トキナー「FiRIN 20mm F2 FE AF」は小型軽量で魅力的なレンズ

OpticalLimitsに、トキナーのEマウント用の広角単焦点レンズ「FiRIN 20mm F2 FE AF」のレビューが掲載されています。

Tokina FíRIN 20mm f/2 FE AF - Review / Test Report

  • 鏡筒は総金属製で、素晴らしいクオリティだ。このレンズは20mm F2としては、非常に小型軽量で、ソニーのミラーレスカメラによくマッチする。防塵防滴でないのは残念だ。
  • フォーカスリングは滑らかに回転する。フォーカシングはインナーフォーカスなので、全長は変わらない。トキナーは少々時代遅れだったフォーカスクラッチ機構をやめて、ソニーに似た新しいフォーカシングシステムを実装している。
  • AFはトキナーのウィークポイントだったが、それは、このレンズにも当てはまる。AFは、現代の水準からするとかなり遅い。
  • MFはバイワイヤ(モーター駆動)で、実際にピントが動くまでに、時折、かなりフォーカスリングを回さなければならないことがある。もし、MFを重視するなら、MF版のFiRIN 20mm F2 FE MFを使う方がいいかもしれない。
  • 歪曲は非常に小さい(未補正で0.299%の糸巻き型)が、陣笠状だ。とは言え、自動補正で完璧にまっすぐに補正される(補正後は0.145%の糸巻き型)。
  • 周辺光量落ちは、開放で3EV前後で非常に目立つ。絞ると改善する(F2.8で2EV)が周辺光量落ちは残る(F4以上では1.7EVのまま)。自動補正を使えば、F2で1.5EVで許容範囲内になり、F2.8以降では0.8EVで解消する。
  • 中央付近の解像力は、F2からF5.6では42MPセンサーの能力を間違いなく超えているが、隅は甘い。F2.8では改善するが、良好な画質を得るには、少なくともF4に絞った方がよい。周辺部と隅の解像力のピークはF5.6からF8で、このとき隅はとても良好な解像力(very good)になる。このレンズの解像力は、弱点もあるが、これは、このような大口径広角レンズでは普通のことだ。

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  • 像面の湾曲は極めて小さい。また、テストしたレンズの偏心は少なかった。
  • 倍率色収差は、自動補正をOFFにしても問題になるレベルではないが、開放では厳しい条件の被写体では、色ズレは目に見える。
  • ボケはとても滑らかで、このクラスの多くのレンズよりも優れている。
  • 強い逆光では緑色のゴーストがいくらか見られるが、それでも、他のレンズ見られるような虹色のゴーストよりは良いだろう。
  • このレンズは中央の解像力は素晴らしいが、隅は開放では甘い(F5.6~F8では非常にシャープになる)。背景をボカすような写真では隅の解像力はそれほど重要ではないが、天体写真に理想的とは言えないだろう。広角でしばしば問題になる像面湾曲と歪曲は非常に少なく、色収差も少ない。意外だったのはボケの綺麗さだ。
  • このレンズは大口径にもかかわらず小型軽量で、ミラーレスの単焦点レンズがどうあるべきかを示している。ピークパフォーマンスは素晴らしく、FiRIN 20mm F2はこのクラスでは非常に魅力的な選択肢だ。価格は安価ではないが、口径を考えれば適正だ。

 

光学性能の評価は5点満点中3.66(3と2/3)で、良好な評価となっています。解像力は、開放付近では隅の解像力が低めですが、このサイトのテストでは、隅はかなり低い値が出ることが多いので、これは問題のない値だと思います(参考:シグマ20mm F1.4の50MP機の解像力テスト)。

このレンズは、超広角にもかかわらず、歪曲が非常に小さいので、建築物などを撮る人には使い勝手がよさそうですね。ただ、MFが若干使いにくそうなのは、気になるところです。