キヤノンEF70-300mm F4-5.6 IS II はこのクラスとしては素晴らしい性能

OpticaLimits(旧称Photozone)に、キヤノンの望遠ズーム「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」のレビューが掲載されています。

Canon EF 70-300mm f/4-5.6 USM IS II - Review / Test Report

  • 鏡筒はプラスチック製(マウントは金属製)で、鏡筒の造りはコンシューマーグレードのレンズとしてはとても良好だ。
  • ズームリングとフォーカスリングは、とても滑らかに回転する。ズーミングでレンズは繰り出す。旧型と異なり、内側の鏡筒は回転しない。
  • 旧型と明らかに異なるのはAFスピードで、Nano-USMを採用したこのレンズのAFは猛烈に速く、これまでにテストした最高速のレンズに容易に並ぶ速さだ。AFの作動音は全くしない。
  • 歪曲は70mmで2.1%のタル型で、中間域から望遠端では糸巻き型に変わる(300mmで1.48%の糸巻き型)。歪曲はそれほど大きくはないが、建築物などの直線的な被写体では目に付く。
  • 周辺光量落ちは、開放で最大1.2EV前後で、1段絞ればほとんど目に付かなくなる。
  • 50MP機での解像力は、70mmでは中央は開放からとても良好な値(very good)で、周辺部は良好な値(good)だが、隅はとても甘い。最も高性能なのは中間域の200mmで、このとき中央の解像力は広角端よりも若干下がるが、画面全域で均一で高い解像力を維持している。300mmでは解像力は少し低くなるが、それでもなお良い(good)~とても良い(very good)の値を維持している。このレンズの解像力は、コンシューマー向けのレンズとしてはとても良好だ。

canon70-300_IS_II_MTF.jpg

  • 倍率色収差は、70mmでは1.2ピクセル前後、最も低い200mmでは0.3-0.5ピクセル前後だ。300mmでは、倍率色収差は再び大きくなるが、低いレベルを維持している。
  • 玉ボケは円形絞りのおかげでF11でも申し分のない円形だが、少し輪郭が付き、内部には同心円状の模様(これは絞ると更に強調される)も見られる。
  • EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS と比較すると、鏡筒の造りも光学性能も、IS II の方が優れている。EF70-300mm F4-5.6L IS と比較すると、造りは当然Lレンズの方優れており、光学性能はLレンズの方が全域での均一性が高く、中央の解像力も少し高い。タムロンSP70-300mm F4-5.6 VCとの比較では、ほとんどの点でIS II が優れている。
  • EF70-300mm F4-5.6 IS II は多くの点で旧型から改善されている。光学系はより望遠側に重点が置かれており、一般的に、これは良いことだ。画質はプロレベルには達していないが、コンシューマーレンズとしては素晴らしく、中間域から望遠側では概ねとても良好な画質だ。広角端は周辺部が芳しくないが、実写では、通常は大きな問題にはならないだろう。
  • このレンズは、このクラスでは明確な選択肢だ。このレンズは実に安価で、これは最近ではめったにないことだ。

 

解像力は広角端の隅が少し弱いですが、肝心な望遠端はなかなか優秀で、このクラスとしては申し分の無い性能と言ってよさそうです。加えてAFや手ブレ補正も大きく改善されているので、コストパフォーマンスはとても高いレンズという印象です。