ソニー「FE35mm F1.8」の光学性能は高価な「T* FE35mm F1.4 ZA」より優れている

DPReview に、ソニーのEマウント用の新しい広角単焦点レンズ「FE35mm F1.8」のレビューが掲載されています。

Sony FE 35mm F1.8 Review

  • 鏡筒はFE28mm F2にそっくりだが、マルチファンクションボタンが搭載されている。重さは280グラムしかなく、本当に軽い。鏡筒の材質は金属とプラスチックで、造りはGMやツァイスの水準には達してないが、プラスチッキーな感じはぜずしっかりとしている。
  • AFは極めて速く、最短から無限遠まで約1/2秒で、実写では瞬時にピントが合う感覚だ。α7R III との組み合わせでは、AFには全く問題はなく、ブランコで高速で揺れ動く子供に追従した。ソニーの大部分のカメラとレンズに言えることだが、開放ではAFは最速だが、絞るとAFの的中率が下がる。
  • MFはバイワイヤ(モーター駆動)で、フォーカスリングを回す速さにかかわらずレスポンスは一定なので動画に向いている。また、フォーカスブリージングが見られないことも、ビデオグラファーに歓迎されるだろう。
  • このレンズは開放からシャープで、F1.8の絞り値では、ツァイスT* FE35mm F1.4 ZAやニコンZ35mm f/1.8 Sよりもシャープで、ベンチマークとなっているキヤノンEF35mm F1.4L II に迫るシャープさだ。
  • 残念ながらハイコントラストな被写体の輪郭部分でパープルフリンジが見られるが、F2.5まで絞れば改善する。
  • このレンズを開放で使用したいと思っている天体写真家は、開放では隅にかなりのコマ収差が見られ、解像力を損なっていることを把握しておくべきだ。しかし、F2.8まで絞れば問題は無くなる。
  • ボケは、前ボケも後ボケも非常に満足の行くもので、玉ボケにリングボケは見られない。ボケは、リングボケと軸上色収差が極めて目立つT* FE35mm F1.4 ZAよりずっと優れている。
  • ナノARコーティングは採用されていないが、逆光時のフレアは非常に良く抑えられている。ゴーストも非常に少ない。
  • 倍率色収差はコントラストの高い被写体では、かなり目立ち、しばしば、画面の隅で緑と紫の色ズレが見られる。ボケの部分の軸上色収差も目立つ。
  • 絞り込んだときの光芒は18本で、とても魅力的なものだ。
  • 周辺光量落ちは開放では画面の広い範囲で目立つが、落ち込みは最大でも-1.5EVに過ぎない。周辺光量落ちはF4まで絞れば大きく改善し、絞り込むとF11まで改善する。
  • FE35mm F1.8は完璧なレンズではないが、光学性能に関しては多くの点で遥かに高価なT* FE35mm F1.4ZAよりも一枚上手で、どの絞り値でも35mm F1.8がずっとシャープで、ボケも均一だ。そして、FE35mm F1.8の方がずっとコンパクトだ。ソニーの3本の35mmの中でFE35mm F1.8が一番バランスが良く、我々の第一候補だ。
  • 良い点:開放から非常にシャープ、均一で心地よいボケ、良好な近接性能、極めて速いAF、歪曲がほとんど見られない、リニアなMFのレスポンス、フォーカスブリージングが見られない、軽量でα9/α7シリーズとのバランスが良好、防滴で造りが良い、カスタマイズを可能にするマルチファンクションボタン。
  • 悪い点:状況によって倍率色収差と軸上色収差が気になる、絞り込んでも周辺光量落ちが残る、開放ではコマ収差が見られる、画面の隅で玉ボケの輪郭が若干うるさくなる。

 

FE35mm F1.8は無印のレンズですが、特に解像力やボケは非常に優れているという印象です。このレンズは、多くのカテゴリで高価なT*FE35mm F1.4 ZAを上回る性能で、コストパフォーマンスは抜群という印象です。

低分散レンズを使用していなので、色収差は状況によってはかなり目立つようですが、無印レンズなので、その辺りは割り切った設計になっているのかもしれませんね。