富士フイルム「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」は軽量コンパクトで使い勝手の良いレンズ

Photography BLOG に、富士フイルムの新しい標準ズーム「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」のレビューが掲載されています。

Fujifilm XC 15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ Review

  • このレンズの重さはわずか135グラムで、際立って軽量だ。全長も44.2mmで(使用時でも65.2mm)で非常に小さい。X-A5との相性は抜群だ。
  • 鏡筒はプラスチック製(マウントもプラスチック)で、防塵防滴ではない。鏡筒にはボタンやスイッチは無く、フォーカスリングと電動ズームリングだけで非常にシンプルだ。
  • フォーカスリングは抵抗がほとんどなく、素早くピント合わせができるが、滑らかではない。
  • 電動ズームリングの使い勝手は良好で、リングを速く回すと素早くズーミングするが、作動音が少々うるさく、動画でノイズを拾う。リングをゆっくり回すと緩やかにズーミングし、作動音もずっと静かになり動画でも快適だ。スチルの撮影では、このレンズのような電動ズームでは、正確にズームを調整するのが難しい。
  • AFはステッピングモーターによる駆動で、非常に静かなので、動画でも問題はない。AFスピードは、カメラの種類や光量にも依存するが高速だ。
  • 色収差は周辺部のハイコントラストな部分で見られるが、JPEGでは自動補正され目立たない。色収差は非常によく補正されており、ピクセル等倍で見ても、隅に若干の色ズレ(大抵はブルーだ)が見られるだけだ。
  • 周辺光量落ちは、JPEGでは広角端の開放でもわずかで、F4以降では目に付かない。望遠端では絞りにかかわらず周辺光量落ちは見られない。RAWではJPEGより開放時に少し周辺光量落ちが目立つが、通常の被写体なら目立たない。
  • 歪曲は広角端では若干のタル型で、望遠端では全く歪曲は見られない。歪曲に関しては全く問題ない。
  • 絞りは7枚羽根で、絞ると絞りの形が現れてボケは見栄えがしない。ボケ味を良くするには開放での撮影がベストだ。
  • 15mmの解像力は、中央はF3.5ではわずかに甘くコントラストが低いが、F4以降では最高の解像力になる。隅は、画面のどこにピントを合わせるかで解像力が変わり、画面中間に合わせると、開放では隅はピンぼけになってしまい甘い。被写界深度をかせげるF8からF11に絞るとシャープになる。
  • 30mmの解像力は、F5.6からF11までは非常にシャープで、F8が最もシャープになる。ここでは隅に若干妥協がみられ、開放(F4.5)では隅は若干甘くコントラストも低いが、それでもまだシャープだ。開放時に隅が甘くなる原因の一部は、ここでも深度内に入っていないためだ。
  • 45mmの解像力は、中央は絞り値にかかわらずとても良好だが、仔細に見るとF11が一番シャープだ。隅のディテールは中央とそれほど変わらない。
  • 富士フイルムのレンズは廉価なレンズでも高画質が期待できるが、このXC15-45mmも例外ではなく、このようなコンパクトで手頃なレンズとしてはディテールはとても良好だ。使い勝手は平均点で、電動ズームはスチルよりも動画向きだ。明らかに優れているのは大きさ重さで、この点だけで、このレンズは人気レンズになると予想している。ワイド側が広いので風景撮影で融通がきき、使い勝手の良いレンズだ。

 

解像力の実写テストで、隅が深度内に入ってないと何度か述べられているので、このレンズは像面の湾曲があるのかもしれませんね。サンプルを見る限りでは、周辺部は若干ソフトですが、小型軽量のキットレンズとしては十分な性能と言ってよさそうです。

パワーズームは動画には向いているようですが、スチルではあまり使い勝手が良くないようですね。