タムロン「70-180mm F/2.8 Di III VXD」は軽量コンパクトで優れた光学性能

ePHOTOzineに、タムロンのEマウント用の望遠ズーム「70-180mm F2.8 Di III VXD(A056)」のレビューが掲載されています。

Tamron 70-180mm f/2.8 Di III VXD (A056) Review

  • 70-200mm F2.8クラスのレンズは通常は重くてかさばるが、タムロンの70-180mm F2.8は、望遠端を180mmに留めることで、コンパクトで810グラムの軽量を実現している。鏡筒の造りもよく、可動部はいずれも滑らかに動く。
  • ズームリングにはロック機構が付いているが、ズームの自重落下は見られない。レンズを使い込んだ後で(ズームリングがゆるくなれば)ロック機構が役に立つかもしれない。
  • MFモードでは70mmで最短撮影距離0.27m、最大撮影倍率1:2倍で撮影できるが、近接域では隅は甘くなり、絞りを開くとソフトフォーカスのようになる。この傾向は、0.85mの撮影距離でなくなり、それ以上の距離では画面の隅までシャープになる。
  • AFは非常に高速で、ほとんど作動音はしない。
  • 70mmの解像力は、中央はF2.8からF16に至るまで素晴らしい値(excellent)を維持している。隅はF2.8ではとても良好な値(very good)で、F4からF16では素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 100mmの解像力は、中央はF2.8ではとても良好な値(very good)で、F4からF16までは素晴らしい値(excellent)だ。隅もF2.8ではとても良好な値(very good)で、F4からF16では素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 135mmでも解像力は維持されており、中央はF2.8からF16まで、素晴らしい値(excellent)で、隅もF2.8からF16まで、素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 180mmでは中央はF2.8からF16まで非常にハイレベルで素晴らしい値(excellent)が維持されている。隅は少し落ち込むが、F2.8で良好な値(good)、F4とF5.6でとても良好な値(very good)、F8とF11で素晴らしい値(excellent)で優れた画質を維持している。

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  • 倍率色収差は自動補正無効の状態で、中央はゼロに近い値だが、隅は180mmで少しだけ大きな値になる。しかし、ほとんどのケースでは色収差は問題にならないだろう。
  • 歪曲は自動補正OFFで70mmで-1.01%のタル型、100mmで+1.17%、135mmで+2.52%、180mmで+3.61%の糸巻き型で、多くの一般的な写真では歪曲に気付かないかもしれない。
  • ボケはこのレンズの醍醐味で、通常の距離でもボケの滑らかなグラデーションは素晴らしい。また、超近接域ではレンズベビーのようなボケと変化に富んだ効果が得られるので、クリエイティブな使い方ができるかもしれない。
  • 逆光耐性は非常に素晴らしく、フレアを出すのは困難で、明るい空を背景にして撮影した場合でも若干のコントラストの低下が見られる程度だ。
  • 周辺光量落ちは、70mm開放で-0.8EV、180mm開放で-1.4EVでズーム全域で良く補正されている。
  • 70-180mm F/2.8は大胆にも望遠端を20mm削っているが、そのメリットはレンズを使えばすぐにわかる。このレンズは軽量コンパクトで価格も適切で光学性能も優れている。MFの最短付近での効果も面白く、この機能は大きな可能性を秘めている。このレンズは他にはない特徴を備えた優れたレンズだ。
  • 良い点:ズーム全域で素晴らしい解像力、美しいボケ、よく補正された色収差、小さな歪曲、MF時の独自の接写機能、軽量コンパクト、高速で正確なAF、適切な価格、防滴構造、穏やかな色収差、際立ったハンドリングの良さ。
  • 悪い点:いくらか望遠端が短い。

 

解像力は広角端から135mmまでは隅まで抜群に高い値ですが、望遠端だけは隅の解像力が落ち込むようですね。とは言え、絞れば十分に高い解像力になるので大きな問題はなさそうです。ボケはズームとしてはなかなか綺麗で、最短撮影距離付近の描写には面白い味がありますね。