・Fujifilm Fujinon XF 16-80 mm f/4 R OIS WR
- ズームリングは適切な重さがあり、全域でむらなく滑らかに動く。フォーカスリングは、フォーカスバイワイヤ(モーターによる駆動)で、申し分の無い出来だ。最短から無限遠までの回転角は、リングを速く動かした場合は120-130度、ゆっくり動かした場合は360で、十二分に正確なピンと合わせができる。
- 手ブレ補正は最大で4.5段分の効果で、メーカーの主張する6段分には届かないが、それでもなお素晴らしい値で、称賛に値する。
- 中央の解像力は広角側が最も高く、開放で既に70lpmmに達する高いレベルで、F5.6に絞ると72lpmmに改善する。これは文句の無い性能ではあるが、より安価なXC15-45mmF3.5-5.6が15mmで77-79lpmmに達することは言っておかなければならないだろう。
- 中央の望遠側は16mmと30mmに比べると解像力が低下するが、それでも開放から良像の基準値(44-45lpmm)を超える良好な値だ。50mmの解像力は、XC15-45mmの45mmの解像力を大きく上回っている。
- 隅の解像力は、中間域は不満の無い結果だ。16mmでは少し解像力が低くなるが、それでもまずまずの画質だ。80mmの解像力は非常に弱く、絞った場合でも良好な画質にはならない。このレンズの期待が非常に高かったので、この結果には少しがっかりした。
- ボケには色が付かず、軸上色収差は全く問題ない。
- 倍率色収差は、50mmではほとんどゼロだ。30mmでは絞ると大きくなるが、それでも低い値を維持している。16mmではもう少し大きくなり、低い~中程度の値になる。80mmでは中程度の値だ。
- フォーカスシフトはF4からF5.6に絞ったときに見られ、後ろにピントが移動するが、顕著なものではない。
- 歪曲はJPEGではほとんど見られないが、RAWでは16mmで-6.39%の極めて強いタル型だ。望遠側にズームすると歪曲は急速に改善し、23mmでは+0.85%の糸巻き型になる。35mmでは+3.49%、50mmでは+3.66%、80mmでは+3.06%の糸巻き型で80mmでも歪曲は非常に大きい値だ。
- コマ収差はそれほど強くなく、このクラスのレンズの中ではとても良好だ。非点収差は平均8.6%の穏やかな値だが、80mmでは17.7%でかなり大きくなる。
- ボケは輪郭と年輪ボケが見られ、素晴らしいとは言えない。良い点をあげるとしたら口径食が少ないことで、口径食は1段絞れば完全に解消する。
- 周辺光量落ちはJPEGでは気にならないが、RAWでは16mm開放で47%(-1.83EV)の非常に高いレベルだ。更に悪いことに絞っても改善が遅く、F5.6で37%(-1.33EV)、F8でも29%(-0.98EV)でまだ目立ち、F11やF16でも改善に解消しない。
- 逆光ではゴーストの数はほどほどで、コントラストの低下も顕著ではなく、逆光耐性は悪くはない。しかし、残念ながら他社のライバルと比べると逆光耐性は弱い。
- AFは広角端で明るい条件なら最短から無限遠まで0.3-0.4秒と速いが、望遠端で暗い場所だと1秒と遅くなる。AFのミスは3~4%未満で、大きな問題は無いが、よい条件でも時折ピントを外すことがあった。
- XF16-80mm F4には大いに期待したが、期待が大きすぎた。このレンズは汎用性の高い焦点距離で、高速で正確なAF、非常に効果的な手ブレ補正を搭載した実用的な光学性能のレンズだが、800ドルの価格を考えると欠点が多すぎると思う。
- 良い点:しっかりした防塵防滴の鏡筒、中央の非常に良好な画質、隅の16-50mmの実用的な画質、軸上色収差が目に付かない、倍率色収差が競合するレンズよりも良く補正されている、コマ収差がわずか、AFが静かでとても速く正確、非常に効果的な手ブレ補正。
- 悪い点:80mmの隅の画質が弱い、80mmの非点収差が目立つ、RAWの歪曲が極めて大きい、RAWの周辺光量落ちが目立つ、逆光耐性が今ひとつ。
LensTipのXF16-80mm F4の評価は少々辛口ですが、望遠端の隅の画質を除けば概ね優れた性能と言ってよさそうです。欠点の多さが指摘されていますが、実写では発色が良く綺麗な画像が出てくるレンズという印象です。ただ、玉ボケの年輪ボケは少々気になりますね。
Hak
先日X-T3と一緒に購入しましたが、良く写りますよ。手ブレ補正強力でAFも早く、かなり歩留まり良いです。jpeg撮って出し派の私にはほぼ不満のない価格相応のレンズと思いますが、周辺減光を見るとRAW派は敬遠しそうですね。
通りすがった
歪曲収差や周辺減光を妥協する代わりに、他の(もっと補正の計算処理が面倒くさい)収差を小さく抑える、というコンセプトなのかも知れませんね。
フジはフィルムシミュレーションつまりjpgに力を入れていますし。
かぼ
2か月ほど使っていますが、記事のとおり解像度には満足できるものの広角端の歪曲の
多さと周辺光量落ちは結構気になりますね。
16-80の焦点域はとても便利なのですが他社製も含め全ての項目で高評価のレンズは無い
ようなので、設計が難しい焦点域なんでしょうね。
とはいえ強力な手振れ補正と防塵防滴搭載で気軽なJpeg撮影ではとても重宝しています
ので買ってよかったと思います。
カタスマー
いわゆる小三元というよりは、便利ズーム寄りのレンズなんですかね(小三元はキットのxf18-55f2.8-4?)。
とはいえ便利ズームとしてみると解像力や手振れ補正、防塵防滴はなかなか高性能なレンズですね
というか、XC15-45mmF3.5-5.6の解像度高すぎで、フジノンのポテンシャルの高さを感じます
DaB
APS-Cミラーレス用の約5倍の標準ズームって、旧いソニーの16-70mm f4くらいしかないですし、あちらもわりと散々に書かれていました。レフ用まで入れてもニコンとシグマくらいで、どれもかなりしょっぱ目の評価だったと記憶しています。個人的に使ったことがあるのはソニーとフジですが、これらはどちらも便利で写りにも不満はなかったですが。
ニーズはあっても作るのが難しいスペックなのでしょうかね。
sodai
購入予定ですが、個体差もあるのでしょうか?
もう少し評価を確認してから判断します。
今、重宝しているXF18-135㎜も初期よりも
今のほうが高評価なので、製造で改善してくるかも。。
とはいえ、かなり先でしょうか。
slumber
11月頭に購入してからずっと気になっているのですが、AFが8割程の確率でしか合わず、残りの2割はカメラのモニターでjpegを拡大して見るとかなりボケていることが多いです。
これは初期不良なんですかね?とは言っても8割方AFは合うので、サービスステーションに持って行っても対応してもらえるのか不安です…
同じような症状の方いらっしゃいませんか?
ミラーレス好き
slumberさん
このレンズ、特定の条件で微ブレが発生する問題があるようで、その可能性はないでしょうか。
ファームウェアのアップデートで改善されたという情報を見たことがあるので、試してみる価値はあるかと思います。
Xuser
まとめで、価格が少なくとも25%下がらないと推奨するのは難しいと書いているから、総評としては少々辛口どころか酷評ですね。
発売後すぐに購入して、使っていて気になる点がいくつかあっても、個人的には高い買い物をしたとは感じていません。
slumber
ミラーレス好きさん
ありがとうございます!初期不良なら確かにファームアップで修正されそうですよね。
ファームアップしてみて駄目ならサービスステーションに持ち込もうと思います。