オリンパス「ED12-200mm F3.5-6.3」は望遠端の画質がウィークポイント

ePHOTOzineに、オリンパスの新しい高倍率ズームED12-200mm F3.5-6.3のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko Digital ED 12-200mm f/3.5-6.3 Lens Review

  • このレンズは、非常にコンパクトで、重さも455グラムと控えめだ。PROレンズではないが、防塵防滴仕様になっている。
  • 最短撮影距離は0.22m、最大撮影倍率0.46倍で、とても寄れる。この近接性能は、極めて有用だ。
  • ズームリングは固く、それほどなめらかではない。ズームで鏡筒は大きく繰り出すが、鏡筒にガタつきは見られず、しっかりとしている。
  • 手ブレ補正は搭載されていないので、ボディ内手ブレ補正は役に立つものの、高倍率で暗いレンズなので望遠側では手ブレに注意が必要だ。
  • 12mmの解像力は、中央はF3.5からF8まで素晴らしい値(excellent)だ。隅はF3.5からF8ではそこそこの値(fair)にしかならない。

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  • 25mmの解像力は、中央はF4.7からF11でとても良好な値(very good)、隅はF4.7で良好な値(good)、F5.6からF8でとても良好な値(very good)だ。

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  • 70mmの解像力は、中央はF6からF11でとても良好な値(very good)で、隅はF6では甘く(soft)、F8でそこそこの値(fair)、F11とF16で良好な値(good)になる。

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  • 200mmの解像力は、中央は全ての絞り値でそこそこ(fair)で、隅は非常に甘い(quite soft)。しかし、このレンズは野外の遠距離の撮影ではずっと良好な結果が得られる。

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  • 倍率色収差は、12mmでは中央はほぼゼロだが、隅は平均1.5ピクセルで目立つ。25mmでは隅は少し改善する。70mmから200mmでは、中央は引き続き良く補正され、隅の色収差は1ピクセルかそれ以下に改善する。
  • 歪曲は、12mmでは-0.87%のタル型で、25mmでは+0.28%糸巻き型、70mmでは更に小さな+0.10%の糸巻き型、200mmではほぼ完璧な結果で-0.10%のタル型だ。
  • ボケは、全域でとても満足の行くものだ。
  • 逆光耐性は、ほとんど問題は無いが、画面の隅に明るい光源が入ると色とりどりのゴーストが現れる。しかし、大部分のケースでは問題は起きない。
  • 周辺光量落ちは12mmで-1.3EVで、絞っても解消しない。25mmでは周辺光量落ちは-0.3EV、70mmで0.6EV、200mmで-0.7EVで、これはとても満足の行く結果だ。
  • このレンズは200mmが弱点で、200mmの解像力はワクワクするようなものではないが、それでもなお、遠距離の多くの被写体ではテストチャートよりも良好で許容範囲内だ。
  • 望遠端が長く、非常に寄れるオールインワンの旅行用ズームのコンセプトは素晴らしいものだが、画質と利便性はトレードオフであることを受け入れなければならない。このレンズは広角側と、画面の中央の画質を重視しているが、望遠端のズーム域の拡張は多くのケースで評価されるだろう。
  • 良い点:とても良好な中央の解像力、中央の色収差が非常に少ない、周辺光量落ちが穏やか、最高に汎用性に富むズーム域、近接性能、静かで速いAF、フルタイムマニュアルフォーカス、防塵防滴、軽量コンパクト、歪曲が非常に小さい。
  • 悪い点:200mmの解像力が苦しい、手ブレ補正が無い、隅の色収差、明るい光源でのフレア。

 

12-200mm F3.5-6.3は、望遠側の解像力の落ち込みが大きく見えますが、実写サンプルでは確かにグラフから受ける印象よりもシャープに見えるので、レビュワーの言うように、近距離の解像力チャートの撮影では実力が発揮できないレンズなのかもしれませんね。

ボケは高倍率ズームとしては、とても綺麗という印象です。このレンズは、さすがに12-100mm PROほどの性能は無いようですが、より小型軽量でズーム倍率が高く寄れるので、利便性重視の人には良い選択肢かもしれません。