近の周辺部の甘さや、周辺光量落ちなどいくつかの弱点があるが、これは、このクラスの他のレンズにも見られるものだ。少々残念なのはボケがうるさいことで、ボケの色付きもとても目立つ。鏡筒の出来はほとんどパーフェクトだが、AF速度には期待しない方がいいだろう。
  • 大口径の35mmを探しているなら、FE35mm F1.4 ZAは検討する価値のあるレンズだが、純正にこだわらないならSamyangの35mm F1.4 FEも検討した方がいいかもしれない。

 

光学性能の評価はスタジオテストが2.5点(5点満点中)、実写テストが3.5点で、スタジオテストは、このクラスのレンズとしては少し厳しい評価になっています。また、ボケのうるささが指摘されていますが、サンプルでは確かに玉ボケは少々うるさいようですが、後ボケは悪くないという印象です。